四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

初めてのロマンシング・サガ ミンストレルソング・リマスターの続き12(完結)

半年にわたって続けてきたこのプレイ日記もようやく最終回。前回凍った城の前にいた妖精の願いをしぶしぶ聞き届けカクラム砂漠の地下まで行ったのだが、今回ふたたび雪国に舞い戻る。今度こそディステニーストーン・邪のオブシダンソードを求めて凍った城へ。入り口では赤魔道士と名乗るいかにも怪しげな男?が財宝を求めてやってきたので一緒に探さないかと仲間に入りたがる。

 

SFC版でも同じ展開なので、今回は仲間リストの都合上一度は仲間に入れておこうと思い事前に4人PTにしておいた。最終試練をクリアした後は各地の酒場に吟遊詩人が現れなくなるので自由に仲間の入れ替えができなくなってしまう。そのせいでわざわざ自主的にLP0にして離脱させるのが面倒くさかった。赤魔道士を加入して凍った城の奥へと進む。

 

 

赤魔道士は人間でありながら、世界のどこでも教えてもらえない邪と闇というモンスター専用の術を使うことができる、どこからどう見ても怪しいヤツだがここは分からないフリをしておこう。凍った城はほぼ一本道で思ったより迷わない。終盤に訪れるダンジョンだけあってSFC版ではあまりいい思い出が無い。悪魔シンボルや妖精シンボルがいるおかげで悪魔系最高位のイフリートや妖精系最高位のフルフルと遭遇するのは日常茶飯事のダンジョンで、常に全滅と隣り合わせの緊張感が漂っていた。

 

だがミンサガでは最高位モンスターは本当に限られた条件でしか出現しないようなので、そこまで過酷な場所ではなくなっている。途中触ると色が変わる蝋燭の色を揃える仕掛けがあったが、宝箱が欲しくなければやらなくてもいい仕掛けになっているのは優しい。城の1番奥まで行くと大広間に出る。SFC版ではオブシダンソードの守護者であるフルフルとの戦いになったのだが、ミンサガではフラーマの姉であるフリーレが守っている。剣を取ろうとすると戦闘に。

 

 

フリーレとその取り巻きであるドレイクとのバトル。だがここまで来たのならもはや話にならない弱さだ。軽く一蹴すると仲間に入れる選択が出るが既に5人PTなので入れることができない。フリーレは100年前からここで凍っていたらしいのだが、ミルザとサルーインの戦いが1000年前なのでわりと最近のことのように思えてくる。その間の900年間はオブシダンソードは封印されていたわけではないのかとか、凍った城は100年前は普通に入れたのかとか色々気になってくる。

 

フリーレを倒すと城の入り口へのショートカットが開通し、帰りは楽ちんだ。だが城の入り口で赤魔道士ミニオンとしての正体を表し、オブシダンソードを渡すよう要求してくる。全部知ってた。当然渡すわけはない。こいつとの戦いも今となっては特筆すべきことは何もなく、もはや雑魚モンスターの方が強いくらいだ。件のオブシダンソードはSFC版では使用時に受けるダメージを半減する程度で、技ポイントの大半を使用する邪剣波という技しかないというとんでもない武器だったせいで禄に使わなかったのだが、今回のオブシダンソードは物理耐性が20も上がるという、武器枠に装備する防具みたいな感じになっていて大変ありがたい。武器と違って防具はいくらあっても足りないくらいだから……。

 


ほぼ全てのイベントを終え、あとやるべきことは何かと言えばラスボス戦に向けての修行と修行を兼ねた取りこぼした宝箱探しであった。およそ10時間ひたすら戦い続け、その間も武器を鍛える。最大まで鍛えた武器は好きな補強材を付けることができるのだが、その中でも”樹精結晶”は攻撃力を上げつつ強度も二段階上がるので得しかない。その代わり武器耐久力が10になってしまうのだが、強度を上げれば耐久力の消費を抑えられるのでデメリットは非常に少ない。防具はほぼガーラル一択のような感じだったが、武器はほぼ樹精結晶でいいような気がする。

 

ただし術具だけは話が別で、術具で物理攻撃することはほぼ無いので単純に強度を上げるエレクトラムが1番いいと思われる。エレクトラムは攻撃力が10%下がる代わりに強度が三段階も上がる。術具はLPを消費するので強度を上げればLPを消費せずに済むので強度重視でいいはずだ。特に炎の術具である炎のロッドとフランベルジュはこれからの戦いで重要な役割を果たすはずなので、念入りに鍛えておいた。

 

 

