四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『Do It Your Self!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』聖地巡礼(前編) 新潟・燕三条

2月18日土曜日。アニメ『Do It Your Self!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』の舞台となった新潟県三条市にある、一ノ木戸商店街で開催中の色紙が貰えるスタンプラリーと、その聖地巡礼を兼ねて一泊の旅行に行くことにした。旅行に行くのは新型コロナ流行の直前、2019年の11月に京都に行って以来である。

 

 

 

アニメに登場する『カネギフルーツ』のフルーツサンドの競争率が激しいらしく、お昼頃に行くともう完売しているという情報を事前に聞きつけ、こちらもそれに対抗するべく上越新幹線の一番早い便で上野から燕三条へと向かった。しかしここで想定外の事態が起こる。自由席の乗車率が150%はあろうかという大混雑。燕三条までの約二時間の間立ち乗りか~と朝イチから若干テンションが下がる。そう、今の時期旅行客は少ないはずという認識だったのだが、スキー客は例外だったのである。210円程度の差なら始発の東京駅から乗り込むべきだったと後悔した。

 

一時間ほどで越後湯沢を過ぎるとようやく乗客が一気にいなくなり、そこからやっと席に座って外の雪景色を見られるようになった。冬の新潟ということで、厳しい寒さと積雪を想定していつもより厚着し、スノーブーツを履いて恐れるものは何もない……はずだった。

 


燕三条に到着し新幹線を降りるとひんやりとした空気が身体を包む。寒いと言えば寒いが、関東の寒い日と同じくらい。ホームから下の階へ行くと金属製のデカいナイフとフォークのモニュメントが駅構内にあり、モノ作りの街・燕三条をアピールしている。その近くにはDIYの看板が。三条市は歓迎ムードだと聞いていたがここまでとは思わなかった。新幹線で下がったテンションが少し戻ってくる。

 

 

このとき8時をちょっと回ったくらい。荷物をコインロッカーに放り込み、燕三条駅からそのまま繋がっている弥彦線に乗って北三条駅へ向かおうとしたのだが、線路を見て察した。単線である。時刻表を見ると次の電車まで一時間。関東の感覚で考えるとさすがに厳しい。待っているのは時間の無駄感が否めなかったのでタクシーを使う。現在日の丸タクシーというところがDIYのラッピングタクシーをやっており、ちょっとは期待したのだが駅前にそういったタクシーは見当たらなかった。たったの三台しかないらしいので当然といえば当然なのだが……。

 

 

北三条駅まで1500円かかった。タクシーの運ちゃんによると三条のあたりは元々雪がそれほど積もる場所ではないらしい。天気のおかげか雪かきでところどころに集められた塊以外の雪はまるで見当たらない。どうもちょっと重装備をしすぎたようだと理解し始める。北三条駅はアニメのすてっぷ⑥で登場した。後で分かったが駅のホームもアニメにそっくりである。写真が残っていないのが残念でならないが、それは撮影資料として用意したアニメのキャプ画像をスマホに入れたつもりが入っていなかったからである。よって記憶を頼りに撮影しなければならなかった。

 

アニメでも描写されていたが、道路がどこも赤茶けている。地面に埋設された消雪パイプのサビが水とともに吹き出し、道路に付着した結果らしいのだが、そのあまりに赤茶一色の道路に最初はちょっとギョッとする。駅からちょっと歩くと、ステージえんがわと図書館などを含む複合施設のまちやま、大きな駐車場のある広いスペースがあるのだが、まだ朝早いこともあって閑散としている。ステージえんがわはアニメでもDIY部が三条スパイス研究所というカレー専門店を目当てに何度か訪れていて、すてっぷ⑦⑧⑩に登場した。状況次第ではここを昼食の場所にするつもりだった。

 


公式の地図を頼りに歩いて一ノ木戸商店街へと向かう。実際に歩いてみると寺社仏閣の多い土地だ。アニメにも出てきた工具絵柄のマンホールも途中幾つもあった。全部がこれというわけではなく何個かに一つがこの絵柄になっている。そうしてお寺や飲み屋街の間を抜け、15分ほど歩くと見たことのある風景が近づいてきた。

 


一ノ木戸商店街のすぐ手前、燕三条トライク前。すてっぷ①②でせるふたちの下校ルートとして登場した。実際に来てみると、せるふたちの下校ルートの描写って毎回バラバラだったんだなと思う。この少し先にある”かどいち”ビルからトライク方向に来る場合と、トライクの前の横断歩道を渡ってせるふとたくみんが分かれる場合と、トライク前の横断歩道を渡ってTreeの前を横切るルートと三種類もある。彼女たちは一体どこへ向かっていたのだろう。まあ女子高生が学校帰りに寄り道していつもと違う道を歩くなんて珍しくないから、ここは色々あったんだと妄想するべきなのだろうな。

 

 

燕三条トライク前から少し移動すると、なんだかDIYアニメの象徴的な風景として扱われている気がする”かどいち”ビルがお出迎えし、商店街に入っていくことになる。朝だからというのもあると思うが、シャッターの降りた店舗が目立つちょっと寂しい商店街だ。現在9時30頃。カネギフルーツもそろそろ開店の時間だ。

