四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

今期のアニメに頑張って目を通す・1(2023年秋)

 

2023年秋アニメの時期が始まった。今期放送されるアニメは前代未聞の80本以上、そこから続編や分割二期などを除いても55本以上ある。正気の沙汰ではない……。2023年になってからというもの、毎回その期にやっている新作アニメを全部見て視聴継続するアニメを決める!という風にやってきたが、今期に限っては全部見るのはさすがに挫けそうな気分になっている。しかし全部見たからこそ前期の『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』みたいな思わぬ拾い物をすることもある。だからこそ自分の目で見て確認せずにはいられないのである。今期はなにぶん数が多いので一つあたりにそれほど時間をかけてはいられないが、それでも一応やっていこうと思う。

 

 

・2023年10月に始まった作品が対象。

・並び順は見た順番。

・シリーズもの(続編・二期)はここでは触れない。

・基本的にdアニメストアAmazon primeNetflixとAbemaで配信されているものに限る。

・一話時点のネタバレあり。

 

 

葬送のフリーレン

週間少年サンデー連載の漫画原作のアニメ。勇者一行が魔王を倒して平和になった後の世界。勇者一行の魔法使いだったエルフのフリーレンは五十年後の再会を誓って旅に出る。そして五十年が経ち約束通りに年老いたかつての勇者・ヒンメルと旅の仲間たちに再会する。亡くなったヒンメルを見送った後、フリーレンは人間のことを知るために再び度に出るというストーリー。いきなり物語のエピローグから始まったような感じの非常に静かな雰囲気で、勇者一行による魔王打倒までの10年間の旅は物語の折に触れてフリーレンによって回想されるような形で挿入される。人間と長寿のエルフの種族の違いによって生まれる感覚の差はファンタジーの定番ネタではあるが、それをひたすら丁寧に描いていてある種の侘び寂びを感じる作品。自分がおっさんになったせいか余計にしみじみと感じてしまう。

 

多分今期一番の話題作なんじゃないかってくらい推されているが、まさか金ローで初回放送やるほどとは思わなかった。だがそういったプロモーションをやるのを納得する程度に細部の作り込みを感じるアニメで、派手なアクションのような目を引く要素はほとんどないものの、細かな芝居や演出は非常に好みの作品であった。視聴継続。

 

 

ラグナクリムゾン

月間ガンガンJOKER連載の漫画原作アニメ。竜を退治して報酬を貰う狩竜人を生業にしている少年ラグナは、竜退治の天才少女レオニカとコンビを組んで竜の討伐に励んでいた。しかし街を襲撃してきた竜の上位種にはレオニカすら刃が立たず殺されそうになってしまうが、そのときラグナは一人生き残って過酷な戦いを経験した未来の自分から鍛えた力を受け継ぎ、圧倒的な力で上位種を倒すのだった…という1時間スペシャルの第一話。この作品の竜は銀の武器に弱く日光を浴びたら死ぬというなんだか吸血鬼みたいな特徴だなと思った。常にモンスターの危機にさらされているような退廃的な雰囲気の世界観には惹かれるものがあるが、第一話は一時間の尺に合わせるためか少々テンポが悪く感じられた。バトル描写自体はまあまあ見どころがあったので少し様子見。

 

 

しーくれっとみっしょん~潜入捜査官は絶対に負けない~【オンエア版】

今期の僧侶枠アニメ。麻薬取締官の雷土吏子と野間啓二は捜査の一環で夫婦と偽って容疑者の隣の部屋に潜入していたが、あるとき本当の夫婦かどうか疑われてしまったのでやむを得ずエッチな行為に及んでしまう……というコメディタッチのストーリー。ヒロインの声優が御苑生メイというところは多少感心を持ったが、前期の寝取られものほどそそられる内容でもないので多分見ないかも。

 

 

シャングリラ・フロンティア ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~

なろう原作のアニメ。VRのゲームが普及した未来でクソゲーばかりプレイしている男・陽務楽郎は、神ゲーであるシャングリラ・フロンティアを勧められて遊ぶことになったが、クソゲー攻略で身につけたスキルによって神ゲーを攻略していくという話。正直ゲームでもないのにステータス開いたりするのは好きじゃないが、これがゲームならだいぶ受け入れやすい描写になるなと思った。話そのものは特筆するようなものはないが戦闘自体はよく動くし退屈しないので流し見するにはちょうど良さそうな感じ。

 

 

でこぼこ魔女の家族事情

ComicメテオというWebコミック原作のアニメ。200歳を越えているものの人間の子供くらいにしか見えない姿の魔女アリッサはある日人間の赤ん坊を拾い、ビオラと名付けて育てていた。そして16年の時が過ぎてビオラは立派に成長し、成長の遅い魔女よりも遥かに大きくなってしまい親子を間違われるほどになってしまった。というところから始まる母娘の事情を描いたファンタジー・ドタバタコメディ。特に魔女は迫害されているわけでもなく普通に人間社会に受け入れられており、かなりゆるい感じの世界観。ビオラが褐色肌の豊満美女というところはこの作品の大きなウリだと思うが、キャラクターボイス水樹奈々というのはちょっと無理があると感じているのだが、主題歌も水樹奈々だし明らかに水樹奈々をウリにしているアニメだ……。個人的には可もなく不可もなくといった感じで、他によほど見るものがない限りは一話で切る予定。

 

 

