四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

スカイリム

スカイリム日記37『マグナスの目』

マグナスの杖を持ってウィンターホールド大学へ戻ると、講師と生徒は皆外で立ち往生していた。アンカノが再びマグナスの目の力を使い、今度は大学を覆う規模の魔力の壁を生成したのだ。そしてミラベル・アーヴィンはその発動に巻き込まれ命を落としたのだと…

スカイリム日記36『マグナスの杖』

ラビリンシアンはスカイリムのほぼ中央に位置する遺跡群である。二つの大きな山の間に存在するそれは、いまだに大規模な調査がされたという記録がなく謎に包まれている。ムズルフトの遺跡の設備からマグナスの杖のヒントを得た俺は、ミラベル・アーヴィンた…

スカイリム日記35『抑制』

スカイリムの北部は今日も雪が降りしきる。久しぶりに帰ってきたウィンターホールド大学は、普段の静謐な空気から一転して騒然とした雰囲気に包まれていた。その中心地である元素の間に入ると、アークメイジのサボス・アレンとマスターウィザードのミラベル…

スカイリム日記34『見えぬものを暴く』

熱心にマーラを布教していたある日、リフテンの街にドラゴンが舞い降りた。いくら強固な城壁を誇る要塞とはいえ、上空からの攻撃には意味がない。住民総出によるドラゴンとの戦いが始まった。俺も被害を拡大させまいと必死で魔法を放つ。しかし広場にいた物…

スカイリム日記33『愛の書・完結編』

渦中のマスカルスから離れ、ディンヤ・バリュへの報告のためにリフテンへと戻ってきた。最初はこの街に長居することもないだろうと思っていたのだが、なんだかんだ言って治安の悪いこの雑然とした街にも慣れてきてしまったらしい。そろそろここに拠点を置い…

スカイリム日記32『誰も逃げられない』

シドナ鉱山。それはスカイリムにおけるの銀の産出量の半分を賄う銀鉱山でありながら、マスカルスのあるリーチ地方の犯罪者を収容する天然の牢獄としても機能していた。シルバーブラッド家はこの鉱山の所有権を持ち、犯罪者という極めて安価な労働力を使うこ…

スカイリム日記31『フォースウォーンの陰謀(後編)』

エルトリスの頼みは、下手に首を突っ込めばこちらが火傷しかねないものだ。だが今の俺がそう易々と誰かに殺されたりするものか……そう考えたのは思い上がりだろうか。ちょっと調べてみるだけだ、深入りをするつもりはない。このマスカルスの闇を少し覗き見て…

スカイリム日記30『フォースウォーンの陰謀(前編)』

久しぶりに訪れたマスカルスは、前回の訪問とはまるで違った顔を見せていた。以前は夜だったためほとんどその全容が分からなかったのだが、日中に改めて見てみると、ドワーフの遺跡をそのまま利用したと言われる要塞は美しい彫刻のように崖に沿ってそびえ立…

スカイリム日記29『禁じられた伝説・完結編』

イヴァルステッドのすぐ側にある墓には、アークメイジ・ゲイルムンドの遺体が今も安置されているという。書物”失われた伝説”によれば、ゲイルムンドとは大昔にゴールドールのアミュレットを奪った息子たちを討伐するため、時の王に派遣された魔闘士のことで…

スカイリム日記28『愛の書』

用の済んだネトルベインを自宅のチェストに放り込んだ。本当は捨ててしまいほど忌まわしい武器なのだが、誰かに悪用されてしまうわけにもいかないので自分で保管するしかない。身軽になったので俺はまたリフテンに行くことにした。防具を作るためにホワイト…

スカイリム日記27『自然の祝福』

先日ハグレイブンから手に入れたネトルベインという短刀は、なまくらな上に重すぎるし、依頼の品だったので処分もしにくい代物だったのだが、ホワイトランのキナレス聖堂の神官ダニカ・ピュア・スプリングに持ってきてほしいと頼まれたものだということを思…

スカイリム日記26『計り知れない深み(後編)』

ドワーフあるいはドゥーマーと呼ばれる種族は、かつてこのタムリエル(スカイリムのある大陸)で隆盛を誇っていたが、ある日を堺にこつ然と姿を消した。禁忌に触れ創造主に種族ごと消されてしまったという説が有力だが、今その行方を知るものはいない。この…

スカイリム日記25『計り知れない深み(前編)』

すべての始まりの地、ヘルゲン。あのとき目の前にドラゴンが現れてからこの世界は一変した。そして俺自身の運命でさえも。鉄壁を誇ったはずの帝国の砦もいまは焼き尽くされて廃墟と化しており、山賊のねぐらになっている。門の鍵を強引に突破して中に入って…

スカイリム日記24『シルバーハンド』

今日はロリクステッドのすぐ側にある、大蛇の崖要塞というところに来ていた。同胞団にホワイトランの馬宿の主人スカルヴァーが攫われたという報せが届き、ちょうどそのとき手の空いていた俺に仕事が回ってきたというわけだ。最近は相変わらず鍛冶・錬金・付…

スカイリム日記23『栄誉の証明(後編)』

今回の仕事の監督であるファルカスはとっとと走って行ってしまったので、準備をする暇もなく彼の背中を追いかけてホワイトランの平原を走り、息を切らせてダストマンの石塚に到着した。だが彼はそんな俺の様子を気にするわけでもなく、先を急がせた。ちょっ…

