四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

MyGO!!!!! Zeppツアー2024 ”彷徨する渇望” 東京公演に行ってきた。

11月にあったバンドリ12thライブの興奮も記憶に新しいが、現実と仮想が同期するバンドMyGO!!!!!の次なるステップとなるZeppツアー”彷徨する渇望”が2月12日のZepp羽田を皮切りに全国四箇所での公演が始まる。ただし東京以外はすべて平日開催のため自分は東京一本に絞ってチケットの先行抽選に応募、昨今の加熱する人気に比べてキャパ3000と高倍率になることが確実視されながらも見事チケットを勝ち取ったのであった。だが三日前に電子チケットを受け取ると自分のブロックはだいぶ後方のDブロックで整理番号は200前後と、若干テンションの下がる条件が判明し期待と不安が半々の状態でライブ当日を迎えることになった。

 

そして2月12日ライブ当日。この日は午前9時ごろに家を出てMyGO!!!!!関連の聖地巡礼を先に済ませてからまずは秋葉原に向かった。秋葉原に着いたのは午前11時半ごろ、駅前のゲーマーズ4階にあるブシロードストアにライブのグッズが並んでいるかどうかを確認しに行った。会場に行かなくてもここで手に入れられれば、開場時間まで自由行動できるからという目論見だ。12thのときはMyGO!!!!!グッズの売り場は完売御礼ですっからかんになっていたのだが、今回は大型イベントではないからかライブのグッズは何種類か置いてあった。アクスタ・タオル・ラバーバンド・缶バッヂ・キーホルダー・クリアファイル。しかし一番欲しいTシャツがない。とりあえず記念品のキーホルダーとラバーバンドを購入したが、結局早いうちに現地入りしなければならなくなった。この後MyGO!!!!!関連のお出かけのときはお馴染みのSUBWAYで昼食を摂りZepp羽田へと向かう。

 


浜松町からモノレールに乗り、Zepp羽田の最寄りである天空橋駅に到着したのが午後2時ごろ。天空橋って何度聞いてもカッコいい名前だ。駅から地上に出ると羽田空港の敷地の隣に羽田イノベーションシティというでかい建物がポツンと立っている。ここのどこかにZepp羽田があるらしいがよく分からないので、建物の間を抜けていくと奥の方に人だかりができていた。MyGO!!!!!キャラ法被を着ている人もいたのですぐにそこがZepp羽田だと理解する。階段を降りた一階で物販をやっていたが、まだフリー入場ではなく門前払いされてしまう。12thのときはこの時間でフリーだったのだがあてが外れてしまったようだ。しばらく他所で時間を潰してくることに。

 

 

このあたりには時間を潰せるような施設がまるでないので、羽田イノベーションシティからすぐ横に流れている多摩川に向かって歩く。近くに弁天橋という多摩川の支流である海老取川にかかる橋があるのだが、映画『シン・ゴジラ』の序盤でまだ第一形態のゴジラ東京湾から蒲田に上陸するときに遡ってきた場所。天空橋駅は映画の上映当時聖地巡礼の一環として訪れたことがあったのだ。もう8年くらい前の話になる……。そこから見晴らしのいい堤防を東京湾方面へと歩き、羽田と川崎の間に掛かる多摩川スカイブリッジで折り返してZepp羽田まで戻ってくると3時くらいになっていた。物販も既に入場フリーだったのでチケットを見せて中に入る。

 

 

物販の列にはほとんど人が並んでおらずすんなりと買うことができた。後で分かったことだが、4時くらいにはだいぶ人が集まってきて物販に再び行列ができていたので時間敵にはちょうどよかったらしい。12thと違って在庫が潤沢に用意されていたのか完売はほぼ無く、Tシャツとチケット風ステッカー、そしてMyGO!!!!!プロテインバー1BOXをネタのつもりで買ってみた。これで暫くの間朝食はプロテインバーになるだろう。一箱700円は割高すぎるけど。

 

その後推し旅とかいうJR東海とバンドリがコラボしている企画で、現地専用のボイスドラマが聴けるというのでそれを聴いたり(燈が東京の観光地についてレポートを書くのを愛音と立希が手伝うという内容)、近くの展望デッキに上がって空港から飛び立つ飛行機を見たりして時間を潰していると午後4時。今回はオールスタンディングのため荷物を持ち込むことができない。Zepp専用ロッカーも人数に対して足りるのかどうか分からないため(キャパ3000人弱に対してロッカーが1300らしい)、不安だったので空いているうちに早めに荷物をコインロッカーに放り込んだ。

