四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

今期のアニメに頑張って目を通す・2(2023年秋)

詳しいルール等は↑の記事を参照。

 

 

アンダーニンジャ

忍者は今も日本に存在しており秘密裏に暗殺や破壊工作の活動を行っているという。安アパートで暇を持て余している雲隠九郎もその一人で、とある高校への潜入任務を言い渡されることになった…という『ルサンチマン』や『アイアムアヒーロー』の花沢健吾の漫画原作アニメ。

 

初回からストーリーが錯綜していてちょっと分かりづらい。原作を知ってる人が言うには後の盛り上がりそうな展開を前倒ししているらしい。同じ手塚プロ制作で言うとこの間やっていた『マイホームヒーロー』のような、青年誌然とした流行りから程遠い絵柄で、そういう意味では大量にあるアニメの中では異彩を放っている。他の漫画作品のタイトルなどを台詞としてそのまんま出すような作風で好みが分かれそうだが、個人的には滑ってる感じがしてあまり好きじゃない。よっぽど他に見るものがないと多分見ることはない。

 

 

ビックリメン

現代に似ているがビックリマンシールが現実よりも大きな価値を持つ世界。多くの人間がビックリマンチョコの販売を待ちわびてコンビニの前にたむろしている程だった。宅配バイトに勤しむヤマトはビックリマンチョコの配達を依頼されたことでシールを巡る争いに巻き込まれてしまうが、シールを自分に貼ることで変身するコンビニ店長・フェニックスの活躍によって難を逃れる…といった、30年以上前に流行したビックリマンシールを題材にしたアニメ…だと思う多分。

 

幼少期の頃にビックリマンが流行っていても、話はさっぱり分からなかったが一応シールは集めていた。だが大人になって改めてビックリマンのストーリーを調べてみると難解過ぎて驚いてしまった。というより神話のような脈絡のない展開が多くてなんでこれが流行ってたのか分からないというのが正直な感想だ。そんなビックリマンが令和の時代に蘇ったが、デザインに『シャーマンキング』の武井宏之が関わっているだけあって天使たちの変身もなんだかオーバーソウルっぽい感じ。昔のビックリマンを知っていると、一応原作を反映させたネタを使っているんだなと感心してしまうが、正直ビックリマン自体に今でも感心があるかと言われたら……。ビックリマン自体が今でも動いている作品で、いずれこれもビックリマン公式の新しい世界のひとつということになるかもしれないが、見た目からして女性向けの感じが強くあんまり興味は持てない。

 

 

私の推しは悪役令嬢。

社畜OLの大橋零は乙女ゲーム『Revolution』の主人公レイ・テイラー(名前変更化)として転生する。ゲームでは王子候補を攻略するのが本来の目的だが、レイは悪役令嬢であるクレア・フランソワの方を推していた。クレアに嫌がらせをされまくるが愛によって全て好意的に解釈するレイ。前世でゲームをやり込んだ知識によってクレアとお近づきになれるように行動するのだった…という元はなろう等で連載されていた小説原作のアニメ。

 

漫画は百合姫連載なのでそういう感じの作品としか言いようがない。なので三人の王子って何のためにいるの?という気すらしてきてしまう。ゲームとして遊んでるうちは性格の悪いキャラでもツンデレだなーという見方はできるかもしれないが、実際に嫌がらせされる立場になってもこいつめ~と思えるかどうかは個人的にはちょっと微妙なところだ。というかクレアの方がストーリーの主体で、頭のおかしいレイという女に絡まれ続けてるんだと思うと逆に不憫に思えてくる。他に見るもの無かったら見てもいいかなくらいの感じ。

 

 

アンデッドアンラック

触れた相手を死ぬほど不幸にしてしまう不運(アンラック)な体質を持つ風子は自殺を試みるが、そこに現れた不死(アンデッド)の男アンディによって阻止されてしまう。本当の死を望むアンディは風子と行動を共にするが、彼らのような特殊体質の人間を追う組織ユニオンが二人を狙う…という少年ジャンプの漫画原作アニメ。

