四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

Netflix『スプリガン』視聴!

かつて劇場用アニメ『スプリガン』があった(1998年)。

作画は今見ても凄まじく、ここだけは本当に文句の付けようがない。

手描きアニメ全盛時代のまさしく古代遺物(オーパーツ)と

言ってもいいくらいの代物だ。

しかし原作漫画『スプリガン』のアニメとしてはどうだったかというと

ストーリーが著しくシリアスに偏っていたり

エピソードやキャラクターがリミックスされていて

決してファンが望んだ形とはいえない作品になっていた。

 

それから25年。

スプリガンが配信アニメになるとは誰が想像しただろうか。

今回はベストとはいえないまでも、限りなくベターなアニメ化と言えるくらいになっていた。特にアクションは満点だ。

 

まず一話あたり45分という尺は、話の流れを途切れさせず演出や視聴者のテンションを

持続させるという意味ではかなりちょうど良く、配信という強みを生かしている。

スプリガンの物語ははっきり言ってスケールが大きい。

45分という時間は軽く映画を見たくらいの満腹感がある。

 

そして作品の現代的なアップデート。

原作の連載時期は80年代終盤から90年代前半くらい。

その頃とはあらゆるものが違いすぎるが、この作品のアレンジはいたって自然なものに思えた。スマホタブレットが出てこようとなんら不自然には思わない。

 

特筆すべき点は軍事描写と、女の子。

装着している装備や使用銃器、戦技やビークルなどは現代風に。

アーマードマッスルスーツやオリハルコンナイフもかなり映像映えする感じに。

各話に登場するヒロインは可愛くリデザインされている。

元が可愛くなかったというわけじゃないが、原作版はさすがに古すぎてときめかない。

このヒロインが可愛くなったというのは割と重要で

表はヤンチャな高校生、裏は組織のトップエージェントという二重生活を送る

中学生の妄想みたいな主人公・御神苗優に対する羨望をさらに増加させる。

特にクラスメートの双子、初穂と香穂は当時は特にピンと来なかったが

今回のアニメはかなり好みのデザインになっていて

映像化されなかった彼女たちのエピソード『仮面伝説』は

もし二期があったらぜひお願いしたいと思うくらい。

『仮面伝説』を経ないと優との関係性がだいぶ変わってしまうのだが

今回の初穂と香穂は学校生活の象徴的存在な感じがあってそれはそれで好きかも。

 

あとルパン三世で言うところの峰不二子ポジション、染井芳乃は

結構大胆な変更がされていて、まるでトリガーのアニメから飛び出してきたような

表情豊かで憎めない感じになっている。

元の染井芳乃が好きな人にとっては微妙かもしれないが

個人的は良かったと思う。

 

他にも3DCGキャラと手描きキャラの融合もかなり頑張っていると思うし

男性キャラのジャンやボー、暁なんかも魅力を損なわないどころか

細かなフォローが入っていて、好感度がより上がった。

ちゃんと原作が好きな人が作ったんだなと感じられるくらいの愛を感じるアニメだ。

二期があるかどうかはまだ分からないが、6話の最後にあのキャラを出したんだから

二期は絶対やってほしい。