 

スタンプラリーの台紙を星野園というお茶屋さんで貰う。こちらが県外から来た人間だというのは一発で分かったらしい。中には大阪とかから来る客もいるそうだ。スタンプラリーのおかげで近年類を見ないほど人が訪れているらしく、聖地巡礼の客への対応も既に慣れたものだった。お土産としてお茶葉を買って店を出る。

 


次はカネギフルーツへ。アニメではすてっぷ⑧で実際にお店が登場して以降、すてっぷ⑩⑪⑫と終盤にかけてDIY部が何度もフルーツサンドを食べているシーンが描かれている。普段フルーツサンドって食事としてのコスパが悪いよね、みたいなことを考えているのだが、そんなもんを見せられたら一回は食べたくなるというものだ。開店したばかりで準備に忙しいところを突撃していく。店員さんも自分のそんな姿を見て、聖地巡礼の客だと察したようだった。アニメ放映後はきっと同じような客が多いんだろう。

 

店内の一角に整然と並べられているフルーツサンド。店員さんも作業をしながらこれは誰が食べたやつ、これはあの子が、と聞いてもいないのにいちいち説明してくれる。大丈夫、こっちも分かってますよ!と言いたくなるのを抑えてウンウンと頷いていた。マンゴー・オレンジ・イチゴにメロン、パイナップルにバナナなんかの定番どころの他に、サツマイモなんていう変わり種のフルーツサンドも(フルーツか?)。どれもこれも生クリームたっぷりで美味しそうだ。アニメにも登場していたシャインマスカット入りのものは数ヶ月入荷していないらしく、置いていなかった。それがあったらアニメに出てきたラインナップを購入して再現したかったのだが、叶わぬ夢となった。

 

結局フルーツサンドはマンゴー、イチゴ、メロンを購入。アニメに出てきたものと同じビニール袋に入れてもらう。本当は袋は何種類かあるそうなのだが、アニメスタッフが取材に来たときフルーツサンドを2~3個買っていき、一番サイズの小さい赤い文字の袋に入れたのでアニメに出てきたのも赤い文字の袋になったということらしい。無事にフルーツサンドを買えたことを喜びつつ、他の店が開くまでの間時間を潰そうと商店街の裏手にある五十嵐川の方へ向かった。(続く)

 

 

 

フィットボクシング連続250日。

 

二日前の話だがフィットボクシング連続250日に到達した。土日に三年ぶりの旅行で新潟に行ったときも、サボらずビジホでちゃんとやっていた。しかし旅行で開放的な気分になったせいかいつもより食欲が増していて、帰って体重を測ったら一年ぶりに79キロ台の数字を見てしまった。幸いにもすぐに戻ったが。

 

最近はちょっとネタ切れ気味というか、気分が乗らないのでブログもあまり更新していない。ミンサガのプレイ日記も溜まっていた分を全部使ってしまった。映画も何本か見ているのだが、感想を書くのも結構エネルギーを使うせいでパッと文章が思い浮かばず、風呂から上がったらすぐに布団に入って横になっているうちに寝てしまう。よくない傾向だと思う。

 

旅行も本来気分転換になるはずが、毎日のルーティーンが崩れてしまう方にストレスを感じてしまったし、元の生活リズムに戻るのに三十代の頃よりさらに時間がかかるようになってしまった。なんとか明日中に気合を入れて、新潟旅行という名のDIY聖地巡礼の記録を書き記しておきたい。

 

 

初めてのロマンシング・サガ ミンストレルソング・リマスターの続き6

 

どうするべきか考えたが、やはり”皇帝の奇病”の攻略を諦めきれなかった。アサシンギルドの本拠地を突き止めたところでイベントを切り上げ、三たびジャングルの奥地にある二つの月の神殿へ向かう。ジャングルの入り口と二つの月の神殿を結ぶ洞窟Aの細い通路には最初は1~2匹しかいなかったモンスターが、ミニオン・ワイルを倒してからは所狭しとひしめき合っていたので、まずはこれを避けて通ることに苦労させられた。進行度を増やさないために不必要な戦闘をしてはならないことを考えると、帰りもこの道を通らなければならないことに今から思いやられた。

 

 

アムトとエリスのシンボルをピラミッド状の建物の屋上で使うと中にテレポートした。内部にもモンスターが何匹がいるが、下に降りる階段が存在しない。もしかして敵を全滅させないと進めないということなのか。しかし何回か敵シンボルと接触するうちに、ボス戦BGMが流れる相手がいることが判明、そいつを倒すことで下に降りるための仕掛けが作動するようになるという仕組みであった。

 

モンスターを倒すことで光り始めた床の模様を踏むと、敷き詰められたブロックが大げさに動いて道を作っていく。それとは別にハズレの部屋もあり、そこにいる守護者と戦って勝つことによってお宝を手に入れられるようなのだが、余計な戦闘をすることができない今は本当にハズレでしかない。涙を飲んでスルーだ。

 

 