ラスボス・サルーインの前哨戦として前に一度全滅させられたジュエルビーストに戦いを挑む。麻痺を引き起こすマルチプレックスアイ対策として悪魔系モンスターがポロポロ落とす邪眼の魔よけを人数分用意。そして切り札である、倒れてもHPを最大まで回復して復活できる術・リヴァイヴァをバーバラ・エルマン・ゲラ=ハの三人に覚えさせた。炎術士のバーバラはそのまま使うとして、細剣スキルを持つエルマンは炎のロッドからリヴァイヴァを使うことで消費を抑えることができる。ゲラ=ハも両手大剣スキルを持つのでフランベルジュからリヴァイヴァを使用する。これ準備は整った。

 

 

ジュエルビーストはその体に埋め込まれたサルーイン製のディステニーストーン・サファイアのおかげで術攻撃を一切受け付けない。まず2ターン目に来る全体攻撃・ジュエルブラスターに備えて三人がかりでリヴァイヴァを唱えていく。2ターン目、ジュエルブラスターで全体に600前後のダメージを受けるがリヴァイヴァの効果で即座に立ち上がる。マルチプレックスアイは無効化できるし、後はこの状態を維持して戦い続ければいけるはずだ。

 

武器を強化しまくったおかげで、BPを大量に消費する大技よりも武器強度のおかげで耐久力を消費しなくなったBP消費が少ない技のほうが重要なんじゃないかと思えてきた。長期戦になると回復BPを上回る大技を使い続けることは必然的に不可能だからだ。そう考えると中級技の共振剣や双龍破、金のトロイメライなんかは非常にコスパのいい技として輝き出す。敵の攻撃に耐えながら30000程度のダメージを与えるとジュエルビーストは爆散した。ドロップ品はジュエルリング。お店で10000金で買える品だが、SFC版は何もくれなかったことを思えばまだマシと言える。

 

 

ジュエルビースト撃破で自信がつき、余勢をかってラストダンジョンへ向かう。イスマス城のはずれにある洞窟がその入り口になっているのだが、ミンサガではSFC版と違って一度入ると後戻りはできないらしい。一応セーブは別枠に取っておいてラストダンジョンに入る。だがその頃地上では、フロンティアから湧き出てきたモンスターの大軍団がニューロードを通ってクジャラートへ進軍していた! というデモが流れる。

 

ラストダンジョン内部はまるで生物の内蔵のような気持ち悪い作りになっている。モンスターも一応徘徊しているのだが、まったくこちらに反応する様子はなくスイスイとすり抜けて奥へ進む。途中先へ進むためのワープゾーンとは別のところに、宝箱を守るようにして道を塞いでいるミニオンと遭遇。無視して進むこともできそうだが一応戦ってみるものの、倒して開けられる宝箱には高価とはいえ消耗品が入っているだけだった。

 

 

バーバラたちがラストダンジョンを進んでいくと地上の様子も描写される。クジャラートに迫るモンスターの大軍団を前にして、首長であるウハンジは積年の敵国であった騎士団領に救援を要請する。事態を重く見たテオドールは要請に応じると共にローザリアの皇太子ナイトハルト(今は影武者…のはず?)にも使者を送ることにする。ハインリヒの娘であるコンスタンツがローザリアに使者として赴くが、ナイトハルトはバファル帝国ローバーン公がローザリアとの国境付近に兵士を展開しているため動くことができないでいた。しかしコンスタンツはバファル帝国は首都メルビルにおける騒乱によって現在は動くことができないはずだとナイトハルトを説得する。それによってナイトハルトもバファル皇帝に使者を出して兵を引かせることを決意。その使者としてコンスタンツもメルビルへ向かうのであった。争いの絶えなかった人類が共通の敵を前にしてついに団結する!?

 

ロマサガのわりに、世界情勢を反映させた結構熱いストーリーじゃないか……。気分が盛り上がっているところに、先程倒したミニオンたちが今度は三人がかりで襲いかかってくる。さすがに苦戦しないだろう……と思っていたが、今度はインペリウムという謎のバフ技をかけてパワーアップする。1体あたり1ターン三回攻撃という猛烈な攻撃にさらされるのはさすがにかなり厳しい。しかしインペリウムの使用者が倒れると逆にパワーダウンしてしまうらしく、そうなってしまうと逆に楽勝になった。

 

 

ミニオンたちを倒すと、遂にラスボスである邪神サルーインと対面する。サルーインはミルザに負けたときの恨み節をバーバラにぶつけるが、バーバラはそれを軽くたしなめる。1000年の間に熟成された怨念に取り憑かれているサルーインはもはや言葉の通じる相手ではなくなっていた。

