四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『劇場版ツルネ -はじまりの一射-』鑑賞。

ツルネのTVシリーズを見たのは二年ぐらい前だった。

既に記憶は相当におぼろげであったが、劇場版は多分総集編だから

復習は特に必要ないだろうと判断して観に行くことにした。

 

始まって数分はええと、これは新規か総集編か? と困惑していたものの

話が展開していくうちに記憶を取り戻し、概要を理解した。

これはTVシリーズの後半をブラッシュアップしたタイプの劇場版だ。

京都アニメーションの劇場用映画でこの形式の作品には覚えがある。

『劇場版響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』がそれで

TVシリーズの総集編であることには違いないのだが

ストーリーの後半部分だけにフォーカスし、特定のキャラクターに焦点を当て

物語やテーマをより研ぎ澄ませつつ、劇場の環境合わせて音響面を強化

さらにエモーショナルな作品として生まれ変わらせた劇場用映画である。

今回の『劇場版ツルネ-はじまりの一射-』もそれと同じ方向性の作品であった。

 

TVシリーズのことはあまり覚えていないので

どこが新規カットかなどに言及することはできないが

物語の中心人物が湊・静弥・雅貴(マサさん)の三人に絞られており

TVシリーズよりも味わい深い作品になっていたように感じられた。

弓道を通して描かれる少年たちの悩みと苦しみ、そして成長。

まさに京アニお家芸とも呼べる青春物語だ。

その代わりキャラクターの紹介や弓道の説明パートなどは無いので

やはり事前にTVシリーズを視聴していることが望ましいだろう。

 

劇場版ならではのプラスアルファとしては音響面の強化(7.1ch化)の影響は大きい。

元々音に拘りを感じるアニメだったが劇場版は

弓の弦の音、風を切って飛んでいく矢の音、矢が的を射抜く音

これらが本当に気持ち良い。そして映画館の静寂というのは、その音を際立たせる。

弓道の美しい所作と相まって、爽やかな青春物語としての印象をより鮮烈に残す。

 

以前は京アニだからとりあえず目を通しておこうかな、程度の作品だったのだが

今回の劇場版でツルネのことが結構好きになった気がする。

続編も決まったそうだから、ちょうどいいきっかけになった。

 

あとこの作品、女性向けだと思われがちだが実は女子がかなり可愛い。

弓道部三人娘の中では、お嬢様言葉で気が強い白菊乃愛さんがお気に入りだ。

大会では発熱で実力が発揮できず、泣いてしまうシーンがあり

そのしおらしい姿には妙にそそられるものがあった。

今回の劇場版ではその話は含まれていないので残念。

あとで見直そう。