ピラミッドだけあって地下へ進むごとに徐々にフロアが広くなっていき、それとともに倒すべき敵も一体だけではなくなっていった。こちらとしてはいつ進行度が増えるかと思うと気が気ではない。毎回祈るような気持ちで敵と戦い、ようやくたどり着いた最下層ではゾディアックという三つ首の大型モンスターが”気のムーンストーン”を守っていた。

 

SFC版のときもムーンストーンを守っている敵はいたのだが、ダンジョンの難易度と反比例して通常攻撃一発で蹴散らせるほどの雑魚であったのだが、ミンサガではやはり大幅に強化されている。HPも高く確かにかなりの強敵には違いなかったのだが、ミニオン・ワイルの強さと比べるとそこまででもない。一撃で100ダメージくらいなら余裕さえ感じるほどだった。無事に倒し気のムーンストーンをゲット。

 

 

いけるのか、いけないのか。皇帝の奇病クリアのため胸を高鳴らせながらメルビルへと向かう。ほら、ムーンストーン持ってきたぞ! 皇帝に会わせてくれ! そして報酬をくれ! 城の門を守る兵士に、神殿の神官に、警備兵詰め所に、話しかけるが誰も反応してくれない! なぜだ!!!

 

それまで皇帝が病に倒れたことを声高に叫んでいた警備兵のセリフが変わっていた。ゴールドマインの鉱山がモンスターに襲われたというのだ。そう、皇帝の仮病は終わっていたのである。つまりこれまでの苦労は水の泡。最初はこの現実を受け入れられず、ふて寝した。しかしこれこそがロマンシング・サガなのだと思い直し、再開した。

 

 

ゴールドマインに向かってみると、鉱山の入り口には兵士たちが打つ手もなくたむろしている。軍隊だから少人数で戦う術を持っていないなどと謎の言い訳をしており、完全に主人公たち頼りである。しかしこのイベントはSFC版とはだいぶ毛色が違っていて、鉱山の要所にいる固定敵を倒し、その奥に閉じ込められた鉱夫を助けていくイベントになっているようだ。とりあえず依頼を受けておく。

 

 

そしてメルビルの下水道では、それまで鍵のかかっていた一室に入ることができるようになっていた。その中は海賊たちのアジトになっており、街を襲う計画を練っている真っ最中。海賊たちを懲らしめてその場にあった宝をせしめ、警備兵に海賊の襲撃計画を伝えた。現在メルビルは海軍が治安維持のために出払っており、守りが手薄になっているのだが、港は海賊の襲撃に備えてバリケードが張られたのでこれで街にまで海賊が入ってくる心配はなくなった。

 

 

すっかり安心して宿屋に泊まると、今度は外部から海賊の襲撃が起こる。そう、本来は中と外の二段構えの襲撃計画だったのだ。モンスターも神殿の中から湧いてきて宮殿を混乱に陥れる。皇帝の奇病が終わると同時に起こる、メルビル襲撃イベントである。SFC版では非常に進行段階が細かく設定されていて、ロマサガ随一の凝ったイベントのひとつであった。これが起こると物語もいよいよ大詰めといった感じだが、このイベントはいくらでも放置できるので、攻略は後回しでも全然構わない。仮病を使っていた皇帝はしばらくモンスターの驚異に晒されていてくれ。

 

 

だが海賊の襲撃はSFC版では発生タイミングが非常に限定的だったイベントであり、あまり見たことがなかったのでやっておこうと思った。襲撃の実行犯である海賊の首領ブッチャーは、主人公の一人である海賊ホークと非常に因縁の深いキャラなのだが、今使っているバーバラとはまるで縁がない相手である。よって大したイベントもなく、とりあえず戦うことができるだけである。

 

ブッチャーは斧の上位技フライ・バイなどを使用し火力の高い相手だったが強くはない。SFC版では戦うだけで決着をつけることはできず消化不良なイベントだったのだが、ミンサガでもやっぱり逃げられた。主人公ホークなら今度こそ決着を着けられるのだろうか。ブッチャーが逃げると周辺をうろついていた海賊たちは命乞いをし襲ってこなくなる。とりあえずメルビル襲撃のイベントはここで止めておく。

 

 

皇帝の奇病が終わってしまったので、これ以降あまり進行度を気にする必要がなくなった。そんなわけでここからはのんびりとゲームを進めていく。まずアイスソードと交換でフレイムタイラントから手に入れた”火神防御輪”をタイニィフェザーの元に持っていく。一回目のスカーブ山では戦闘を避けるために色々と苦労したが、今度はそんな必要もなく敵をなぎ倒していく。何度も崖を登った先の宝箱からローザリアサーベルもゲット。店で買ったら3000金程度の武器なのでなかなかの業物。

 

 

一度登ったこともあって、山頂までの道はあっという間だった。タイニィフェザーとの非常にあっさりとしたやりとりの後、火神防御輪と交換で疾風の靴を入手。SFC版では購入可能な唯一の靴で最終装備になっていることが多かったが、ミンサガでは足装備に困ることはないので有用性は一気に低下している。そしてSFC版では手元に無ければ何度も取れた羽が、どうやら二回は取れなくなっているようだ。

