四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

今期のアニメになるべく目を通す・3(2023年春)

 

 

 

神無き世界のカミサマ活動

筋骨隆々の男たちばかりを集めたカルト宗教の教祖の息子である征人は、無茶な儀式によって命を落とし異世界に転生した。だがその世界は神や宗教の概念の無い世界であった。なりゆきで村の食堂の娘・アルラルに助けられた征人は異世界の剣と魔法の冒険に胸を踊らせるが、ただ村の畑仕事を手伝わされるばかり。色々あって村に溶け込む征人だったが、この村は皇国によって異常者と決めつけられた人間の集まりであるという実態を知る。兵士たちに連れ去られたアルラルを取り戻すために皇国へ向かうが抵抗虚しく倒されてしまう。しかしそのとき元の世界から持ってきた勾玉が光出し、幼女の姿をした神様を自称する存在が呼び出された。彼女は一瞬で兵士たちを蹴散らし、致命傷すら治してしまうのだった。

 

冒頭からこれはギャグとエロがメインですよとはっきり主張してくれるのは潔くて良い。基本的には流行りの異世界転生をメタにしたコメディだと思うのだが、第一話からいきなりヒロインの姉が処刑されて死ぬという温度差が物凄い。ちょっと低予算感が漂うというか、力を入れるところと抜くところがはっきりしていて、とりあえずCGは無茶苦茶浮いている。異世界モノの中では他より差別化できていてそれなりに見られそうな感じがするが、今期は他に見るものが多すぎるので切るしか無い。

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ~レベルアップは人生を変えた~

醜い容姿で幼い頃から虐めを受け、両親からも虐待されて育った少年・天上優夜。だが生前優しくしてくれた祖父が残してくれた家には異世界への扉が隠されていた。そこにあった武器や入手したスキルを活用し、襲いかかってくるモンスターを倒した優夜はレベルアップによって得られたボーナスポイントを振り分けると、翌朝急激に肉体が成長し鍛えられた身体とハンサムな顔を手に入れる。そうして現実と異世界を行き来しながらレベルアップを繰り返し、学校へ行くとあまりの変化に周囲が驚き、そこでようやく自分の成長を自覚するのだった。

 

異世界では初めから用意された武器や設備で無双しレベルアップ、そして現実世界でもそのレベルアップが反映されて無双という、両方のいいとこ取りの設定。まず、やたら絵が濃い。初期設定は憐れみすら感じるほどの酷い境遇だが、都合よく転がり込んでくるあまりにも都合のいい異世界の設定にはちょっと呆れてしまう。カミサマ生活と同じように異世界転生作品が世に溢れかえっていることを逆手に取ったメタギャグの類だと思うのだが、結局そういう作品すらも巷に溢れかえっているのが現実だと思う。特に新鮮味もないので一話切り。

女神のカフェテラス

現役東大生・粕壁隼が三年ぶりに訪れたのは、喧嘩別れしたままの祖母が営んでいた”Familia”という喫茶店赤字経営だったため店を畳んで駐車場にでもしようと計画する隼だったが、そこには既に五人の女性が住んでおり退去に応じる様子もない。五人は色仕掛けも含めたあらゆる手段で隼を手籠めにしようとするものの失敗。しかし店を実際に不動産に明け渡すことになったときに隼は祖母との記憶を思い出し廃業を撤回、大学を一年休学し五人の女性と共に喫茶店の立て直しをしようと決意するのだった。

 

瀬尾公治原作・週刊少年マガジンに連載されているラブコメ作品。この人の作品ってことごとくアニメ化しているがどうも苦手である。住み込みで複数のヒロインのハーレム作品というとラブひなとかを思い出す懐かしい雰囲気。00年代のエロゲーかと思ったくらいだ。原作はそうでもないらしいのだが、アニメはお色気要素をウリにするならもうちょっと作画を頑張ってくれと思う。申し訳ないが今期豊作のラブコメ作品の中では下から数えた方が早い。

デッドマウント・デスプレイ

とある異世界で、屍神殿と呼ばれるネクロマンサーと災厄潰しと呼ばれる英雄・シャグルアによる激しい戦いが繰り広げられていた。だがシャグルアの剣が屍神殿の身体を貫いたとき、あたりは激しい光に包まれる。そして時は現代の新宿。何者かに首を切られて死んだ四乃山ポルカ異世界の魂が乗り移り蘇った。ポルカが街を歩いていると、その血まみれの姿を見て警察に呼び止められるも、突然現れた女子高生・崎宮ミサキによって助けられる。しかしその女子高生こそがポルカを殺害した張本人であった。追い詰められるポルカだったが、裏社会の処刑場として使われているビルに迷い込んだことで異世界の能力を取り戻し、圧倒的な力でミサキを殺害するのだった。