 

決戦の火蓋が切って落とされる。こちらの戦法は先程のジュエルビースト戦と同じ、リヴァイヴァを使って剥がされるたびに唱え直す。後はコスパの良い技で攻撃し続ける……はずだったのだが、サルーインは巨大な剣を携えているせいかディフレクトによって攻撃を無効化される確率が高い。先程のミニオン戦で使った技を確実に弾いてくるのだと気付いたのは結構後のことだった。そして全体攻撃・空閃はせっかく使ったリヴァイヴァを剥がしてしまう厄介な攻撃。サルーインの攻撃は主に単体術ばかりなのだが、もし何かの拍子にこちらが倒されるとアニメート(アニメグッズ専門店ではない)によって倒れたこちらの仲間を操って攻撃してくるようになるという厄介さ。しかし用心深く戦えばまだ全然耐えられるレベル。地道に攻撃していくとやがてサルーイン自身が閃光を放つ。

 

 

SFC版のラストバトルのように舞台を天空に移し、第二ラウンドが始まる。第二形態になったサルーインは剣を使った攻撃やディフレクトこそしなくなったものの、先程までが嘘のような強烈な攻撃を連発し始める。ダークネビュラやヴォーテクスといったリヴァイヴァ無効化術、火の鳥のような全体攻撃、ゴッドハンドという即死効果を持つ単体攻撃技、単体術攻撃もこちらが使うより強力かつ状態異常効果を持っている。全体の防御力を下げる心の闇といった補助も使いこなしてくるのだ。

 

特筆すべきは戦闘フィールドに柱を呼び出す行動で、この柱があるうちは与えるダメージも受けるダメージも少ない。攻撃するたびにひとつづつ壊れるのだが、一定ターンが過ぎるまでに柱が存在していると剣の雨という全体攻撃となって襲いかかってくるのだ。これによってひたすら守って攻撃の機会を伺うようなことはできなくなっている。こちらが倒れた際に使ってくるアニメートも健在だ。まさにラスボスに相応しい強さ。本当に勝てるのか……。

 

 

リヴァイヴァとスターライトヒールを使ってしぶとく戦い続けていると、やがてサルーインは爆発して消滅した。あまりにもあっさりした手応えだったので最初は拍子抜けしてしまったのだが、勝てた! 長期戦になるとどうしても大技を使った派手な戦いにならないのが残念だが、とにかく勝った。

 

地上ではサルーインが滅んだ後もモンスターとの戦いは続いていた。しかしモンスター軍団の勢いは衰えず、ウハンジがついに諦めかけたその時ナイトハルト率いるローザリアの騎兵隊が到着した! 人類はその勢いに乗って反転攻勢に出てついにモンスターの侵攻を退けることに成功したのだった。

 

 

だがバーバラたちはついにサルーインとの戦いから帰ってこなかった。バーバラが旅の途中で出会った人々は誰もがその身を案じていたが、それでも世界は回っていく。サルーインは自らの身体が滅びる際、バーバラたちを巻き添えにしようと大爆発を起こし、イスマス周辺は崩れ去って海の底に沈んだ。だが崖の上にはそれを見下ろしている五つの人影があった。バーバラたちだ! こうしてまたひとつ吟遊詩人の語り継ぐ一つの伝説が生まれたのであった。ロマンシングサガ ミンストレルソング、完!

 

 

いやー、長かった。まさか半年間も、50時間もかかるとは思わなかった。元のSFC版から独特なシステムの多いゲームだったのだが、ミンサガになって新しい複雑なシステムがいくつも増えて、クリアした今でも慣れたとは言い難いのだが、この歳になって改めて手探りでゲームを遊ぶというのも悪くなかった。鍛冶システムとか早い内に触れておけばもっと楽できたんだろうなと思う。

 

ストーリーもSFC版から設定変更されたり、キャラクターが掘り下げられたりして、元の話が非常にドライな感じだったこともあって改めて補完されている部分が少なくなく、昔を懐かしみつつも新鮮な気持ちで楽しむことができた。SFC版は未完成ゆえの底知れなさがあったのだが、ミンサガはいい意味で地に足の付いたゲームになったんだと思う。

 

今回遊んだのはリマスター版ということで倍速モードがついたり色々と遊びやすくなっているヴァージョンだったのはある意味幸運だったと言えるだろう。二周目で開放される要素があるらしいので、今はこのまま二周目を始めるのも悪くないなと思い始めている。でもちょっと疲れたので、それはおいおい考えることにしよう……。