 

そのままの勢いで今度はグレートピットに突入。今度は一回目と違ってちゃんとクライミングのスキルを付けていった。とはいうものの、クライミングを使っても案外ショートカットはできなかった。それもそうだ、付けずにいったら攻略できないというようなことには普通しないはずだから。それでも崖の上に宝箱があったりして、高い買い物で失った金を徐々に取り戻していく。

 

 

そして最下層にてアディリスのお願いでタイニィフェザーから借りてきたことになっている疾風の靴を渡す。その代わりにアディリスが水竜から借りていた雨雲の腕輪を貰い受ける。借りてばかりのアディリスとよく批判されるが、よく考えたら借りるだけなのに火神防御輪を”貰って”こいというタイニィフェザーもなかなかの畜生だと思う。ガラハドがなー! アイスソードをなー! 取られて悲しい顔をしていたんだぞー!!

 

 

そして最後に水竜の神殿へと向かった。トゥマンを追ってきたときと違って、神殿の中にも敵がうろついているので躱しつつ水竜の元へ向かうと、雨雲の腕輪と交換でようやくウハンジの娘が帰ってくる。そう、世界中を駆け巡った成果は要するにそれだけなのである。これじゃ褒美がよほどのものでもないと納得できない。

 

娘が帰ってきたウハンジは再会を喜び合っているが、うーん本当に娘か? パパ活的な感じじゃないのか。クジャラートの首長なのだからその程度の甲斐性はあるんだろうけど、政敵であったトゥマンもいなくなったし結局ウハンジばかりが得をしている気がしなくもない。憎まれっ子世に憚るだ。

 

 

イベントの褒美はいつもの通り武器と防具とお金の中から一つを選ぶ形式だ。セーブとロードで調べた結果、中身は藤娘(弓)と術戦士の鎧(6000金相当)と5000金。藤娘は攻撃力49の弓であり、正直これ以外を選ぶ理由がない。そして褒美とは別に5000金の報酬も貰えるのでかなり美味しい。これだけ貰えればさすがにある程度の納得は得られた。

 

 

お金をたっぷり手に入れたので、そろそろ防具ではなく店売りの最強武器に手を出そうと思いたった。9000金の長剣スキアヴォーナを吟遊詩人に、打槍のハルバードをゲラ=ハに、そして報酬の藤娘はディアナに渡した。

 

ものすごく今更だがこのゲームは武器の種類が無駄に多い。槍なんか打槍と衝槍の二種類あるけど別に分けなくてもいいじゃないかと思ってしまう。杖と棍棒、片手斧と両手斧も別だ。剣にいたっては細剣・小型剣・長剣・大型剣・両手大剣・刀・曲刀と七種類もあって細分化しすぎだしそれぞれ有効なスキルも別なのだ。そのわりに弓は弓というカテゴリーしかなく、アンバランスにも程がある。

 

 

水竜の神殿は二回の探索では開かなかった扉が複数あり、まだ全てを調べ尽くしたとは言えなかった。三度目の訪問でついに扉が開き、神殿内部がくまなく探索できるようになっていたのだが、その代わりに水竜の間の扉は閉じられていた。モンスターのうろつく神殿の中で、水竜の赤玉・緑玉・青玉・黃玉の四つを集めると水竜の間の扉が開くようになる。だがフレイムタイラント再訪問のときと同じように、マラル湖の魚介類が減ったので増やせという生態系調整イベントが起こるだけで、あまり面白そうではないので今のところは保留にする。

 

だが水竜の神殿では水の精霊珠というアイテムが手に入り、トマエ火山で手に入れた火の精霊珠、グレートピットで手に入れた土の精霊珠、そして迷いの森で手に入れた木の精霊珠と合わせて四つめになった。この世に全部で五つあるという精霊珠を妖精の森の玉座に捧げることで何かが起こるという。残りのあと一つはどこにあるのか……というところで今回は終わる。

 

 

『マイスモールランド』鑑賞。

2023年2月6日にトルコ南部を襲った大地震は、トルコとシリアに跨るクルド人の住む土地を多く含んでいた。クルド人とはかつてオスマン・トルコ帝国の領土内に居住区を持つ民族であったが、第一次世界大戦の敗北によって引かれた国境線によって、クルド人の住んでいた地域はトルコ・イラン・イラク・シリアなど複数の国に跨ることになった。”国家を持たない世界最大の民族”と呼ばれながらも、それぞれの国では少数派となったクルド人は迫害を受け国外へ逃れるものも多く、その一部は日本にもやってきた。日本では埼玉県蕨市川口市に約2000人の在日クルド人が住んでいるとされている(Wikipedia調べ)。最近たまたま再上映で観た『マイスモールランド』は、埼玉県川口市に住むクルド人少女の青春と受難を描いた作品である。

 

