四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

今期視聴するアニメを検討する(2024冬)

 

アニメの放送数が過去最大を迎えた空前絶後の2023年が終わり、2024年が始まった。だが今期もアニメの放送数は70を越え、新規アニメの数も40以上あり、前期には及ばないまでもそれ以前よりは多いという異常事態である。この中から自分に合った面白い作品を探すのは相当骨が折れる。幸い去年一年間、新規に放送されるアニメを全部確認するようになったおかげで見ること自体には慣れてしまった。

 

1話の時点で分かるのは所詮好きか嫌いか(作画・演出・キャラ・設定について)ぐらいなものなので、後で実は見てない作品が化けたとか、見てた作品が酷いことになったとかいうことは起こり得る。それでも物理的に全部見るのは無理なので、評判になった作品については後で確認するなりするしかないだろう。去年までは全てのアニメの1話を見て何かしらの寸評を残していたのだが、見る事自体は苦じゃなくてもブログの記事にするのは時間が掛かるため今回からはやり方を変える。全部見ることは見るが、視聴候補に挙がったものについてのみ書くことにする。

 

五十音順

 

【視聴確定】ダンジョン飯

ある小さな村に、1000年前に繁栄した黄金の国の王の遺産が眠るダンジョンが現れた。ダンジョンを支配する狂乱の魔術師を倒せばその全てが手に入るという……。冒険者ライオスの一行はその迷宮を探索中にレッドドラゴンに遭遇、空腹によって力が発揮できず、奮戦虚しくライオスの妹・ファリンはドラゴンに丸呑みにされてしまう。魔法によってかろうじてダンジョンから脱出したライオスは、エルフの魔法使い・マルシルとハーフフットで手先の器用なチルチャックと共に、ドラゴンに消化されてしまうまでの一ヶ月の間にファリンを救出するため再度ダンジョンに潜るのであった。

 

古き良きダンジョンRPGを思わせるような雰囲気の作品だが、一文無しになったので食べ物は現地調達するしかない!というのがこの話のキモである。大昔に遊んだダンジョンマスターみたい…っていうかそのものだ。迷宮内のモンスターを倒して食べる、ただそれだけの話ではなく倒し方や調理の仕方に知恵を絞るのが楽しいところでもある。RPGっぽく簡単に生き返ることができる世界のようで、死生観や常識の異なる登場人物たちのリアリティある振る舞いや、TRIGGERによる躍動感のあるキャラクター描写も魅力的で一話を見て即視聴継続を決めた。OPがBUMP OF CHICKEN(鶏肉)でEDが緑黄色社会(野菜)みたいな遊びもわりと好き。

 


【視聴確定】姫様”拷問”の時間です

国王軍と魔王軍の戦争のさなか、類まれなる強さを誇る国王軍第三騎士団の団長を務める姫は魔王の城に囚われの身になってしまった。魔王軍の最高位拷問官トーチャーは囚われの身となった姫から王国の秘密を聞き出すために、焼き立てトーストに熱々のたこ焼き、濃厚スープのラーメンなどありとあらゆる手を使って姫を拷問にかけるのであった!

 

拷問という物騒な単語で思わず身構えてしまうが、実際は拷問という名の誘惑に屈してしまう可愛い姫様を愛でる作品。設定上は物凄くゆるーいファンタジー世界で、現代のものも当たり前のように出てくるのだがそこはご愛嬌。姫様は魔物をバッタバッタとなぎ倒すほどの強さを持ちつつも、誘惑にはめっぽう弱いというギャップは可愛いし、拷問に対するリアクションも小動物のように生き生きとしていてとても良かった。食べ物の描写もまるで料理アニメを彷彿とさせるほど生々しく、拷問とは視聴者に対する飯テロなのかと思ったほどだ。一話が食べ物メインなのはたまたまで、今後は他にも色々なタイプの拷問が出てくるようなので楽しみにしておきたい。

 

 

【視聴確定】勇気爆発バーンブレイバーン

TS(ティタノストライド)と呼ばれる人型機動兵器が実用化されている地球。ハワイでの日米合同軍事演習のさなか、米軍のTSパイロットルイス・スミスは自衛隊のTSパイロットイサミ・アオにライバル心を燃やしていた。次の演習で一対一の決着をつけることを約束する二人だが、そこに宇宙から突如として正体不明の機動兵器が飛来する。圧倒的な性能の差に手も足も出ない米軍と自衛隊。いままさに敵機から放たれたビーム光線がイサミを襲おうとしたそのとき、謎の巨大ロボットが出現しイサミに自分に乗るように促す。戸惑いながらもロボットに乗り込んだイサミは謎のロボット・ブレイバーンに導かれるままに必殺技で敵を倒すのだった。

 

