四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『ガールズ&パンツァー』アニメ10周年記念上映会に行ってきた。

10周年と言っても、初めて観たのは2022年の初頭の頃だったので自分にとってはまだ一年にも満たないのだが、劇場版はいつか映画館で観てみたいと思っていたところ、なんと早くも千載一遇のチャンスがやってきた。

 

アニメ10周年記念上映会。10/9の一夜限りで全国的に劇場版が再上映され、しかも特別に大きなハコも用意されるというまたとない機会である。当時多くのリピーターを生んだという、高音質での上映ならぜひとも行きたい。そう思って自宅から一番近いところのDOLBY ATMOSの中央やや後方の席を予約したのである。

 

当日行ってみるとやはり年齢層高め、女性客少なめと想像通りの客層。着席率は5割強といったところ。海千山千のガルパンおじさんの中にあっては素人も同然の自分だったが、舐められないように平静を装う。左右の席がひとつ空きだったので4時間という持久戦だったが終始快適であった。

 

上映会は『ガールズ&パンツァー 第63回戦車道全国高校生大会 総集編』と『ガールズ&パンツァー 劇場版』の計240分の間に15分の休憩を挟む長丁場である。最初の総集編はTVシリーズOVAを合わせた総集編にあんこうチーム5人のナレーションを追加したものだったのだが、本編を一度しか通しで観たことがなかったのでほどほどに細部を忘れていた身としてはありがたかった。この時点で配信で観たときと全然音が(特に砲撃音)違うなと感じてはいたのだが、これはまだ序章に過ぎなかった。

 

そして本来の目的である劇場版。最初の30分がエキシビジョンマッチ、後半の一時間が大学選抜チームとの試合という、上映時間の大半が戦車戦で構成されている極めて尖った作品なのだが、全国大会優勝した大洗女子がふたたび廃校の危機に晒され、全国大会で戦ったライバルたちと今度は手を取り合って最強の敵に立ち向かうというストーリーもちゃんとある。

 

いかにもTVアニメの劇場版といった感じの王道展開だがやはり燃えるし、最初はやられっぱなしだったみほたちが個性を活かして逆転していき、最後は西住姉妹の絆によるラストショットで決めるのは分かっていても泣かせる。あまりにも多すぎるキャラにそれぞれ活躍するシーンを作るファンサービスも十分の素晴らしい劇場版だ。強いて言うならまた廃校かよという感じだが、まあオールスターをやるための方便みたいなものだからそこしょうがないと許容している。

 

以前に配信で一度視聴していたが、それでも色褪せない面白さだったので本当に出来が良い劇場版なんだろうけど、今回言いたいのは内容の話ではない。音響だ。

 

 

本当に音が凄かった!

 

 

音圧が強すぎて、砲撃のときに本当に衝撃波を浴びてるんじゃないかと錯覚してしまうほど。4DXじゃないのに。それでいて音割れもしていないデリケートな調整の上で成り立っているのだが、正直ずっとこの水準の音響で観てたら難聴になると思う。それくらい強烈。戦争映画でもここまでの爆発音鳴ってるのは聞いたことがない。

 

自衛隊にいたときに、大学選抜チームとの試合の舞台にもなっている東富士演習場で、歩いている横を戦車が通っていったり、遠くの方で射撃している音が山で跳ね返ってちょっとした落雷の音のように聞こえたのだが、そういう実際の経験を上回っている。

 

もしこれが戦争だったら爆撃や砲撃の音に晒され続けたら戦争神経症PTSD)にでもなりかねないが、あくまで安全な戦車道ということもあって、実際に衝撃で身体が震わせられるとなんだか血肉湧き踊ってきて興奮状態になってくる。これは家では起こらなかった、劇場ならではの副産物だった。

 

総集編のマウスも相当だったが、劇場版にもカール自走臼砲やT-28重戦車などの大物が登場し、筆舌に尽くしがたい轟音を響かせているのだが、一番ビックリしたのは観覧車が落ちたときの音かもしれない。なんか想像よりずっとヤバい音だったという意味で。

 

いやーそれにしてもいい思い出になった。もう一回ぐらい劇場で観てもいいと思えた。今度は4DXで。