17歳のクルド人・サーリャは、父親が反政府デモに参加したことで国を追われ、幼い頃から日本で過ごしてきた。クルド人の生活習慣を守る父親と違い、ずっと日本で育ったサーリャは同世代の日本人に近い感覚を持っており、夢である教師をこころざしながらも、日本に溶け込めないクルド人と日本人との間を取り持つ役割を押し付けられることで多忙を極めていた。大学進学のため家族に内緒で始めたコンビニのアルバイトで、東京の高校に通う聡太と出会い親交を交わすサーリャ。しかし難民申請が不認定になったという報せを受け、不法滞在として扱われると無許可で埼玉県外に出られなくなり、父親は就労もできなくなってしまう。

 

はっきりいって、かなり出来がいい。2022年の作品だが2022年に観ていたら多分ベスト10には入れたかも。青春映画のままならなさとは、本来親であったり学校であったりするわけだが、この『マイスモールランド』ではさらに民族や宗教といったものにまでサーリャは雁字搦めになっていて、ヤングケアラーさながらの忙しさのなかでもがく姿が描かれる。父親に決められたクルド人男性の許嫁が存在しながらも、聡太という心許せる同年代の異性にどうしようもなく惹かれていったり、埼玉と東京という境界線が近くて遠い二人の関係のメタファーとして作用したり、社会派映画でありながら青春映画としての情感もたっぷりあるのだ。

 

在留資格カードに穴を開けられて無効にされる場面などは身を引き裂かれるような苦しみをひしひしと感じられたし、父親が入管に収監されてからのサーリャとその家族が置かれた状況には同情せざるをえない。日本は難民認定が非常に渋い国であるというのは耳にしたことがあるが、この作品と同じような状況に置かれた人に対しては、よく審査したうえで柔軟な対応をしてもらいたいと願うばかりである。在日クルド人に関してはトルコ政府と日本政府との国家間の関係もあり、一筋縄ではいかないようなのだが。

 

現実問題としてこの難民認定、結構悪用されてもいる。不法滞在の外国人が不法滞在以外の罪を犯し実刑判決を受けても、難民申請をすればその間は本国に送還されないという入管法のバグがある。そして実刑判決を受けた外国人の半数近くが難民申請をして送還を免れているという事実。日本国内にもそれを支援する者がいるのだ。法改正が必要だと思うが、わかっててやってる支援者もたいがい悪質だと思うし、日本の難民認定が渋い理由にはこいつらのせいもあるんじゃないかと思わなくもない。ちょっと映画の感想からは脱線してしまったが、ちょっと入管が悪者にされすぎてるので個人的には肩入れしたい気持ちになった。

旅行に行く前の準備が面倒すぎて旅行が億劫になる。

来週末に新潟に行くことに決めた。目的はもちろんDIYのスタンプラリーの参加を兼ねた聖地巡礼である。今週はアニメを見返しながら、訪れる場所の確認を行っていた。なんだか想像していたよりもかなり人気があるらしく、最初に用意していた景品の色紙が終わってしまい今刷っているところだとか。しかし現地でやることはそれほど多くないので、せっかくだから一泊してゆっくり観光してこようと思い、休日を使って色々と準備をしていた。

 

 

小旅行用のスーツケースを新調し、二十年以上前に北海道へ行った以来の雪国ということもあって靴屋でセール品のスノーブーツも買った。思えばこの段階が一番楽しかったかもしれない。そして宿泊先のホテル探しやら新幹線やらの手続きをやっていたのだが……。三年ぶりの旅行ということもあり、様々な変化に頭が追いついていないことを実感せざるをえなかった。

 

まず宿泊費と相談しながらホテルを決めて予約。予約するにも業者のサイトに登録が必要だし、今はGoToトラベルの割引適用かどうかも確認しなければならない。ここで分かったが新潟でも現在旅割クーポンを展開しており、それがどういったものか調べなければならなかった。このクーポンの説明がまず長くてよく分からない。

 

次に新幹線。この時期にまともに雪を知らぬ関東人が、車で行こうなどと自惚れるつもりはない。この三年間の間にえきねっとの登録が切れてしまったので再登録し、乗車時間を検索。今は記名登録のあるSUICAなら、えきねっとと紐つけておけばこれで新幹線に乗れるらしい(北海道・東北・北陸・上越・山形・秋田のみ?)。へぇ、便利だな。いつも往復乗車券がどれがどれだか分からなくなるから、これは助かる。

 

そのためにICカードを登録するわけだが、今はJR東日本のポイントサービスであるJREというものがあって、こちらにも登録しなければ損であることが分かり、別途で新規会員登録する必要があった。そして先程のえきねっとのアカウントと紐付け、ようやく新幹線の申込みの準備が整った。はぁ、なんだか疲れてきたぞ。このeチケットサービスは自由席でも乗車時間の入力を求められるけど大丈夫なのか。え、切符の自由席と扱いは一緒なの? ややこしいな!