勇気爆発とかいうタイトルのせいで、放送開始前に公開されていたミリタリー要素強めのロボットもののガワは絶対フェイクで、第一話の終わりの方でスーパーなロボットが出てくるんだろ?という大方の予想通り、90年代に放送されていた勇者シリーズのような口の付いたロボットが出てきたのだが……なんか違う! 具体的に言うとロボットの中身がキモい! 監督はロボットアニメに多く関わっている大張正己で、ロボットを魅せることに定評はあるがお話のほうはいまいちというのがいつもの感じなのだが、今回は展開そのものは王道ながら一部分があまりにもおかしいという変化球によって思いのほか掴みが良かった。いい意味でも悪い意味でも、この先一体どうなってしまうのだろうと次の展開が気になってしまう第一話だ。ゾンビランドサガとかアキバ冥土戦争とか、Cygamesの関わっている作品は変なものが多く、このアニメもそういうタイプの作品のような気がしてならない。

 

 

【様子見】異修羅

巨大な建造物が街の中心に存在する、ナガン迷宮都市。探索士候補生である遠い鉤爪のユノは、友人のリュセルスと共に日夜勉学に励んでいた。だがある日巨大な建造物であると思われていたものがゴーレムとして動き出し、街を火の海に変えてしまう。そのゴーレムはさらに小さなゴーレムを生み出し人々を蹂躙、リュセルスも殺されてしまう。死を覚悟したユノの前に、一本の刀を携えた男が現れる。柳生宗次郎と名乗ったその男は、あまりにも巨大な敵を相手にたった一人で立ち向かうのであった。

 

一話で出てきた剣士が主人公か~あんまり好きになれそうにないな~と思ったら、一話の最後で向かった先で超強い奴が16人集まって天下一武闘会やる前に、ひとりひとりオムニバス形式でキャラ紹介やっていく形式の話らしい。つまりストーリーつきの選手入場というわけか。実際バトルシーン自体にはかなり力が入っていて見応えはある。前期の聖剣学園が同じパッショーネ制作で、アクションが微妙にショボかったのはこっちに全振りしていたせいかと腑に落ちてしまった。話のノリもキャラごとに違う路線になる可能性もあるので、何話か様子見したい。

 


【様子見】佐々木とピーちゃん

ブラック企業に務めるアラフォーのサラリーマン・佐々木は一人で飯を食べながら動物の動画に癒やされるような日々を送っていた。たまたま立ち寄ったペットショップで文鳥を購入した佐々木だったが、その文鳥は異界の賢者が転生した姿であった。ピーちゃんと名付けたその文鳥は佐々木に魔法の力を授け、異世界への転移を可能にした。佐々木は仕事で身につけた営業力を駆使して現実世界のものを異世界に持ち込んでお金を稼いだりコネを作ったりして、充実した日々を過ごす。魔法の力も訓練によってある程度操れるようになった佐々木であったが、ある日現実世界で暴漢に襲われている女性を魔法で助けるとその女性も実は特殊な能力の持ち主で、政府直属の秘密の組織に勧誘されてしまうのであった。

 

初回が一時間放送。異世界転移で現実の品物を転売しつつ魔法の訓練をやったりするいわゆるスローライフ展開で、あーこういうやつねという感じで見ていたら、異世界で身につけた魔法が現実では超能力者と間違われてそっちの争いに巻き込まれてしまうというのには意表を突かれた。隣の部屋に住んでいる謎の女の子など気になる要素も多い。闇鍋というかいいとこ取りというか、下手するとどっちつかずになりそうな展開だが、こういうのはあまり見たことがなかったので様子見枠に。

 

 

【様子見】治癒魔法の間違った使い方

お人好しだが運の悪い平凡な男子高校生・兎里健(ウサト)は学校の人気者である生徒会長・犬上鈴音と副生徒会長でウサトのクラスメートである龍泉一樹との下校中、謎の光に巻き込まれ異世界に飛ばされてしまう。魔族と戦う勇者として召喚されたと説明される鈴音と一樹だったが、ウサトは勇者ではなく単に巻き込まれただけで途方に暮れてしまう。だがウサトは魔法の才能の測定によって緑色の光を放ち、それを知った王国の救命団と呼ばれる部隊のリーダー・ローズによって拉致同然に連れ去られてしまうのであった。

 

勇者として召喚された人間のオマケでしかなかったが、そこで特殊な才能を見出され活躍の場を与えられる、という展開は『とんでもスキルで異世界放浪メシ』なんかでも見られた展開だが、召喚した異世界の王国の人間も召喚された生徒会の二人も話に理解のある善人で、作風としても全体的にカラっとした感じで見やすい。現実世界では普通に見えた生徒会長(ヒロイン?)も異世界ではなかなかエキセントリックな本性を見せており、ちょっと様子見したくなる程度には気になる作品であった。田中敦子がメスゴリラ役やってるのは絶対攻殻機動隊の影響だろ……。

 

 

【様子見】ぶっちぎり?!