 

ジャンプでもあんまり話題になっているのを聞いたことのない漫画だ…と思っていたらアニメはアクションにだいぶ力が入っていて驚いた。ヒロインである風子の胸がボインボイン(死語)で結構凄い。アンディはずっと素っ裸だし、不死身だけあって流血しまくり欠損しまくりでジャンプ作品らしからぬところはあるが鬼滅の刃もこれくらいだったかなという気がする。そんなに言いたいことはないものの流し見枠としては全然ありのレベル。

 

 

MFゴースト

EVが普及した世界で人々を熱狂させる化石燃料エンジンを用いた公道カーレースMFG。日本人と英国人とのハーフであるカナタはそのレースへの挑戦者として日本にやってくるが、その目的は他にもあった。ヒロインである西園寺恋の家に居候しつつ、行方不明になった父を探すカナタ。レース当日、高級なハイパワーマシンばかりの参加者の中、カナタはトヨタ86GTという馬力に劣るマシンで挑む…という『頭文字Dしげの秀一の漫画原作アニメ。

 

頭文字Dと地続きの世界観らしいのだが、話が繋がっているわけではないので一応取り扱う。一番ビックリするのは女性キャラがわりと見られるレベルになっているということだろう。原作の女性キャラはぶっちゃけ見てられないくらいなので、癖を残しつつも可愛いと思える程度になっているのでキャラデザの力が凄い。むしろカナタの方が可愛いぞ。一話の時点ではレースシーンが少ないので何とも言えないが、二話の感想を見たところユーロビートを流しつつ解説モブもいる前作頭文字Dの雰囲気がそのまま帰ってきた感じらしいので、そこまで見てみる価値はありそうだ。

 

 

暴食のベルセルク

スキルの性能が絶対の世界で、暴食という腹が減るだけのハズレスキルを持つフェイトは最底辺の毎日を送っていた。だがたまたま味方が打ち漏らした賊を殺害したことで暴食スキルの真の効果が発動、殺した相手の能力を奪い取れることが判明する。これによって得た鑑定スキルで喋る剣グリードと出会いフェイトの運命が変わっていく…というラノベ原作アニメ。

 

スキルのおかげで自分だけレベル1から上がらなくて周囲から侮られまくりだけど、暴食スキルによって能力だけは上がり続けるから実は強いという感じの話。たまたま倒した相手がずいぶん使えるスキル持ってて都合いいな…と思う。雑魚モンスターでも能力が上がるんだから、こんなのその辺の虫を殺しただけでもステータス上がりそうなもんだが、そうはならないのも都合がいい。喋る剣グリードの声が関智一で、尊大な喋り方なのも相まってFateギルガメッシュみたいだがもしかして主人公がフェイトだからなのか? 正直こういうのはお腹いっぱいなので一話で切る。

 

 

Paladox Live THE ANIMATION

ファントメタルという金属に自らのDNAを反応させることで生み出すことができる幻影を使ってライブを行うラッパーたちのいる未来。10年ぶりに復活したというCLUB Paradoxから招待状が届いた四組のグループが、100億円の賞金と伝説のチーム武雷管への挑戦権をかけてラップバトルで激突するというメディアミックスプロジェクトを元にしたアニメ。

 

いわゆる男性アイドルものの変化系もここまで来たのかという感じで題材はHIPHOPヒプノシスマイクとかもラップだったような気がするが。サイケデリックな色使いとデザインを基調とした世界観で好きな人は好きそう。女性向けだからイケメン男子ばかりと思いきや、多分メインとなるチームBAEにはどう見ても女にしか見えないキャラも混じっているのだが、声優が歌い手らしいが結構上手くて違和感がない。でも多分正体は男なんだろうなと思う。それならいちいちボーダレスとか男も女も関係ないなんて言わないと思うし。なかなか個性的な作品だが正直自分は対象外なので一話切り。

 

 