 

約款と説明を読みすぎて、一日に脳にインプットできる限界を越えてしまったようだ。これは何日かに分けてやらなきゃいけないやつだった。それにしてもたった一泊の旅行でやらねばならない手続きの多さよ。だが今回一通りやったおかげで次回から多少楽はできるだろう。本当はあまり損得を考えずに、思い立ったときにふらっと出かけるのが好きなんだけど。

初めてのロマンシング・サガ ミンストレルソング・リマスターの続き5

 

伝説の武器アイスソードを求めて、ニューロードの街道沿いにある街アルツールへとやってきた。このなんでもない街になぜ伝説の武器が売っているのかはSFC版の頃からの謎だが、売っているのだからしょうがない。SFC版の頃は外に人っ子一人いない寂しい街だったのだが、ミンサガではローザリアを貫く街道の街だけあってそれなりに賑わっている。

 

しかしここで最大の誤算が起こってしまう。なんとまだアイスソードが売っているではないか。SFC版ではフレイムタイラントからアイスソードを持ってくる依頼を受けるとフラグが立ち、アルツールで売っていたアイスソードは仲間キャラの一人であるガラハドに買われて売り切れになるはずだったのだが……これは一体どういうことだ? もしかして何か見落としているのか?

 

そう思ってガラハドが普段いるクリスタルシティのミルザ神殿に行ってみるものの、アイスソードの話など一言もない。やばい……なまじSFC版の記憶が残っているせいでどうすればいいのかまるで分からない。まさかとは思うが、自分で20000金を用意しなければいけないということなのか!? 昔は30000金で売っていたアイスソードが10000も値下げしたのはそういうわけがあったのか……。

 

 

あいにくフィールドアーマー(12600金)を買って間もないこともあって、所持金がほとんどない。こんなことになるなら買わなきゃよかったよ……。泣き言を言っても始まらない。進行度を上げないために、できるだけ戦闘しない金策を探さなければ。

 

まず、タイニィフェザーの羽を売る。四天王巡りの際に手に入れたものだが、これは5000金で売れる優秀な金策のひとつだ。そして悩んだ末に思いついたのが、恐竜の卵。リガウ島の草原に無数にある穴のひとつに恐竜の巣があり、その奥にある卵を取ってきて売れば5000金になるはずである。恐竜は強力な敵でありながら動きは非常に緩慢なため、うまく行けば戦闘を避けることはそれほど難しくないはずである。残りの約10000金はどうしよう。今は思いつかないが、とりあえず動くしか無い。

 

 

再びリガウ島に舞い戻り、ジェルトンの街で恐竜の穴は浅い穴であるという情報を入手。草原に入って一番手前の穴に入る。洞窟の中に恐竜がうろついているものの、恐竜は視覚に頼っているおかげでステルスのスキルを使うことで戦闘は楽に回避できる。そして一本道の最奥にある卵を入手。こんなに簡単に5000金手に入るならもっと早くやっておけばよかった。

 

タイニィフェザーの羽と恐竜の卵を売って10000金はできた。さて残りはどうするかと思ったところで思いついたのが、クリスタルレイクから”水のアクアマリン”を取ってくることだった。SFC版のときは水のアクアマリンは火を完全に無効化する装備であり、ナイトハルトに渡してもその価値に到底見合わないショボい報酬しか手に入らなかったのだが、ミンサガでは結構いいものが貰えるらしい。これはやってみる価値があるかもしれない。

 

 

クリスタルレイクはクリスタルシティのすぐ近くにあり、水のアクアマリンが安置されているということもあって厳重な警備が敷かれている。だがナイトハルトの依頼はこっそり取ってこいというものであり、警備を掻い潜っていかなければならなかった。湖の底には四つの洞窟の入り口があり、そのいずれかにアクアマリンがあるはずなのだが……。

 

その洞窟の一つには、入り口に敵がうじゃうじゃ固まっている嫌がらせみたいな場所もあり、やり直しを余儀なくされることもあった。何度も試しているうちにアクアマリンの洞窟Dが当たりだということが分かったのだが、狭い通路に敵が多く避けて通るのは至難の業のように思えた。しかし何度か出入りを繰り返していると、何かの拍子に敵が恐ろしく少ないタイミングがあり楽に進むことができた。

 

閉ざされた扉を開けることはできなかったので、ガスが吹き出る仕掛けをくぐり抜けて奥を目指すとワープゾーンがあり、そこから先程の閉ざされた扉の前に飛ばされる。すると閉ざされた扉が次々と開いて行き、奥にあった水のアクアマリンの輝きが見えるようになった。喜び勇んでアクアマリンの元に駆け寄ると扉が閉まり、扉の間の空間に閉じ込められる。まるでコントだな! と思っているところにホラー映画のような巨大モンスター、ゴーストシップが出現。SFC版のときはクソ雑魚モンスターがアクアマリンを守っていたのだが、ムーンストーンの前例もありミンサガはそう簡単にはいかないようだ。

 

 

一回目はあっさり全滅した。初手なぎ払いでPTが半壊し、どうにか態勢を立て直してもその後のメイルシュトロームにより確定で全滅してしまう。この挑戦はもしかして無謀だったのか? とりあえず戦術を見直す。なぎ払いは前列全員への攻撃のようなので、城塞騎士のゲラ=ハ以外を中列に下げる。あとは気合で連携してくれることを祈る。何回か挑戦すればいけるかもしれない。

 