 

着ていたダウンジャケットも中に入ったら邪魔になるので一緒にロッカーに入れたのだがさすがにちょっと寒かった。開場時間の5時になるまでは建物の陰で我慢していたものの、列形成が始まったのでDブロックの列に向かうと遮蔽物のない羽田イノベーションシティの敷地の外で寒さをしのぐ術がない。最初のうちは寒さにも我慢できていたのだが、次第に陽が落ちてどんどん気温が下がってくる! ブルブルと身体が震える中、早く列動いてくれと祈りながら待ち続けることになった。

 

開場の5時になっても列が動く気配がまったく無く、5時40分くらいにようやくDブロックの列が動き出してZepp羽田入り口の階段前で待機。なんでこんなに入場が遅いのかと思ったら整理番号順に一人づつ呼び出しているようだ。そんなの遅くなるに決まっている。ようやく番号が呼ばれて入り口でドリンク代(600円)を払ってドリンクコインを受け取り、カウンターで水のペットボトルと交換。初めてのライブハウスなのでこういうシステムなんだなと初めて知ることばかりだ。そして流れるままにホールの中へ。

 

Dブロック、チケットを受け取った瞬間から嫌な予感がしていたが案の定ほぼ最後方で、おまけに人垣もあってステージはほぼ見えない。一応一段上がった場所にあるのだが焼け石に水である。最初から見切れ席に申し込んだのならともかく、これで前方と同じチケット代14300円なんだからすごい格差だ……。

 

 

ライブはステージが全然見えなかったこともあってだいぶ記憶が曖昧なので、ここからはなんとか記憶を振り絞ってみる。MyGO!!!!!の五人は初期のライブ衣装で登場。最初は碧天伴走、そこから間髪入れずに影色舞といつもだったら中盤でギアを上げていくような曲から始まって、冷え切った身体と心がだいぶ温まった。狭いライブハウスだけあって12thより観客の密度も熱量も高く、手拍子のタイミングもサイリウムを振る動きもより完璧に見えた。それ以外何も見えなかったというのが正しいが。高松燈を演じるヴォーカルの羊宮妃那さんも燈と同じように凄く尻上がりの印象があって、碧天伴走は一曲目だったこともあってかアニメ7話であんまり声が出てないバージョンと普段のバージョンの中間のようでもあった。はっきり言って今回の客はかなりやかましく、歌声は少し聞き取りにくかった。ライブらしいと言えばらしいのだろうけど……。

 

二曲続けてやった後に定番の自己紹介を挟む。毎回愛音が主導で順番に自己紹介していくのだが、りっきー呼ばわりされてムッとした感じで自己紹介する立希は良かった。その後配信のカメラに映りたいんでしょと愛音に言われて戸惑った反応をするところも。自己紹介が終わり、ゆっくりとした立ち上がりのライブ専用ヴァージョンの迷星叫に驚きと興奮を覚えつつ、名無声、壱雫空と続く。壱雫空の出だしで歌詞が飛んでしまったのか燈が無言になる一幕も。ライブは生ものと言いつつもちょっと心配になった。前回の12thと違って迷星叫や壱雫空でハイッハイッ!っていつの間にか合いの手が入るようになっていたが、その場のノリで真似するしかない。三曲終わった後のMCではまた愛音と立希が絡んでいて微笑ましい。

 

そしてMCの流れから今度はカバー曲に入っていく。最初は二息歩行(DECO*27)。YouTubeのMyGO!!!!!アカウントの一番最初に投稿された曲でもあるのだが、個人的はあまり聴いたことがなくちょっとイメージが薄い。次は潜在表明。ポエトリー・リーディングがガッツリ入っているこの曲は役に入り込む羊宮妃那の真骨頂であると思う。目深に衣装のフードを被り、全身を使った魂の慟哭とも言うべき叫びがライブハウスの中に響く。ここだけは人垣の間からチラッとステージが見えたのでよく覚えている。どこかのタイミングでフードを跳ね上げたらしいがその瞬間は見えなかった。この後カバー曲の君の神様になりたいへと続く。

 

