四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

今期のアニメをなるべく沢山見てみる4・は行~ら行(2023年冬)

 

詳しいルール等は前の記事で。

 

 

HIGH CARD

フォーランド王国が何者かに襲撃され、一組のトランプが奪われる。その一ヶ月後、街に行き交う人々の持ち物を物色する青年の姿があった。フィン・オールドマン。彼は立ち退きを迫られている孤児院を救うため、スリでお金を集めていた。盗品の買い取りは拒否されてしまうのだが、質屋はフィンの持っている一枚のトランプに目を付けた。結局お金は作れず、カジノで一攫千金を試みるが失敗。そこで出会った一人の男がフィンと似たトランプのカードを持っていたのだが、そこに二人の男が現れカードを巡って争い始めた。その騒ぎに乗じてカードをスリ取り逃げ出すフィンを先程の男たちが追跡する。一人は追跡の際に死亡し、もう一人には追い詰められる。フィンは持っていたカードから異能を引き出し、手の中に現れたのは一丁の拳銃だった……という第一話。

 

最初はこのままギャンブルアニメにでもなるのかなあとぼんやり観ていたのだが、いきなりバトルが始まってちょっと驚いた。トランプを武器にして戦いそう、なんて一昔前は決して褒め言葉では使われなかったのだが、本当にトランプを武器にして戦うアニメが出てくるとは。とは言ってもそのトランプの一枚一枚に宿る能力を駆使して戦うようだ。女性キャラが極端に少なく、イケメンキャラ多数という女性向け作品だと思われるが、アクションシーンや特殊能力使用時のハッタリが効いていて意外と見られる作品だった。何話か様子見してもいいかも。

 

 

Buddy Daddies

殺し屋としてコンビを組む来栖一騎と諏訪零。二人がクリスマスの日に暗殺の仕事を遂行している最中に、父親を探して迷っていた幼い女の子が巻き込まれてしまう。暗殺のターゲットはまさにその父親であった。何も知らないまま銃撃戦に巻き込まれる四歳の女の子ミリ。殺害したことを言い出せるはずもなく、見捨てることもできない二人は、身寄りのないミリを拾って帰ることになった。

 

とにかく子供であるミリの描写のリアリティが凄い。なんの脈絡もなく動いている感じがまさに幼児そのものなのだが、逆に制御が効かなくてちょっとイラっとしてしまう感じまでしっかり表現されている。声優さんの熱演も凄い。しかし個人的には主人公二人の生業が殺し屋というところがちょっと足を引っ張っており、育児との組み合わせはかなり食い合わせが悪く感じられる。一話での違和感は今後増大する一方だと思うので、今のうちに切っておく。

 

 

もういっぽん!

青葉中学柔道部の園田未知は柔道を辞めるつもりだった。最後に一本勝ちで終わりにしたい、そう思って中学最後の試合に臨んだが不幸な事故が重なり、一本勝ちどころか絞め落とされて負けてしまう。そして時は過ぎ、未知は同じ柔道部だった滝川早苗とともに青葉西高校に進学した。柔道とは無縁の高校生活を謳歌しようと考えていた未知だったが、幼なじみの剣道部・南雲安奈がしつこく武道場に誘ってくる。だがそこで未知の中学最後の試合の相手だった氷浦永遠と再会。安奈とのトラブルから、未知が永遠を投げ飛ばしてしまったことで、柔道の楽しさを思い出してしまうのだった……という第一話。

 

一話を見たときには柔道場のむせ返るような空気感、汗のしたたる青春の輝き、迫力ある試合の描写から今期の圧倒的ダークホース枠!だと確信したのだが、二話目から露骨に省エネになったのでまあほどほどの期待に抑えておくべきなのかと思い直した。単なるスポ根ものというだけでなく、年頃の女子として色恋沙汰などにも興味津々なガーリーな雰囲気が結構好みだったりする。そして昨今の流行りに逆行するような、太くて丸いキャラクターデザイン。たまにはこういうのもアリだ。視聴継続!

 


もののがたり

付喪神を退治することを生業とする、塞眼(さえのめ)。その御三家の一つである岐家の次期当主である兵馬は、幼い頃付喪神に兄姉を殺されたことから、付喪神に対して強い憎悪を抱いていた。だがそれを見かねた祖父は、付喪神と共生している京都の長月家への出向を兵馬に命じる。塞眼の資格の剥奪がかかった命令だったが、その初日から長月家の付喪神たちと不和が生じてしまう。付喪神の一人である薙と戦いを繰り広げる兵馬であったが、長月家の当主ぼたんの帰宅によってその戦いは強制終了させられて……という第一話。

 

呪術廻戦のフォロワーか何か? とぱっと見で思ったが、どうやらこっちの方が先だったらしい(2014年連載開始)。だが正直なところ、ジャンプ漫画の系譜としてどこかで見た感じは拭えず、特別作画的な見どころがあるわけでもないので(むしろあんまりよろしくない)、敢えて視聴継続するほどの意義は見出だせない。よって一話切り。

 

 

UniteUp!