何回かやっているうちに、衝突剣のスタン効果がかなり入りやすいことに気付く。見た目のわりに状態異常が入りやすい系の敵だったらしい。即死攻撃とかも入るのかもしれないが、残念ながら誰も持っていない。何度か挑戦するうちにうまい具合に連携が繋がり、ゴーストシップ撃破。大きさのわりにはHPは5000くらいしかなかったように思う。意外と脆くて助かった。そして水のアクアマリンを入手。

 

 

ナイトハルトにアクアマリンを渡す。褒美は武器・防具・金の三択だが今は金一択である。8000金入手。武器と防具を選んだら何が貰えるのか、見たら未練が生まれるので確認はしなかった。しかしここで思わぬ副産物が得られた。アクアマリンを渡した後はナイトハルトを仲間にできるようになるのだが、こいつ初期装備が凄いぞ!

 

固定装備もあるものの、スマートヘルム・レッグメイル・ドミナントクラブという店売り最強防具の数々、ローザリアサーベルというそこそこ強い剣、ジュエルリングという高価なアクセサリーを持っているじゃないか。全身合わせて軽く10000金以上の価値がある。これはおいしい! さすがローザリアの皇太子殿下!

 

 

装備を全てひっぺがしてナイトハルトを外し、これでようやく20000以上の金が用意できた! アルツールへ行くと、今度はちゃんとアイスソードが売り切れている。思った通りだ。情報通り街の外れの方にアイスソードを手に入れてホクホク顔のガラハドを発見し、接触する。事情を話すと、フレイムタイラントアイスソードを渡すべき相手かどうか自分の目で判断したいといい仲間に入る。

 

あれ? ミンサガではアイスソードを奪うかどうか選択肢出ないのか。SFC版のときは『そう、関係ないね』『殺してでも奪い取る』『譲ってくれ頼む』という三つの選択肢が出て、その結果アルツールではさまざまな悲劇が生まれた。ああ、そうか、一回でもガラハドを仲間に入れたことがあって面識があると殺すことができないんだ! なんということだ……。主人公グレイで始めると、最初からガラハドが仲間にいるおかげでアイスソードを奪う選択肢が出なかったりしたのだが、何回も仲間に入れたり外したりできるようになったおかげで、こういうことも起こりやすくなってしまったのか。

 

 

こうなったらさっさとアイスソードフレイムタイラントに渡してしまおう。ガラハドを連れ立ってリガウ島のトマエ火山に向かい、一度も戦闘することなくフレイムタイラントのところへ。結局アイスソードフレイムタイラントの手に渡ることになり、アイスソードを手放すときのガラハドの悲しそうな顔が印象に残った。

 

ガラハドSFC版のときはフサフサヘアーのカッコいい戦士だったのに、ミンサガでデザインを変えられてしまってガラハゲとか呼ばれるようになってしまった。だがこのイベントのことを考えた結果のデザイン変更であるなら、インパクトはより大きいものになったような気がする。悲しい。

 

 

ガラハドと別れ、手元には使わずじまいの20000金が残った。貯めるのに苦労したが、ありがたいことにこの金は自由に使っていいのだ。フィールドアーマーを二つ買い、ナイトハルトから奪った高級防具と合わせてかなり盤石な態勢が整った。この後もう一度フレイムタイラントのところに行ったら、植物系モンスターの数を増やしてほしいとかいう新しいイベントの依頼をされたが、今はあまり戦闘したくないので放置する。

 

そしてちょっぴり成長していたこともあり、もう一度二つの月の神殿のボス、ミニオン・ワイルに挑戦してみることにした。HPと防御力の上昇によって、今度は一撃では倒れない! そうなれば向こうは単体攻撃しかしてこないこともあって、以前の苦戦が嘘のように戦いが有利に運ぶ。

 

うおおお! やった! 倒した! 間に合った! 皇帝の奇病終了前になんとかミニオンを倒すことができた。しかしこのとき既に進行度は14、SFC版のときは二つの月の神殿の中には敵でごった返していて、戦っているうちにイベントが終わってしまうことがよくあった。このままではミンサガでもそうなる可能性は高い……。そう考えて一旦戻ることにした。

 

 

クジャラートではアサシンギルド復活のイベントが新たに起こっていた。主人公の一人であるジャミルの恋人、ファラに話しかけると洗脳された母親が襲いかかってくるが戦闘に入るまでもなく当身によって気絶。話の流れでファラを仲間にできるようになった。はっきり言って一般人なのでかなり弱い。

 

宿屋で一泊するとアサシンギルドの刺客に襲われる。この戦闘で初めて五連携を出してしまった。SFC版ではこの刺客の正体はジャミルの相棒であるダウドであった。ミンサガでもそうなのかと思ったが、戦闘終了後に奴隷商人の家に住んでいるダウドを訪ねてみると普通に生きている。なるほど、ダウド洗脳はジャミル専用イベントということになったのか……。

 

