四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

今期のアニメになるべく目を通す・1(2023年春)

 

前期の結論で「この企画はもう二度とやらない」と捨て台詞を吐いたのだが、それを翻すことにした。それはこの企画をやったからこそ出会えた作品があったからである。それくらい『もういっぽん!』は自分にとって掘り出し物であった。

 

今ではアニメを繰り返し再生しつつ、原作漫画にも手を出し、もうブログなんて更新してる場合じゃねえ! どっぷり浸かりてえ! 状態になっていたのだが、現在23巻まで刊行されている漫画を三回通しで読んだところでようやく収まりつつある。

 

ハマれる作品とは、決して話題作だけではないはずだ。それは砂の中に埋もれたダイヤモンドを探すように、(なるべく)自分の目で確かめてこそ得られるものに違いない。今期の新作アニメは70本以上、やるからには当たって砕けろだ。ルールは以下の通り。

 

・2023年4月に始まった作品が対象。

・並び順は見た順番。

・シリーズもの(続編・二期)はここでは触れない。

dアニメストアAmazon prime video・Netflixで配信されているものに限る。

・1話の内容を容赦なくネタバレする。

 

 

 

僕の心のヤバイやつ

市川京太郎は何かあると頭の中でクラスメートを殺害するような妄想に耽っている中二病真っ盛りの中学生。その中でも特に目を付けているのがクラスメートの山田杏奈だった。読者モデルをしているほどの美少女で高身長、女子グループの中心にいるような存在は市川とはまるで住む世界が違う……かのように思われたが、昼休みに誰もいないはずの図書室で、彼女の度重なる奇行を目撃したことで市川は別の意味で彼女のことが気になるようになってしまうのだった。

 

女の子の死体姿を妄想してオカズにしているような、市川の中二病めいたヤバさとは別の意味で、ヒロインはヒロインで奔放すぎてヤバいという漫画原作のラブコメ(多分)。『高木さん』の監督だけあって予定調和的な安定感のある作風なのだが、山田杏奈の脇が甘く、チャラい先輩に言い寄られてちょっと懐に入られかけるという危うさもあって、見ている方もちょっぴりやきもきさせられる。主人公が男子中学生だけあって、わりと性欲むき出しの猿のような感じは懐かしく思いつつ、ちょっと苦笑い。フェチ描写に結構力が入っていて、なまじ脱ぐよりエッチだと感じるのは自分が歳をとったからなのか。視聴継続の意欲は高め。

山田くんとLv999の恋をする

女子大生・木之下茜は、彼氏がオンラインゲームでてきた彼女に浮気したことで別れを告げられてしまう。元彼と同じネトゲをプレイしていた茜は、ストレス発散とばかりに同じギルドに所属していたアフロヘアーの冴えないアバターを使っている山田に愚痴をこぼすが、まるで興味を持たれない。茜は元彼を見返そうと自分を磨いてネトゲのオフラインイベントに参加するが、そこで出会った山田と同じ口癖の美男子・プロゲーマー山田と運命の出会いをしてしまう。

 

NANA』『ちはやふる』『俺物語!』のようなマッドハウスの少女漫画原作アニメの流れを汲んでいると思われる女性向け作品なのだが、結局のところ対象が男女逆転しているだけで求められているものは男でも女でもそんなに変わんないよねって感じがしてくる作品。最近は配信者が人気だから、お相手はプロゲーマー。時代を感じるなぁ。女性目線だとこの主人公でいいのかもしれないが、男性目線ではこの主人公はちょっとお断りしたい。一話切り。

マイホームヒーロー

鳥栖哲雄はネットに推理小説を投稿することを趣味としている平凡なサラリーマン。だが久しぶりに会った娘に異変を感じ、住んでいるマンションを訪れると娘の彼氏・延人と思われる男が娘に暴力を振るっていることを知ってしまう。その後延人を尾行するものの、実は半グレの一味であり暴行され身ぐるみを剥がされてしまう。翌日娘のマンションに忍び込み証拠を探す哲雄だが、突然延人がやってきてクローゼットの中に隠れることになる。そこで延人の本当の目的を盗み聞きした哲雄は殺害することを決意。不意をついて殺害したが、そこに妻が訪ねてくる。

 

一度殺人に手を染めたが最後、近づいてくる半グレを次々に殺していくクライムサスペンス……のような物語を期待させるリアルかつダークな作品。やむを得ない事情ではあるものの、いきなり殺人をする父親より、それをすんなり容認する母親のほうがなんかおかしい気がするのだが、これはわざとなのか気のせいなのか今のところよく分からない。もう一話くらいは見てから判断したい。

アリス・ギア・アイギス EXPANTION

時は未来。地球外生命体・ヴァイスの驚異によって人類は地球を脱出、地球環境を模した宇宙船・シャードに乗って宇宙を放浪することとなった。その脱出行の最中、人類はアリスギアと呼ばれる強化外骨格を開発、それを用いて戦う女性をアクトレスと呼んだ。アキ作戦という一大作戦が終了し平和の訪れた東京シャード。そこにあるアクトレスの所属する民間企業・成子坂製作所に、アクトレスになることを夢見て扉を叩く一人の少女の姿があった。

 

