四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

今期のアニメになるべく目を通す・2(2023年春)

 

詳しいルール等は前の記事で。

 

 

Re:STARS

男子大学生であるチン・ザーは、トップアイドルである姉チン・ヤーの替え玉として女装してステージに立っていたが、その終了後にスポンサーを怒らせてしまい、次々に仕事がキャンセルされてしまう窮地に立たされる。その事態をむしろ好意的に受け取っている姉は面白半分でチン・ザーを焚き付け、名誉挽回のためにジュエリーブランドCMの水着オーディションに参加することになってしまうのだった。

 

中国産アニメで、まさか吹き替えが無く字幕のみとは思わなかった。その時点でまずハードルがだいぶ上がってしまう。主人公が女装してアイドルのフリをするのもそうだが、ルームメイトが意味もなく日常的に女装していたりして中々フリーダムな世界観のようである。とはいえ作画的にも演出的にも飛び抜けた何かは感じられず、視聴の継続は断念した。

ちびゴジラの逆襲

怪獣王ゴジラを父に持つちびゴジラは、あるとき怪獣島に流れ着いたちびメカゴジラと名乗るメカ怪獣と出会う。だが独特の雰囲気を持つちびゴジラに、ちびメカゴジラは振り回されてしまうのであった。

 

ちょっと予想外のものが出てきた。緩くデザインされた怪獣たちが織りなす、ゴジラを題材にしたアッパー系漫才アニメ。鬼滅の猪之助などで知られる声優・松岡禎丞の勢いのあるツッコミが冴える。放送時間帯からして多分幼児向けアニメだと思うのだが、一話3分と短いこともあってこの後も続けて見てもいいかなという気にさせられた。

勇者が死んだ!

勇者シオンが地獄の門を封印してから三年。ふたたび扉は開かれ、世界に悪魔が出没し始めた。辺境の村に住む農夫のトウカは幼なじみのユナに相手にされない日々を送っていた。しかし村に悪魔が出現。襲われそうなユナを助けるためになんとか罠に嵌めようと試みるトウカだったが、そこに現れた勇者があっさりと悪魔を片付けてしまう。しかし隙だらけだった勇者はトウカの作った罠にはまり死んでしまった。しかしあくる日、トウカはネクロマンサーの手によって、埋葬したはずの勇者の身体に乗り移ってしまう。

 

勇者に相応しくないスケベな男が、勇者の代わりに世界を救わなければならなくなるというファンタジーコメディ。いきなり幼なじみを脱がせたりお色気要素というか下ネタ強めの作風っぽいが、それならそれでもうちょっと作画を頑張ってほしい。ピクリとも来ない。基本的にギャグで進むので肩肘張らずに見られるのは良いと思うが、アニメが多すぎる現状では切る候補である。

マッシュル -MASHLE-

魔法界という、魔法があたりまえのように存在する世界。森の中に身体を鍛えて生活するマッシュという少年が住んでいた。凄まじいパワーの代わりに魔法を使うことができないマッシュは養父に街へ出かけないように言われていたが、養父が家を留守にしているときに街へ行ってしまう。魔法が使えない人間は差別対象のため警察に目を付けられ、家にまで押しかけられる。だが義父を傷つけられたことでマッシュは激昂、警察を返り討ちにする。だがこのままではずっと警察に付け狙われることを危惧したマッシュは警察との取引に応じ、魔法学校で神覚者を目指すことになった。

 

これはつまり、ワンパンマンハリーポッターか……? 皆が魔法に頼り切りの世界で、力こそパワー!の論理で無双するタイプのお話。あまりにも強すぎるせいか、マッシュが人の話を聞かなすぎるというか融通が利かないというか、善人ではあるものの性格にちょっと難があるところまでワンパンマンそっくりだ。少年ジャンプ連載作品なので対象年齢は低めなのかギャグ要素多めで見やすくはあるが、どっかで見たことある感が強すぎる。一話でおしまい。

