四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

二度目の『トップガン マーヴェリック』鑑賞。

大作が次々公開されることもあって、今年の5月末に公開されてロングランしている『トップガン マーベリック』が全国的に公開終了する運びになっているようだ。公開当初に一回観たのだが、ちょうどこのブログを始める直前くらいのことだったので特に言及することはなかった。地元のシネコンも11/10に終わることもあってか、最後の最後に良いスクリーンが宛てがわれており、せっかくだから見に行くことにした。

 

この作品の魅力は何と言っても映画館で観ることに最適化された映画だということだろう。トム・クルーズも配信ではなく劇場での公開に拘ったというのも納得の臨場感。音が直接ぶつかって身体を揺らしてくるのは自然と精神が高揚してくる。そして戦闘機のコクピットで左右に揺さぶられ、空気と衝突するかのようなライド感もある。

 

この間ガルパン劇場版を映画館で観たときも、家で観たときと違いすぎて驚いたのだが、この『トップガン マーヴェリック』も多分その部類に入り、家で観たら面白さは半減すると思う。まあ話は王道そのものとしか言いようがないので、半減したとしてもそれなりに面白さは保証されていると思うが。

 

『マーヴェリック』は初代より面白い続編としては、好き嫌いはあるにしても『ターミネーター2』ばりに異論は無いタイプの作品だと思う。正直言って初代の『トップガン』は今観るとそんなに面白くなかった。当時どれだけブームになったのかまでは知らないが、ドッグファイトで何やってるかよく分からないし、グースが事故で死んだあとマーヴェリックがうじうじしている時間が結構長い。ただF-14戦闘機のカッコよさだけは今も色褪せてはいなかった。

 

だがトム・クルーズ演じるピート”マーヴェリック”ミッチェル大佐の前史としては無くてはならない存在である。これがあることによって、行く先々の部隊でトラブル起こしてばかりで閑職に追いやられている退役間近の不良パイロットが、数十年ぶりに戻ってきたトップガンで新たな伝説を作るというだけの話が輝きを何倍にも増す。バーで絡んだおじさんが実は伝説のパイロットで! 俺たちの教官だった! そして操縦テクで異次元の差を見せつけられる! なんて分かっちゃいるけど美味しいシーンだ。

 

個人的に上手いと思うのは最初のダークスターの試験飛行のシーン。あれで空中分解したダークスターから黒焦げになりながら生還することで、この作品におけるリアリティラインのだいたいの線引きがなされるので、フライトシミュレーターみたいなプラント破壊ミッションも、ならずもの国家とかいう曖昧な表現も、パクったF-14で第五世代戦闘機と戦うとかどんな無茶苦茶もわりと受け入れられてしまう。だって黒焦げアフロになりながら水をゴクゴク飲んでガキに宇宙人だと疑われるような映画だから。

 

個人的に気になるのは、一回目に観たときも思ったのだが、マーヴェリックとルースターの確執がわりと有耶無耶になっているところである。散々引っ張ったわりにはマーヴェリック自身の問題として片付いてしまっている。

 

でもしょうがない。なんせマーヴェリックの操縦技術が圧倒的に凄腕なのでルースターも認めざるを得ないからだろう。最初は反目していたサイクロンもあまりの凄さに認めざるを得なくなっているほどだから。まああまり細かいところを気にする映画でもない。楽しいから許す。

 

明日は『すずめの戸締り』だ。