スカイリム日記22『栄誉の証明(前編)』

吸血鬼を治した後、俺はまたホワイトランに戻ってきていた。家を買ったことをどこからか嗅ぎつけたのか手紙が二通届いていた。差し出し人はドーンスターの聞き覚えのない館主と、ソリチュードのファルク・ファイアビアードから。内容は、なになに……博物館が…

スカイリム日記21『夜明けの目覚め(後編)』

人間はサングイネア吸血症と呼ばれる病気を経て吸血鬼となる。吸血鬼のドレインを受けることによって感染し、放っておくとやがて吸血鬼になってしまう。吸血鬼になる前に治療を受けるか、疾病退散の薬を服用することで治すことができるのだが、今回ばかりは…

スカイリム日記20『夜明けの目覚め(前編)』

モーサルにおける吸血鬼事件を解決し報酬を受け取ると、俺はようやく山を越えてホワイトランへと戻ってきた。早速ドラゴンズリーチにいる執政のプロベンタスに家を購入することを告げ、5000ゴールド一括耳を揃えて支払う。家財道具は別売りらしいのだが、今…

スカイリム日記19『埋葬(後編)』

俺たちは一列縦隊になって街外れにあるモヴァルスの隠れ家へと向かった。モーサルを影から支配しようとしていた吸血鬼に対して、誰もが怒りをあらわにしている。敵の戦力は分かっていないが、これだけ士気が高ければきっとあっという間に吸血鬼を退治できる…

スカイリム日記18『埋葬(中編)』

吸血鬼を倒し、俺は棺の蓋に手をかける。中には隠れていた亡霊のヘルギがいた。そしてその遺体も一緒に。彼女は近くに倒れていた吸血鬼のことをラレッテと呼んだ。このラレッテこそが少女の家に火を放った張本人らしいのだ。 ラレッテはヘルギとその母親を殺…

スカイリム日記17『埋葬(前編)』

ソリチュードからホワイトランへ行くには、スカイリムの中央山脈を越えるのが一番手っ取り早い。それは以前マスカルスからロリクステッド、ホワイトランへと行った道に比べるとだいぶ険しく、道なき道を進むことになる。 モーサルという街の横を通る街道でス…

スカイリム日記16『狼を呼びし者(後編)』

山奥のサルモール大使館の前を通り、ウルフスカル洞窟の前までやってきた。入り口に何体かいたスケルトンを軽く蹴散らしたのだが、思えばこのとき既に洞窟内部に巣食っている者たちの予兆はあった。 菌糸類が群生している洞窟内を手探りで進んでいく。狭い通…

スカイリム日記15『狼を呼びし者(前編)』

夢のようなスカイリム横断の旅を終え、俺は本来の目的であったソリチュードの散策を楽しんでいた。堅牢な城壁が囲う要塞の中は、店舗が充実しているだけではなく吟遊詩人の大学なども存在し、スカイリムの首都として相応しい文化の中心地であった。 帝国が駐…

スカイリム日記14『思い出の夜(後編)』

ロリクステッドからホワイトランへの長い道のりを踏破した俺を待っていたのは、要塞を駆け巡る恐るべき噂であった。もう三日も前になる夜、酔っ払った俺がサムと共にホワイトランを訪れると、とある女性と結婚した話を吹聴していたというのだ。イソルダとい…

スカイリム日記13『思い出の夜(前編)』

フォルガンスールを出発し、ほどなくしてソリチュードに到着したのだがその光景は思わず目を疑うものであった。誰が建てたのかは知らないが、とんでもない所に要塞があるものだ。だがその分守りが強固であることは一目で分かったし、もし自分がこの要塞を攻…

スカイリム日記12『禁じられた伝説』

ドーンスターでたっぷり休息を取った俺は、ふたたびソリチュードを目指して西へと旅立つ。エランドゥルとはナイトコーラー聖堂の前で別れた。これからは殺めてしまった同胞たちの魂を鎮めるためにここで祈り続けるという。彼に対して掛ける言葉も見つからず…

スカイリム日記11『目覚めの悪夢(後編)』

今は聖女マーラの司祭であるというエランドゥルは、とにかく信用してほしいという一点張りであったが、正直なところデイドラの仕業というのはあまりにも荒唐無稽で疑わしかった。しかしこの村の悪夢を取り払わなければ、自分もまた安らかに休息することがで…

スカイリム日記10『目覚めの悪夢(前編)』

マグナスの杖の捜索を命じられた俺は、その手がかりを知っているというミラベル・アーヴィンに話を聞くことにした。彼女が言うには数ヶ月前に大学にやってきたサイノッドと呼ばれるスカイリムの外からやってきた魔術師の集団が、マグナスの杖の在り処を探し…

スカイリム日記9『善意』

図書館の本を取り戻してから数日。大学の寮で休息を取っていた俺は、この機会に同じく大学に滞在していた学友たちと親交を深めていた。聞くところによれば彼らはそれぞれ悩みを抱えており、解決できそうなものは解決し、そうでないものは話を聞くだけに留め…

スカイリム日記8『猛勉強(後編)』

フェルグロウ砦を守っていたのは魔術師と精霊の混成部隊であったが、地上の守りはそれほど重視していないらしく少数に留まっていた。闇夜に乗じて侵入したかったのだが砦の入り口は固く閉ざされており、解錠に手間取っているうちに見つかってしまった。 初め…