詳しいルール等は1の記事を参照。
アイドルマスター ミリオンライブ!
自分の将来の夢が何なのか分からないまま日々いろんな活動に精を出している中学生・春日未来は、たまたま貰ったチケットでアイドルのコンサートに行くと、そこで幼い頃から歌うことが大好きでアイドルを目指している同い年の少女・最上静香と出会う。コンサートでアイドルのキラキラした姿に魅せられた未来は、静香と意気投合し一緒にアイドルを目指すことになった…というスマホアプリ原作のアニメ。
フルCGアニメながら、女の子のキャラクターメインとしたセルルックのCGアニメとしては正直最高峰のレベルだと思う。今から十年前にアイマスのアニメに嵌っていたことがあって、それは個人的に初めて演出に魅せられたアニメだったからなのだが、今回はどうか。ミリオンライブのキャラがそのアイマスのアニメの劇場版に一部登場していたのだが、今回のアニメはその10年越しの続編なのか何なのか、ちょっとふわっとした感じで繋がっているらしい。当然765プロのキャラも続投しているのだが、まあ知らなくても特に問題はないくらいの関わり方。スマホゲーのアニメにありがちなのだが、何十人もキャラが出てくるとそのたくさんのキャラに出番を与えるために薄味な展開になりがちだと思う。すでに四話まで見ているのだが、最初の数人に絞った展開のときはそこそこ見応えがあったものの、何十人もキャラが入れ代わり立ち代わりで出てくるようになるとまあその辺のスマホゲーアニメとあまり変わらなくなってきた。最初の方は良かったが、U149ほど尖った作品でもないしだんだん女児向けアニメっぽい話になってきたので切るかもしれない。
グッド・ナイト・ワールド
フルダイブ型オンラインゲーム”プラネット”。その世界で最強と言われる4人のプレーヤーが赤羽一家と呼ばれる疑似家族を形成していた。だがその正体は現実で家庭崩壊していた四人の家族。ある日、捕獲することで三億円の懸賞金が貰えるというモンスター”黒い鳥”の目撃情報が赤羽一家の領地である黄昏の丘の近辺であることを理由に、ゲーム内で最大のギルド・海賊団に宣戦布告を受ける。現実の家庭での状況の変化に翻弄されつつも、赤羽一家と海賊団の戦いが始まろうとしていた……というマンガワンで連載していた漫画原作のアニメ。
よくあるネットRPG的描写に辟易しつつも、現実世界の崩壊した家庭の超ギスギスした空気は凄まじい。面白いか面白くないかよりもこのギスギス感は普通にしんどくてあんまり続きを見たいという気にならない。全五巻で原作が完結しているようなので2期とか無しでちゃんと終わりそうという点では不安はなさそうだが。
クズ悪役の自己救済システム
道教世界を舞台にした長編種馬小説『狂傲仙魔途』を読んだ現実世界の主人公は、登場人物がみんなおかしくて主人公より強い奴が出てこないストーリー、トンデモ設定ばかりで伏線回収もないその内容に納得できず、ネットで誹謗中傷しているうちに食べ物を喉に詰まらせて死んでしまう。しかしこともあろうに狂傲仙魔途の世界に転生し、主人公を苦しめるクズ悪役の仙人になってしまった。原作では主人公に嫌がらせをしているクズ悪役は、最終的には主人公に倒されて最悪の結末を迎えることになっている。なんとかシステムの裏をかいて生き延びる道を探して行動を開始する…という中国のWeb小説が原作のCGアニメ。
中国だとハーレム小説って種馬小説っていうんだ、とちょっと勉強になった。向こうにもそういうのあるんだなとちょっぴり親近感が湧いてくる。そしてネット上にはそういう作品で溢れていてうんざりしているであろうことにも。道教の世界を舞台にしていることもありお国柄が出ていてそういう点では新鮮。浪川大輔声の情けない主人公が知恵を絞って小説の主人公をヨイショしつつストーリー上のイベントを乗り切ろうと必死で足掻くのはギャグとしては結構面白い。ながら見するにはちょうどいい軽めの作品。
薬屋のひとりごと
薬師として遊郭に薬を卸すことを生業にしていた少女・猫猫(マオマオ)は人さらいに捕まり後宮の下女として売り払われてしまう。二年という期限つきで仕方なく後宮の仕事に従事する猫猫だったが、帝の子が続けて亡くなるという事件が起こる。下女の間で流れている呪いのせいだという噂を耳にした猫猫は、薬師の知識によってその原因は別にあることを推理し、つい出来心でこっそり王妃に忠告のメッセージを送ってしまい、それが原因で壬子という宦官に目を付けられてしまうのであった……という古代中国風の世界を舞台にした、元はなろうで連載されていた小説原作のアニメ。