こうしす!Enterprise Edition

中堅私鉄、京姫鉄道株式会社。祝園アカネは本社の広報部システム科に配属された新入社員。しかしそこはWindowsXPのサポート期限から一年以上経ってもOSのアップグレードがされないままの部署であった。ふとしたことからシステムがウィルスに感染し、システム科はその解決に奔走することになる……。

 

今期アニメの中に含めていいのか迷ったが、dアニメが春アニメリストの中に入れているので見てしまった。情報セキュリティ啓発アニメと銘打っているが、見た目はアマチュア作品っぽく、昨今の商業アニメと比べたら見劣りするのは仕方がない。だが妙に濃ゆい突っ込んだネタを扱っておりどこかキワモノめいた魅力を感じてしまう。時間が余ってたら見てしまうかもしれない。すべてを二次創作のフリー素材として利用できるオープンソース作品を名乗っていたり、何もかもが奇妙に感じる。世界って広いなあ。

江戸前エルフ

東京都中央区月島、高耳神社の御神体異世界から召喚されたエルダと呼ばれるエルフであった。エルダは600年以上生きており、氏子の皆から愛されているが生活は引きこもりのオタクそのもの。高耳神社の巫女になったばかりの小金井小糸は、そんなエルダの引きこもりっぷりに若干の不満を抱えていた。エルダと揉めて思わず神社を飛び出す小糸だったが、久しぶりに外出したエルダが迎えにきて事なきを得るのだった。

 

すごく面白い! とまではいかないがダラダラ見られる日常系アニメ。600年生きている不老不死のエルフということもあり、人間との寿命差によってちょっぴり切ない将来を予想させるような小糸との関係もなんだか味わい深い。その長寿の設定が江戸時代のオタク趣味はこんなのだった、昔の有名人と知り合いだった、みたいな超ジェネレーションギャップネタにも昇華されているので美味しい設定だと思う。東京・下町が舞台ということで背景美術も凝っており、そういう点でも見どころがある。視聴継続するかも。

彼女が公爵邸に行った理由

ビルの屋上から何者かに突き落とされた花咲凛子は、彼女が読んでいた小説の中の人物であるレリアナ・マクミランとして転生した。だが貴族の娘であるレリアナは、婚約者のブルックスによって毒殺されることが小説のストーリーから既に分かっていた。レリアナはその運命から逃れるためにブルックスとの婚約破棄を試みるがうまくいかない。そこで彼女は小説の記憶を武器に、宮廷の舞踏会で王位継承第一位である国王の弟、ノアボルステア・ウィンナイトに取引を持ちかけるのだった。

 

またなろうか?とおもったら原作は韓国の小説らしい。いわゆる悪役令嬢ものに属する作品だと思うのだが、これは逆パターンで元は人畜無害な貴族令嬢だったのが、転生によって権謀術数を巡らす悪役令嬢みたいに自分からなっていくような話なのかなというのが最初の印象だった。こっちのジャンルはまったく明るくないのでそれなりに新鮮さは感じてしまうのだが、女性キャラは主人公含めてごく僅かで、後はイケメンキャラばっかりっぽいので正直趣味ではない。一話切り。

事情を知らない転校生がグイグイ来る

西村茜は小学五年生の女の子。引っ込み思案の性格で、クラスのみんなから死神と呼ばれてからかわれている。だが転校生の高田太陽は死神と呼ばれていることをむしろカッコいいと思っていて、距離を置くどころかむしろ積極的に話しかけてくる。そのあまりにストレートな感情表現に、西村茜は毎回ドキドキさせられてしまうのだった。

 

陰キャの女の子が照れているところを見てニヤニヤするのが正しい視聴スタイルなのだと思う。片目隠れで四白眼という個性的なキャラクターデザインながら、実際西村さんはかわいい。だが彼女を愛でるために用意されたシチュエーションがイジメそのものなので、ちょっとかわいそうというか、人間の業(カルマ)を感じてしまうのである。あらゆることをポジティブに変換する高田くんか心強いというか、無敵すぎる存在で早くも彼女を幸せにしてやってくれと願わずにはいられない。一応視聴継続の予定。