それが終わると愛音からあまりにも早い終盤宣言。キャラクターのガワが剥がれかけて中の人がちょっと出ている気がする燈が会場を煽って、ライブで披露するのは初となる歌いましょう鳴らしましょうが始まる。待望の曲に会場の熱気は益々高まりそのまま音一会、迷路日々へと続く。三曲目が終わるとステージが暗転し、一人ずつにスポットライトが当たりながら詩的なメッセージを呟いていく。砂とか旅人とか……そういうものに心当たりがあることはあったが、まさか本当に来るとは思っていなかった。来月発売の4thシングルに収録されている、本邦初公開の新曲”砂寸奏(さすらい)”。”さす”まではかろうじて分かるが”らい”はどっから来た? 赤と緑のライトが交互にステージを照らし、ギャリギャリ鳴らすギターに観客席も湧きに湧く。”彷徨する渇望”というツアータイトルにもなっている歌詞が歌の中に含まれていて、なんていうかライブツアーのための曲って感じだ。新曲披露が終わって燈の詩の朗読を最後に演者が袖に掃けていく。当然アンコールが観客席から沸き起こるのだが、ここは結構長い時間待つことになった。

 

長い沈黙を破って始まったアンコール一曲目は無路矢。12thでは一曲目だった無路矢が今回はこの位置に。毎回思うが楽奈の高音がやばいことになっている。無路矢が終わるとキャラではなく声優としてのMCが始まる。毎度のことながらキャラとはあまりにかけ離れたノリの良さで、そのギャップに風邪を引きそうになる。観客席からも声優さんの名前を呼ぶ声が上がりまくり、それに対してファンサしてるみたいだったが全然見えない。MCの最初はグッズ紹介から始まり、買った白Tは羽田限定だということを知った。アクリルスタンドのポーズを再現、みたいなこともやってたが何も見えない。悲しすぎるだろ!! さっき聴いたばかりの新曲のMVもこの後すぐに公開されることも発表された。アニメBDBOXに韓国語や中国語の字幕収録されるという話で歓声が上がっていたので、そっちの人の多さを肌で感じた。アニメのガイドブックの付録であるドラマCDも先行で少しだけ公開されたが、今度合同ライブをやるPoppin’Partyとの交流が描かれる内容らしいことが分かった。

 

途中スタッフが倒れたか何かでトラブルがあって一時中断されたが事なきを得たらしい。五人による締めの挨拶では今日しか感じられないものを、良かったら一生留めておいていただけたら、という言葉が頭に残っている。ふたたびキャラクターをインストールしアンコール二曲目は12thと同じ焚音打。やはり締めくくりはこの曲が相応しい。”このパンクロックの中に同じ熱になれる今が全て”(焚音打の歌詞)っていうのはまさにその通り。最後は観客含めた全員で拳を掲げて歌詞の英語部分を合唱して終わった。1時間40分ほどのライブだった。

 

 

その後は規制退場で、グッズ付きチケットを持っている方から退場となった。入るときにはかなり時間かかったが帰るときは早い方で助かった。今回のライブ、一言で言うなら原点回帰だろうか。前回の12thは言うまでもなく素晴らしかったのだが、どちらかというとアニメの延長の舞台を見ているようでもあった。今回はそのアニメの文脈を一度断ち切って詩超絆や栞はセトリに入れず、原点であるライブ活動に立ち返ったような感じ。思えばMyGO!!!!!の活動も最初はライブハウスから始まった。その頃の姿は円盤で見ることができるものの、さすがに今見るとまだまだ発展途上といった感じが拭えないが、今日のライブはその頃にくらべたら完成度はずっと上がっていて、原点回帰だが確実に成長し前に進んでいる。

 

まあ終わった直後はライブの内容にもそれなりに満足していたはずだったのだが、家に帰りながらXを見てライブの感想を漁っていると、現地にいたはずなのにあまりにも知らないライブの出来事が多すぎて、自分の場所からじゃ1/10くらいの情報量しか得られなかったのでは?と若干の不満を感じてしまった。ステージが見えないなりに音を感じればいい!と思っても人口密度と奥まった場所のダブルパンチで身動き取れなかったので、なんとも言えない気持ちが押し寄せてきた。現地でしか得られないグルーヴ感というのは確かに存在するのだが、バンドリはキャラクターコンテンツでもあるから演者が見えないのはやっぱ辛い。次回同じような場所になりそうだったら誰かにチケット譲って家で配信を見るという選択肢もありえるだろう。今回のことは高い授業料だったと思うしかなさそうだ。

 

 

碧天伴走

影色舞

迷星叫

名無声

壱雫空

二息歩行(カバー)

潜在表明

君の神様になりたい。

歌いましょう鳴らしましょう

音一会

迷路日々

砂寸奏(さすらい)

無路矢

焚音打