 

異世界から現代への転生もの。でも暗殺者がその辺をうろついてる新宿なんて、異世界と大差ないような気がしなくもない。原作が成田良悟ということで、『バッカーノ!』や『デュラララ』のような群像劇にこれからなっていくのだとすると、キャラが少ない序盤のうちに切るのはちょっと勿体ないかもしれない。一応様子見ということにしておく。一話の最後であ、そっちだったのか……と普通に騙された。悔しい。

ワールドダイスター

演劇が大衆娯楽として席巻している世界。高校生・鳳ここなはその演劇界の頂点である”ワールドダイスター”を目指していたものの、自分のセンスのなさに諦めそうになったところを親友の静香に背中を押され、憧れの劇団シリウスを受験するために上京する。”人魚姫”を演じる入団試験で同じ受験生のカトリナに実力の差を見せつけられてしまうここなだったが、シリウスの団員である新妻八恵の助力もあって試験に合格するのだった。

 

一話の最後にちょっとビックリする展開が続く。ビックリというかゾッとしたというか。演劇がテーマという以外どういう話になるのか分からなかったが、三話まで見たところ特殊能力系演劇ものらしく、ありえない能力を使ってやりたい放題してくるので逆に楽しめそうだなと思えた。地上波だと鬼滅の裏番組のせいで全然話題になってないのが切ない。これからゲームも出るらしいのだが、この先どうなるのか分からないという意味では実質オリジナルアニメなので、良くも悪くも今期最も未知数の作品。

青のオーケストラ

世界的なヴァイオリニストを父に持つ中学生・青野一(はじめ)はかつて自身もヴァイオリン奏者としてコンクールで好成績を収めていたが、現在はヴァイオリンにも触らず無気力な日々を送っていた。だがそんなとき、保健室通いの同級生・秋音律子がヴァイオリンの練習をしているところに遭遇してしまう。青野がヴァイオリンを弾いていたことを知っている担任教師は、彼女に弾き方を教えてやってくれないかと頼んでくる。

 

一話が本当にただの導入だったので二話まで見た。二話の最後にようやく本格的な演奏があるのでここからが本当の始まりといった感じ。ヒロインが今どき見ないレベルの古き良きツンデレで懐かしさすら覚える。楽器の演奏は1キャラクターにひとり著名な演奏家を付けるという力の入れようで、実際にそれだけのパワーがある。それ以外の部分は今のところ普通かな……。水星の魔女の裏番組として放送しているので全然話題にならないのが切ない。三話から本編の舞台である高校のオーケストラ部の話が始まるようなので、しばらくは様子見で。

異世界ワンターンキル姉さん ~姉同伴の異世界生活はじめました~

軍場(いくさば)朝陽は子供を助けようと交通事故に巻き込まれ、異世界に転生してしまう。スマホを売って装備を整え、ギルドに登録しいざ冒険に出かけようとするもあまりの弱さにモンスターからは逃げることしかできない。だがそこに朝陽の姉である真夜が召喚され一撃でモンスターを倒してしまう。極度のブラコンである真夜は、朝陽を守るために超スピードで敵を倒してしまうため、周囲の人からは朝陽が敵を倒していると誤解され勝手に冒険者ランクが上がってしまうのだった。

 

異世界で最強だったのは自分じゃなくて姉の方だった。そういうシチュエーションで発生する誤解を利用したファンタジーコメディ。そんな作品だが姉の飛び抜けた強さを表現するためか意外とアクションシーンは頑張っている。とはいうものの先があまり気になるようなこともなく一話で切る。

アイドルマスターシンデレラガールズU149

とある大手芸能事務所で新たなプロジェクトが立ち上げられた。そのプロデューサーは入社三年目の若手社員が担当することになったのだが、『第三芸能課』と呼ばれる部署に集められたのはなんと小学生ばかりのデビュー前のアイドルの卵たちであった。担当が背の低い頼りない感じの男ということで最初は難色を示されるもののプロデューサーがいなければそもそもデビューすらできないということもあり、ようやくまともな活動ができるかもしれないということで少女たちに受け入れられるのであった。

 

U149とはずばり身長149cm以下の小学生の女の子アイドルだけを集めたというコンセプトの完全にロリコン専用のアニメ。しかし実際に見てみるとアイドルというより学童保育といった雰囲気だ。しかしながら作品としての情報量の多さ、暗喩的表現を用いた演出の多用、日常芝居にもかなり力が入っていて、子供特有のちまちました動きを再現しているのは可愛らしく目を引かれる。ノンケでもロリコンに転びそうなパワーを秘めた高級感の漂うアニメだ。ロリコンじゃないけどこういう雰囲気のアニメは自分好みなので視聴継続しようと思う。ロリコンじゃないけど。