攻略うぉんてっど!~異世界救います!?~

ブラック企業に勤めるアラサー女子のイノーは不慮の事故でゲームの世界に召喚されてしまう。女神に誤って召喚させられたことが分かったものの、キャンセルは不可能だったので勇者の代わりに世界を救う冒険を始めるのだった…というパロディ要素強めの中国産のフル3DCGアニメ。

 

3DCGのモデリング自体は等身低めで可愛らしく癖がないので日本産アニメよりクオリティがむしろ高い部類なのだが、中国産アニメはテンポ感がだいぶ日本産アニメと違ううえに、日本のゲームや漫画のパロディにまった遠慮がなく頻繁に出てくるのでかなり好みが分かれるところだろう。そんなにジョジョが好きか? 主人公がブラック企業勤めだったりMMORPGあるあるネタを扱っていたりで既にかなり手垢のついたネタなので新鮮さがまるでない。残念だが一話切りで。

 

 

はめつのおうこく

人類に知恵を与えた魔女は、いまや科学による文明を持った人類にとっては敵と見なされていた。リディア帝国に追われていた魔女のクロエは人間に捕まり衆人環視の中で処刑されてしまい、その弟子であった人間のアドニスは復讐を誓う…という漫画原作アニメ。

 

まずは冒頭、クロエが人前で服をビリビリに裂かれて辱められ、土下座で尊厳を踏みにじられたあげく殺されるという胸糞展開。なんか妙な性癖が目覚めそうだがとにかくインパクトはある。生き残ったアドニスによる国家転覆を目標にしたシリアスなストーリーなのかなと思いきや、声帯認証は声真似で突破できたりするという雑な感じが非常にアンバランスな感じがして個人的にはなんだか気持ち悪い。限りなく一話切りに近い様子見。

 

 

豚のレバーは加熱しろ

豚のレバーを生で食べて食あたりを起こした”俺”は異世界に転生したと思ったら豚の姿になっていたが、イェスマと呼ばれる心を読む種族の少女・ジェスのおかげでなんとか豚小屋から助け出される。オタクのあられもない妄想にも付き合ってくれる心優しいジェスのおかげで、人間の姿に戻るには魔法使いの血筋である王に面会するしかないと分かり、ジェスと共に王のところへ向かうことになった…というラノベ原作アニメ。

 

タイトルのせいでまともな調理知識も無い世界で現代人が無双する異世界ものか?と思ったら全然違った。豚のおかげで一見のどかな雰囲気を醸し出しているものの、ヒロインは奴隷階級っぽい扱いを受けており種族自体が差別的な扱いを受けているものと思われるので、これから先そういう話になっていくのかもしれない。首輪もしてるし。豚役の松岡禎丞によるオタクの妄想語りとヒロインとの心温まる交流が話の大部分なので、あんまり画面を見ている必要がないのが良くもあり悪くもあるので、ながら見するにはちょうどいい作品かもしれない。ずっとパンツパンツ言ってるけど見せないのかよ?と思っていたら最後に見えた。

 

 

僕らの雨色プロトコル

かつて仲間と共にネットの対戦ゲーム(FPS)に明け暮れていた時野谷瞬は、父を事故で亡くしてからというものゲームを止めて、ひとつ上の幼馴染・稲月望の父が経営するゲームカフェでアルバイトしていた。しかし望の父には多額の借金があり、運営するeスポーツのチームのメンバーが突然脱退し大会に出られなくなってしまう。瞬は高額賞金獲得のために、再びゲームの世界に飛び込むことになる…というストーリーのオリジナルアニメ。

 

eスポーツを題材にした作品……なのだがまず最初の印象としてはゲーム画面のクオリティが低い。それならわざわざ独自のものにせずに、現実にあるゲームを使えばいいのにと思う。そして主人公はひたむきに頑張ってるのに、ゲームに復帰しなきゃならない理由が酷い。またそれで揉めるのが容易に想像できる。キャラデザはかのかりや推しの子のアニメと同じ人なので女の子は結構可愛いと思うが、作画自体は正直パッとしない。オリジナル作品は応援したいというのを込みでも一話切り濃厚なライン。