幼い頃からヒーローに憧れていた高校生・清瀬明良はずっとやっていた野球を辞め、今は幼なじみの小山由和とともに放課後にカラオケに行く……そんな毎日を送っていた。だがそんな明良を見かねた由和は、こっそり明良のカラオケを動画投稿サイトにアップし、明良の知らないところで歌い手KIKUNOYUとしてそこそこ名の知れた存在となっていた。そして由和の元に新興の芸能事務所であるsMiLeaからスカウトのメールが届く。最初は渋った明良だったが、由和や母親に背中を押され、事務所からのスカウトを承諾するのだった……という第一話。

 

去年一躍名を上げたアニメ制作会社であるCloverWorksの今年の一発目は、男性アイドルアニメ。作ってるところが同じなだけあって、自分の好きな『明日ちゃん』や『ぼっち』と雰囲気はかなり近い。主人公の所属するグループは髪色が赤黄青の信号機トリオで、これでピンクがいたら結束バンドだなみたいなことを思っていた。質はいいのだが男が歌って踊る系の作品はもう完全に肌が合わないので、よっぽどのことがなければ見続けることはないだろう。

 


REVENGER

江戸期の長崎。薩摩藩士の繰馬雷蔵は出島での阿片密売の容疑が掛かっていた義父をその手にかけるが、それは政敵松峰による謀であった。証拠隠滅のため暗殺されそうになった雷蔵は間一髪のところで”よろず利便事引き受け”と名乗る連中に命を救われる。その内の一人である蒔絵師の碓水幽烟から、義父は阿片の取引を捜査していたのであり、雷蔵をそそのかした松峰こそが黒幕だと語る。利便事屋……復讐を代行する集団のひとりである碓水は、松峰殺害のために薩摩のことをよく知る雷蔵の協力を欲していたのだ。そして松峰邸の人間を一掃する利便事屋たちだったが、屋敷から逃げ出した松峰は雷蔵によって切り捨てられた。だが雷蔵の許嫁は既にこの世になく……といった感じの第一話。

 

利便事屋の面々がそれぞれ風変わりな殺人方法を駆使するあたり、最初の印象は必殺仕事人だこれ!と思わずにはいられなかった。製作に松竹が入ってるからこそ、好きにやれたんだろうなと思う。一話の時点では正直そこまでピンと来なかったのだが、二話の巨大な弓と、猿叫まで再現した薩摩示現流の剣技を見てからなんとなく作品の方向性が掴めた。しばらくの間様子見する価値はありそうだ。

 


結論

以上38本。

ダラダラとやっていたら二月になってしまうところだった。

今期アニメが3話どころか既に4話も放送されているような状況なのだ。

そういうわけで切るか継続するか、ギリギリのラインにあった作品も

2話か3話まで見て整理した結果、以下のようになった。

 

視聴継続

転生王女と天才令嬢の魔法革命・ツルネ

お兄ちゃんはおしまい!・もういっぽん!

前向きな様子見

TRIGUN STAMPEDE・REVENGER・HIGH CARD

後ろ向きな様子見

大雪海のカイナ・NieR:Automata

時間があれば

隣の天使様・とんでもスキルで異世界放浪メシ

シュガーアップル フェアリーテイル・テクノロイ

 

 

今期は前期に比べて話題性のある作品に乏しく、小粒な作品が大量に並んでいるような状況に思えた。そのせいか他の時期だったら簡単に切っていたような作品も、判断に困って様子見に回ってしまい切るに切れなくなってしまったような気がする。だがさすがに数が多すぎるのでバッサリ行くしかなかった。

 

だからといってつまらないアニメばかりかと言えばそうでもなく、自分に合った作品は必ずある。なろう系はやはり合わないのでほぼ切ったが、個人的に『もういっぽん!』は一番の収穫。かつては定番だった女子の部活ものアニメが今期はこれしかないというのがもはや異常事態である。ツルネも続編とはいえ、答えの無い問いへの自分なりの結論を頑張って見つけようとする青臭い話であって、部活ものとしてはやはり好みに合っている。『REVENGER』と『HIGH CARD』も同じアウトロー系でありながら、それぞれ静と動で方向性が違っていて楽しめそうだ。だが今期で一番見るべきアニメ、それはBS朝日の日曜23:30からやっている『明日ちゃんのセーラー服(再)』だ。これは本気で言わせてもらう。

 

どう考えてもアニメの本数が多すぎるが、その結果国内のマンパワーが不足し、中国への依存度が高くなった結果、コロナの感染拡大(本当か?)で放送が延期されるという事態が既に散見されている。『久保さんは僕を許さない』も見ていたのだが、7話以降は来期に延期されるという。春アニメになってしまった。他にもニーア・UnaitUP!・あやトラ・異世界おじさん・艦これなどで放送延期の発表されているが、これで終わりとも思えない。自分が見ている作品が延期されたら目も当てられないが、多分まだ万策尽きる作品は出るに違いない。

 

そして4回にわたって長々とやってきたが、この企画は面倒なので二度とやらないだろう。