とあるおっさんのVRMMORPG

なろうの10年くらい前の原作のアニメ。38歳の会社員・田中大地はワンモア・フリーライフ・オンラインというVRMMORPGをのんびり遊ぶために、あえて不遇スキルを取ってあまり人に関わらないようにしたが、ゲームの突然の仕様変更によって不遇だったはずのスキルが活躍してしまってのんびりできなくなってしまうというお話。原作がだいぶ前ということもあるが、これだけ異世界ものが溢れかえっている昨今、この作品はその中でも上位に入るほど表現が安っぽく、内容も陳腐で見る気になれない。ストーリーの好みは個人差があると思うが、同じVRMMOテーマでも同時期のシャングリラ・フロンティアとの差がありすぎて悲しい。何も考えなくて済むような作りになっているので、中にはこういうのを好んで見る人もいるのかもしれないが、制作のMAHO FILMはこういうのばかり作っているので、名前を見た時点で個人的には回避したい。

 

 

オーバーテイク

F4レースを題材にしたオリジナルアニメ。フォトグラファーである眞賀孝哉は取材のために富士スピードウェイを訪れていたが、そこでF4というフォーミュラーレースの下のカテゴリーのチームが集まる場所に迷い込む。そこで出会った小牧モータースという弱小チームと行動を共にするうちに、高校生のF4レーサー浅雛悠の走りに魅せられる……という話。モータースポーツには明るくないが、まず音がいい。レースものはこれがあってこそだと個人的には思う。基本的にヤサ男ばかり出てくるのでどちらかと言えば女性向けという感じの作品で、今のところドライバーに焦点を当てたいのか、カメラマンの再生に焦点を当てたいのかはよく分からない。レースものは珍しいしできれば見たいと思っているが今のところは様子見。

 

 

SHY(シャイ)

週間少年チャンピオン連載の漫画原作アニメ。超人的な能力を持つヒーローの出現によって戦争がなくなった世界で、日本を守っているのはシャイと呼ばれるヒーローだった。しかしその中身は中学二年生の恥ずかしがり屋の女の子で、メンタルに影響があると変身できなくなってしまうこともあるがそれでも頑張る!といった感じの作品。第一話から1クールアニメなら中盤でやりそうな感じの主人公を追い込む結構重めの話やっててちょっと驚いたが、どうやらまだジャブ程度の展開らしい。そういう感じのやつか……。設定からして先行作品の僕のヒーローアカデミアを想起せずにはいられないのだが、あんまり細かいことを考えてたらやってられない感じなのもよく似ている。主人公の変身前が眼鏡地味子だったり、酔っぱらいのお姉さんヒーローなんか結構好きな要素あるのでしばらくの間様子見で。

 

 

鴨乃橋ロンの禁断推理

ジャンプ+連載の漫画原作アニメ。未解決の連続殺人事件の捜査中、お荷物扱いの刑事・一式都々丸に鴨乃橋ロンという探偵が紹介される。世捨て人のような生活と、常人には理解できない奇行を繰り返すロンが、都々丸の純粋さを気に入ってコンビを組み事件を解決する…という一話。有能と無能の凸凹コンビというホームズから続く推理もののよくあるパターンで分かりやすく、ロンのエキセントリックな行動と推理を楽しめれば見れなくもないが、今のところ優先順位は高くない。

 

 

聖剣学園の魔剣使い

MF文庫のライトノベル原作のアニメ。はるか昔魔王として君臨していたレオニスは神々との戦いの不利を悟り、未来での再興を誓って1000年の眠りに就いた。だが1000年後廃墟と化した魔王の城に、リーセリアとその従者であるレギーナという二人の女の子が調査にやってきたことでレオニスは目覚めるがその姿は10歳の少年のものだった。レオニスはリーセリアに保護されることになり、特殊な力を持つものたちが集まる聖剣学園に向かうことになった…というお話。物凄い能力を維持したまま生まれ変わって、未来の世界で無双するというパターンのもの。だがこの作品に限っては正直話はどうでもいいだろう。年上の女性に年端の行かない少年(中身は骸骨系モンスターだが)が保護されるといういわゆるおねショタ、制作がパッショーネということで比較的恵まれた作画及びキャラデザとお色気要素を備えており、これらが維持されているなら目の保養目的で見る価値はあるかもしれない。

 

 

16bitセンセーション ANOTHER LAYER

元は同人誌だったものにオリジナル要素を加えてアニメ化した作品。自分のオリジナルキャラクターを活躍させることを夢見ながら、美少女ゲーム制作会社に勤めている秋里コノハはひょんなことから2023年から1992年にタイムリープしてしまう。当時の美少女ゲーム界隈は現在よりも勢いのある黄金時代。元の時代に戻ることもできないのでコノハはこの時代の美少女ゲーム会社に勤めることになる。

 

美少女ゲームなんて気取った言い方はやめよう。エロゲーを題材にしたアニメだ。日本のサブカルチャーエロゲーが天下を取りかけていた時代が確かに存在した。それが90年代後半から00年代前半にかけての時代。このアニメはエロゲー業界から全面バックアップされているらしく、その頃のエロゲーがほぼそっくりそのまま出てくるし、作ってる方にもその時代に名前を売った人間が関わっているので、当時を知るものにとっては懐かしいことこのうえない。アニメの内容よりも昔語りの方が文章が書けそうなくらいで、今の若者がこれを見て楽しめるんだろうか?という心配をしてしまいそうになる。作品としては今のところインターネット老人会が活性化するくらいしかフックが無く、今後どうなるかは未知数である。