主人公・灯荒仁(ともしびあらじん)が入った威血頭(いちず)高校は、魅那斗會とシグマスクワットという二つのグループが鎬を削る、ヤンキーばかりの学校であった。クラスメートの女の子・神まほろに一目惚れし、甘い高校生活を夢見る荒仁だったが、かつて共に鍛錬していた浅観音真宝と再会したことでヤンキーに絡まれる羽目になってしまうが、逃げ回るしかない荒仁は追い詰められた場所で魔人・千夜と名乗る謎の男に取り憑かれてしまう。その後まほろとのデートにこぎ着けるが、まほろはシグマスクワッドのヘッド・神摩利斗の妹だった。妹に手を出したことに激昂した摩利人にボコボコにされる荒人の諦めない姿勢に感化された千夜は、荒仁に乗り移り自分の力を貸すのだった。

 

MAPPA制作のオリジナル・バトルアクションアニメ。『天上天下』と『地上最強の弟子ケンイチ』を混ぜたみたいな格闘+ヤンキーファンタジー要素強めの世界観だが、千夜一夜物語アラビアン・ナイト)をモチーフにしているらしくランプの魔人が出てくるわ、登場人物や美術設定・色彩設計など色々なところにアラビアンな要素が反映されていて非常に雑多な印象を受けるのだが、それがなんだかヤンキーものっぽい。言葉ではなんか説明しにくい細かさ。かわいいヒロインがなんでこんなヤンキーの巣にいるのかという疑問に納得のいく回答があってよかった。なかなか頭のイカれた女だった。MAPPAだけあって非常によく動くし格闘描写もなかなかなのでしばらく様子見してみるのもいいかなと思う。

 


【様子見】ゆびさきと恋々

聴覚障害者である女子大生の糸瀬雪は、電車で困っているところを同じ大学の先輩である波岐逸臣に助けられ、初対面でも自分のことに戸惑わない彼のことが気になり始める。逸臣が友人の藤白りんと同じサークルであると気付いた雪は、連絡先を知るためにりんと共に逸臣のバイト先に訪れる。りんの計らいで逸臣と二人で帰ることになった雪は、今自分の抱えている感情が憧れなのか恋なのかまだ分からないまま、逸臣と連絡先の交換することに成功する。

 

聴覚障害者が主題の作品となると『聲の形』が思い出される。そうなると当然手話が出てくるわけだが、作る方も見る方も色々と大変なことだと思う。それにしても逸臣のハイスペックイケメンぶりがやばい。ヒロインのお相手はここまでの人間じゃなきゃいけないの!? って感じで雪の平凡な幼馴染の男の方がかわいそうに思えてくる。温かい雰囲気の作風が気に入ったのでしばらく様子見してみようと思う。

 


【様子見】メタリックルージュ

全然分からないので一話のストーリーを要約するのは諦めた。火星を舞台にした人間とネアンと呼ばれる人造人間が共存している世界の話で、主人公のルジュとナオミがインモータルナインと呼ばれている特別なネアンを倒して回っている女性バディもの。なんせ一話がストーリーの途中から始まったような感じで、視聴者を完全に置いてけぼりにしている。設定はまるで説明されないしキャラの背景も分からないので、女の子がバトルスーツを身にまとって激しいバトルを繰り広げていてもあんまり興味が湧いてこない。この感覚、いかにも00年代くらいのBONESアニメです…って感じ。映像クオリティそのものは高いし、オリジナルなのでもう少し様子見してみるつもりだが……。

 

 

【様子見】ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する

公爵令嬢リーシュ・イルムガルド・ヴェルツナーは死ぬたびに皇太子に婚約破棄される15歳の時まで戻されてしまう。そして時が戻るたびにリーシュはまったく違う人生を送っていたが、20歳のときに必ず起こる戦争に巻き込まれて死んでしまうのである。だがさすがに7回目ともなるとダラダラとした生活を満喫したいと思ったリーシュはいつもと違った行動をするのだが、そこで6回目の人生で自分を殺した相手で20歳のときに起こる戦争の張本人でもある皇帝アルノルト・ハインに出会ってしまう。人生を既に6回繰り返しているリーシュの破天荒ぶりに興味を持ったアルノルトは彼女に興味を持ち、リーシュに婚約を申し入れる。

 

悪役令嬢といいつつ悪役要素は特にない。婚約破棄されるのが悪役令嬢の条件だとどこかで定められているのだろうか。少女漫画系のキャラデザだし、死に戻り系のよくある感じか~と最初は軽く見ていたが、テンポよく死に戻りしながら多種多様な人生を送ってスキルを身に付けていき、今後の人生に役立てていくのだろうなと思えるいい導入だった。最初に自分を殺した奴が自分に求婚してくるというオチも一話で綺麗についていて、掃いて捨てるほどあるなろう系の中では構成の丁寧さが光る。しばらく見てみるのも悪くなさそうだ。

 

 

【継続視聴】

アンデッド・アンラック

薬屋のひとりごと

葬送のフリーレン

僕の心のヤバいやつ(二期)