うおっ、いきなり説明が何もないとは思わなかった。仕方がないので公式で調べたが、女性だけが使える強化外骨格を身に纏って戦う系で、キャラデザが島田フミカネということはつまり……ストライクウィッチーズだな? まあ当たらずとも遠からずだ。キャラを説明もなくバンバン出していくソシャゲアニメによくあるスタイルで、世界観の説明が無いこともあって原作を知らないと置いてけぼり感が物凄かった。おそらく完全にファン向けだが、おかげでそういうのは切りやすい。レギュラーキャラの眼鏡のお姉さんは惜しいなあ……。

地獄楽

抜け忍”がらんの画眉丸”は捕らえられ、様々な処刑を受けるがその超人的な肉体によって死ぬことができなかった。そこにやってきたのは打首を執行する”山田浅ェ門佐切”という女性。平気な顔で処刑を受けていた画眉丸だったが、彼女の太刀筋で死ぬことを察したことで攻撃を躱してしまう。愛する妻を残して死ぬことはできないと抵抗する画眉丸。しかし佐切が持ちかけたのは、極楽浄土の言い伝えのある島から不老不死の薬を持ち帰ることで無罪放免になる、というものであった。

 

二話まで見たが、得体の知れない島で、花のような存在に変えられてしまうという、どうやら『HUNTER×HUNTER』の暗黒大陸編を先取りしたような話だな……? 画眉丸と同じような死罪人に、佐切のような監視が一名付き不老不死の薬を探させるというバディもののような感じでもある。でも死んでもいい人材として死罪人を使うのに、監視で打首執行人を同行させるなら、最初から打首執行人だけ行かせればよくない? というツッコミはしてはいけないのだろうか。ただバトル・アクションとしては今期ではトップクラス。二話でもまだ島についてないのでまだ概要がはっきりとしない。もう一話見てから判断する。

絆のアリル

キズナアイが”バーチャルグリッドアワード”と呼ばれるバーチャルアーティストの頂点に五年連続で輝き、その後姿を消してからしばらくの月日が経った。キズナアイに憧れバーチャルアーティストを育成する学園に通うミラクは、クラスでパフォーマンスを行うことになった。反応は上々だったが、それをたまたま見ていたノエルという有名なバーチャルアーティストにコラボを申し込むものの断られてしまう。落ち込んだミラクはバーチャル空間に開いた謎の穴から、謎の生物のいる場所に迷い込んでしまうのだった。

 

キズナアイ……今? 失礼だがどうしてもそういう反応になってしまう。Vtuberに興味がない自分にとっては、既に名前を聞かなくなって久しい。確かにVの先駆けとしては偉大な存在なんだろうけど、アニメの中でだけ伝説化してしまうとは諸行無常である。内容としてはVtuberが当たり前になった世界で、少女がVtuberを目指すという今風の女児向けアニメのような感じなので、自分は対象外。

逃走中 グレートミッション

人類が月に移住した未来、高度に階層社会化していた月のコロニーではクロノス社によって提供されるエンターテイメント、ハンターから逃げ切れれば莫大な富と名誉が与えられる『逃走中』が人気を博していた。コロニーの下層に住み運び屋を営む少年・トムラ颯也もまた『逃走中』への参加を夢見ていたが、下層の人間には参加する資格さえない。しかし警備厳重な『逃走中』参加者のゲートを突破すれば参加が認められるという話を聞き、持ち前の身体能力で突破。謎の女性に参加を認められることになった。そうして颯也が送られたのは在りし日の渋谷。こうしてハンターとの逃走劇が始まった。

 

あまり見たことはないけれど、元がTV番組だということは知っている。格差社会で、病気の身内のために一攫千金を夢見て危険なTV番組に参加するというと、なんだかアーノルド・シュワルツェネッガーの『バトルランナー』を思い出す設定だ。放送時間帯(日曜朝9時)を考えると完全に子供向けであり、キャラクターデザインも遊戯王とかコロコロみたいな感じ。デスゲーム的な要素にパルクールを足した、意外と侮れないアニメだと思うが正直対象外だろう。

転生貴族の異世界冒険録 ~自重を知らない神々の使徒

コンビニ強盗から少女を庇って死んでしまった椎名和也は、剣と魔法の異世界の貴族の三男カインとして転生した。幼くして非凡な才能を発揮するカインだったが、五歳になったときに受ける教会の洗礼で神々からたくさんの加護とステータスを与えられていたことが判明する。しかしあまりにも規格外だったため、周囲にばれないように魔法でそのステータスを隠蔽。カインは王国の外で冒険者を志すのだった。

 

あまりにもテンプレ感の強い第一話。ステータス・アイテムボックス・鑑定。ここでも異世界三種の神器は健在だ。個人的にはこれらが出てきたらその時点でアウト判定である。キャラクターは可愛いと思うよ。

漣蒼士に純潔を捧ぐ【オンエア版】

男性経験のないOL・凪沙は旅行先で財布を盗られパニックに陥ってしまうが、突然現れた紳士・漣蒼士に声をかけられ事なきを得る。だがとあるパーティーに参加するため、妻のふりをしてほしいと頼まれて、思わず承諾してしまう凪沙。しかし蒼士の正体はヤクザの若頭であった……。

 

すげぇ超展開で思わず笑ってしまった。いわゆる坊主枠の三分アニメで、有料でエロ要素ありのものが見られるタイプ。これはどちらかというと女性向けの方かな。いくら短い時間で導入部をやらなければいけないにしても、あまりにもフルスロットルでぶっとんでたので、そういう意味ではちょっと評価したい。