酒場で仕事の依頼を受け盗賊ギルドまで連行された。盗賊ギルドはかつてクジャラートを恐怖で震え上がらせたアサシンギルドに抵抗しているのだが、戦力が足りないので最近冒険者として名声を轟かせているバーバラに用心棒として協力してほしいという。ここにあるものは自由に使っていいと言われつつ、宝箱をチラつかされたら受けないわけにはいかないのであった……というところで今回は終わる。

 

 

ワールドツアー上映『鬼滅の刃 上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』を観てきた。

先行上映というのは本来オタク向けのイベントだったような気がするのだが、それを大々的にやることが許されるのはさすが鬼滅といったところ。去年放送された『遊郭編』の10話・11話と、新作である『刀鍛冶の里編』の1話を抱き合わせて上映するというのが今回の催しである。一応原作も全部履修済みで先の展開も全て知っており、まあ既に一度観たものとこれからTVで放映するものだから別に観に行かなくてもいいかなあと思っていたのだが、そういえば刀鍛冶の里編の序盤には恋柱の入浴シーンがあったことを思い出した。それを大きなスクリーンで見る機会は今後訪れないだろう。よし、行くか。心変わりは一瞬だった。

 

観たのはレイトショーだったというのに、親子連れに老若男女問わない客層には驚かされる。さすが鬼滅。120分という上映時間の構成は、冒頭に炭治郎立志編から遊郭編までのダイジェストがOPテーマと共に流れる。そんなに熱心なファンというわけではないので、適度に忘れている身としてはありがたい。その後に遊郭編10話が24分、11話が45分、刀鍛冶の里編1話が45分と、特に編集が加えられることもなく放送フォーマットそのままに流れる。

 

放送版でもこれ劇場で流す用に作ってるんじゃないのか?と思うくらい高画質のアニメだったと思ったのだが、そこからさらに4Kアップコンバートされた映像は家の小さなモニターで見ているものとはだいぶ印象が異なった。遊郭編の終盤、破壊された遊郭街で燃える炎のゆらめきは思わず目を奪われるほど美しかったし、音柱と妓夫太郎の戦いは家で見ただけで済ませるのは勿体ないほどの激しいバトル。炭治郎の指が折られた音にビックリしてしまうのも、映画館の音響の為せる技だろう。映像作品のポテンシャルとしては、明らかにテレビでは間に合っていないほどの情報量に、改めて気付かされる。

 

TVで見たときはくどいと思っていた演出も、映画館のスクリーンで見る分には釣り合いが取れていると思えた。妓夫太郎の回想も、尺をじっくりと取っていて悪くない。この後にある上弦集結のシーンも明らかに演出過多(セリフ言うたびにいちいち音が煩いしカメラワークも不必要にグルグルしてる)だと思うのだが、映画館でならなんとか見られる感じ。家で見たらわりとキツイかもしれない。ただその過剰演出のせいで善逸がいつまでも霹靂一閃・神速で堕姫の首を斬ろうとしてるのは改めて見るとちょっと気になるくらい滑稽な絵面だったし、そこに普通に伊之助が現れるの面白すぎるだろ。思わず笑ってしまった。

 

そして刀鍛冶の里編が始まり、撃破された妓夫太郎以外の上弦の五人が無惨の本拠地である異空間の無限城に集合する。この無限城がちょっとやりすぎなくらいにデカい。おまけに上弦の弐・童磨にひたすらイジられ続ける猗窩座など、見どころはたっぷりある。上弦の四・玉壺のデザインや、上弦の壱こと黒死牟の顔は大画面で見るとかなりキモい。さすがに目が6つはな……。

 

その後炭治郎の視点に戻り、初めてまともに喋ったカナヲとの再会、そして機能回復訓練の日々が描かれるのだが、この辺のギャグのノリはやっぱりこの作品が子供向けであることを、劇場のキッズの反応で分からせてくれる。鬼滅が受けた理由の一つは、やはり誰でも分かるように作ったからだろう。なんでもセリフで説明してしまうため、時として恐ろしくくどい描写になってしまうのだが(特に炭治郎が初めてヒノカミを使うところとかが顕著)、この作品はあくまで少年ジャンプで連載されていた少年漫画なので、対象年齢を思えば仕方のないことである。こちらは流行りに乗っかっているだけのおじさんに過ぎないのだ。

 

そしてようやくお待ちかねの刀鍛冶の里へ。恋柱の入浴シーン、キッズたちはこれを見てどう思うのだろうかと心配になってしまったが、TV放映の際にはたぶん湯気とかで修正されそうな程度には高い露出度であった。そういえばカナヲのキュロットスカートが原作からめちゃくちゃ短くされていたし、鬼殺隊の裏方である隠(かくし)の女性もやたらと胸が強調されてるし、昨今の風潮に真っ向から逆らっていってるかのような意思を感じた。さすが鬼滅。まあ自分はそういうの好きだからもっとやっていいぞという感じだが、風呂のシーンが終わったあとの恋柱が禰豆子に構うシーンも好きだから、そっち方面での頑張りにも期待したい。

 

結論として今回の上映会は無理して見るほどのものでもないが、入場特典でちょっとしたパンフみたいな冊子ももらえるし、作品としての価値の再発見ができたり、案外悪くない上映だったと思えた。