原作の人気が非常に高いのでアニメの方もそれなりの出来を期待されていた作品でもあるからか、相応のクオリティを感じるアニメ化をされている。唐の時代風の世界の後宮の話なのにスカートとか横文字を使ったり普通に平仮名が出てくるのはちょっとずっこけそうになる。雰囲気よりも分かりやすさ重視、ということか。そういう気になる点を踏まえても薬の知識があって毒に強い猫猫が後宮で起こる様々な事件を解決するという無双スタイルはほどほどに気持ちよく手堅い面白さがある。刺さってくるほどではないが、一応何話か様子見してもいい程度に手応えはあった。
まついぬ
おそ松さんの六つ子に似た六頭の犬たちが繰り広げる、おそ松さんスピンオフの癒し系ショートアニメ。当初まついぬのまつって何のまつだよと思ったが、どうやらおそ松さんの松ということらしい。もはやおそ松さん要素も限りなく薄く、どこに需要があるのかまるで分からない作品。一話見たらもう十分。
ドッグシグナル
元カノの愛犬を押し付けられた主人公・佐村未祐は、まともに躾されていない愛犬の世話に手を焼いていた。ある日の未祐が愛犬を散歩させているとドッグトレーナーである丹羽眞一郎に出会う。眞一郎に犬の扱いについて咎められ、トレーナーとしての技術に魅せられた未祐は眞一郎の経営している犬のトレーニング教室で働きたいと思うようになった…という漫画原作アニメ。
犬の躾をテーマにした作品で、毎回何かしらのレクチャーの入る教育的な内容…のはずだが一話目から主人公が首輪をつけられて散歩させられたりNHKのくせに結構攻めた内容。いいのかこれ。どちらかと言うとこれから犬を飼うか、今飼っている人向けの内容で、以前犬を飼っていた身としては昔を思い出してちょっと切なくなった。まあ、一話で切るんだが。
PLUTO
人型のロボットが人間に混じって生活しているほどの未来。ユーロポールのロボット刑事であるゲジヒトはロボットの人権について活動している男の殺人事件の担当になる。その犯行は明らかにロボットのものであるとしか考えられないようなものだったが、ロボットの人工頭脳に組み込まれたシステムによってロボットは人間を殺害できないはずであった。その頃スイスの山中で多くの人々に慕われていたロボットが破壊された。その2つの事件には何の繋がりもないかのように思われたが、二本の角を頭に突き立てられるという共通点があった。そして続けてノース2号という高性能の戦闘ロボットも破壊される。ゲジヒトは世界でも選りすぐりのロボットたちが狙われていると知り、日本にいる優れた人工頭脳を持つロボット・アトムの元に向かい、事件解決のための知恵を借りるのだった……という、手塚治虫の『鉄腕アトム』の1エピソードである『地上最大のロボット』をリメイクした浦沢直樹の漫画原作のアニメ。
浦沢直樹の漫画って最初はいつもめちゃくちゃ面白そうなんだけど、それに何度騙されたことか。そういう経験の積み重ねによってこのアニメも最初はそれほど期待していなかった。しかし一話目の掴みがあまり良くつい見入ってしまった。自分はまた騙されるのだろうか……。鉄腕アトムというよりはMONSTERのようなサスペンスでミステリアスなストーリー展開には普通に引き込まれる。一話から71分、二話以降も50分以上と既存のTVシリーズの枠に囚われない形式は配信アニメならでは。そのため後で地上波放送されることはないだろう。騙されたつもりで続きを見てみるか……。
鬼武者
江戸の初期、とある藩の伊右衛門という男が謀反を起こし山奥の村に立てこもった。幕府への面子のために兵を動かせない藩主は、客人として藩を訪れていた剣豪・宮本武蔵に謀反人の討伐を依頼する。しかしその任務に同行した仲間の一人は伊右衛門側についた裏切り者であった。武蔵が裏切り者を切り捨てると、人ならざるものへと変身。危機に陥る武蔵だったが、途中で立ち寄った寺で借り受けた鬼の力を封じ込めた籠手を身につけると、凄まじい力を発揮し怪物を倒すのであった。カプコンのゲーム・鬼武者を原作としたアニメ。
カプコンの鬼武者といえば金城武とか松田優作のイメージなのだが、今回の宮本武蔵のモデルは三船敏郎。そういうわけでかなりパブリックイメージに近い宮本武蔵のデザインになっていて、フルCGアニメだが違和感はない。総監督はジャンルを問わない数々のバイオレンス映画を撮ってきた三池崇史で、時代設定はともかく血飛沫満載の派手な剣戟アクションを繰り広げており見応えはある。とはいっても始まったのがあまりにも遅い! 今期見るアニメはもういっぱいいっぱいなのだ。よって見るとしても後回しになるだろう。
悪魔くん
うらぶれたアパートに一室に構える千年王国研究所の主、埋れ木一郎は初代悪魔くん・埋れ木真吾を義父に持つ二代目悪魔くんである。本人にそのつもりはないが、千年王国研究所は不思議な事件の持ち込まれる探偵事務所のようになっていた。人と悪魔のハーフであるメフィスト三世と共に、悪魔くんは不思議な事件の謎に挑むのであった。水木しげるの漫画・悪魔くんを原作としたアニメ…の三十数年ぶりの続編。
