とにかく上映している場所と時間が限られていて
観るための都合を付けるのに骨が折れた。
しかし観に行った甲斐は十分あったと思う。
前回Ⅲは各勢力の思惑が入り乱れる複雑怪奇(それでも分かりやすくなってはいる)
としか言いようがない話だったが
今回は金星宙域にあるビーナス・グロゥブに行って帰ってくるだけの話で
大変分かりやすい。
大筋はTV版の19話~22話とだいたい同じだが
TV版では台詞だけだったカシーバ・ミコシの主導権を巡る戦いが
終盤に長尺で追加されているのがもっとも大きな変化だと思う。
アメリア軍とキャピタル・アーミィによる
集団戦のごちゃごちゃした感じもさることながら
Gセルフ・パーフェクトパックの武装、フォトントルピードお披露目のシーンは
TV版を遥かに越えた大規模なものになり、恐るべき衝撃を観るものに与える。
壮絶としか言いようがなく、先述のフォトントルピードによる惨劇と混乱が
ベルリに与えた影響は計り知れないものがあり
ベルリを強烈に断罪するマスクの姿には
観客の気持ちも千々に乱れんばかりであった。
特に劇場版でディテールが追加されたGセルフの瞳の使い方は
こういう使い方があったのか!と驚かされ、とても印象深い。
まるで少年のようなシルエットのGセルフに、ベルリの姿が重なった。
終盤でマニィがメガファウナから離反するのはTV版と同じだが
劇場版ではそれに至る感情の流れが補強されていて、説得力が遙かに増している。
マスクのために飛び出していくその姿は、まさに女の強さの表現といったところ。
TV版ではジット団と戦っている時間が長く
ビーナス・グロゥブには行ってすぐ帰っただけの印象が強すぎるが
今回は内部の描写も増え、一体何の目的でビーナス・グロゥブが存在するのかも
語られるのでだいぶ理解が深まった。
ラ・グー総裁だけでなく、お付きの秘書さんの描写が大幅に増えている。
やたらコケるので、あの人もムタチオンしているのか?と勘ぐったが
監督が言うには単にあのキャラが気に入っただけだとか。
リギルド・センチュリー社会科見学も終わり、物語はいよいよ大詰め。
次回Ⅴは終盤ということもあり、戦闘につぐ戦闘でそれだけでも満足できそうだが
経緯が分からなすぎた戦後の各々のキャラクター描写に補完があることを願うばかり。
やっぱり面白いぞこのアニメ。