実際に見るまで知らなかったのだが、メフィスト二世だと思っていた奴が実は三世だったことに違和感を覚えて調べてみると、この作品が89年に放送されたアニメ・悪魔くんの続編であることが判明した。初代悪魔くんが当時の姿のまま出てくるし、メフィスト二世の声も同じだし、監督が佐藤順一ってところまで同じなのだからこの事実を受け入れざるをえなかった。なんせ小学校低学年のときに見ていたアニメだったので、続編がいまさら作られる事自体驚きである。続編と言っても作風は全然違っていて、アニメの鬼太郎に対する墓場鬼太郎のような、ヒーロー路線だった89年版から原作のテイストにだいぶ近づけたようなダークでシニカルな雰囲気の作品になっている。作画的な雰囲気もかなり良い。もう見るものありすぎてこれ以上追加できないのだが、幼き日の懐かしさを刺激されてちょっと見たくなる……。
結論
とにかく今期は新作アニメの数が多くて大変だったが、見るだけなら10月の半ばで9割方終わっていたので本当に大変だったのはブログの記事にする方だった! 新作アニメを一通りチェックするのは自分好みの作品に出会うための儀式みたいなものなので続けると思うが、この記事の書き方は来期から変えようと思った。
そんなわけで現在は既に11月の半ばを過ぎており、放送されているアニメは7~8話と中盤を迎えている。今更こういう記事を書く必要あるのかな?という疑念は正直かなりあるが、これはお前の初めた物語だろ!ということで一応最後までやり遂げたい。今期のアニメで視聴候補に上がったのは以下の通り。
視聴確定
葬送のフリーレン アンデッドアンラック MFゴースト 16bitセンセーション
ミギとダリ 君のことが大大大大大好きな100人の彼女 オチビサン PLUTO
二期・続編視聴
Helck ダークギャザリング デッドマウント・デスプレイ ウマ娘プリティダービー
様子見(一次候補)
オーバーテイク! 薬屋のひとりごと クズ悪役の自己救済システム
アイドルマスターミリオンライブ! SHY 聖剣学園の魔剣使い
ひきこまり吸血鬼の悶々 ラグナクリムゾン ティアムーン帝国物語
豚のレバーは加熱しろ シャングリラ・フロンティア 星屑テレパス
経験済みなキミと、経験ゼロな俺が、お付き合いをする話 め組の大吾
婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む
冒険者になりたいと都に出ていった娘がSランクになってた
↓多すぎるので思い切って整理した。
様子見(最終候補)
オーバーテイク! 薬屋のひとりごと クズ悪役の自己救済システム
婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む め組の大吾
冒険者になりたいと都に出ていった娘がSランクになってた
これで20本。本数そのものが多いと候補に残る数も必然的に多くなりがちだ。様子見枠で残ったのと消えたものの差はほとんど無く、作品のジャンルがあまり偏らないように選んだ結果である。視聴確定枠に残ったものについて、それぞれ理由を述べていく。まず葬送のフリーレンは話題性に勝るとも劣らない作品のクオリティが十分に担保されており、叙情的な空気感が非常に好みだから。アンデッドアンラックは一話の時点では結構頑張ってるアニメだなという程度の感想だったが、二話のOPと本編を見てこれは作り手の情熱が暴走しているタイプのやつだな!と分かったので見る価値ありと判断。MFゴーストはレースものアニメの良さを再確認。ユーロビートとクルマの組み合わせはやはりアツい。オーバーテイクもここに入る可能性はあったが、レース描写の良さに大してやはり人間関係の描写が女性向けっぽく多少の違和感を覚えてしまう。16bitセンセーションは当初エロゲオタクの懐古ネタ…程度の認識だったものの、話が進むにつれてタイムリープものとして先の読めない展開になってきて普通に面白くなってきた。ミギとダリは、美少年主人公の耽美な雰囲気がありつつも毎回恐ろしくシュールな展開で多分今期で一番笑ってるアニメ。100人の彼女はお色気要素もギャグ要素も両方いいとこ取りで、美少女ものとしては作画の良さが申し分ない。オチビサンは短いのと雰囲気の良さで。PLUTOは一話目の掴みの良さに賭けた。
しかし毎回言っているが一話、あるいは数話見ただけではその作品の評価なんてほとんど分からないというのが正直なところで、今期切ったアニメの中にも前期の『BanG Dream It's MyGO!!!!!』みたいに後から大化けする可能性もなくはない。とはいうものの、『It's MyGO!!!!!』は一話目から何かありそうと思って残したので、演出の雰囲気が自分好みだったとか、作画が良かったとか、女の子が可愛いとか、そういうものはやはり自分の目で見て確かめるべきなのだと思う。今年一年はそういう地道な積み重ねが自分にとって大事な作品と出会うきっかけになった。来年も良き出会いがありますように。