四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

Netflix『グッド・ナース』視聴。

Netflixを眺めていると、なんだか大量殺人鬼(シリアルキラー)を取り扱った番組が多いような気がする。最近でも『ダーマー』という実在の大量殺人鬼、ジェフリー・ダーマーを扱ったドラマが話題になっていた(未視聴)。殺人ピエロの名で有名なジョン・ウェイン・ゲイシーのドキュメンタリーを観たことがあったが、肌に合わず途中で観るのを止めてしまった。グロいからとかではない。そして『グッド・ナース』もまた実在の大量殺人鬼・チャールズ・エドモンド・カレンの実話を元にした映画である。

 

今回に限っては公式からストーリーを引用する。

https://www.goodnurse-jp.com/

命を脅かす心臓病を抱える心優しいシングルマザーのエイミーは、看護師として、ICUのきわめて多忙かつ過酷な夜勤で肉体的にも精神的にも限界を迎えていた。しかしある日、そんな彼女の部署に、思いやりがあり、親身になってくれる同僚のチャーリーが配属されたことで、エイミーの生活に一筋の光が。病院での長い夜を共に過ごすうちに、2人は固い絆で結ばれた親友同士になり、エイミーは久しぶりに自分と幼い娘たちの未来に心から希望を持てるようになる。ところが、患者の不審死が相次いだことをきっかけに、チャーリーを第一容疑者とした捜査が開始。エイミーは、自らの命と子供たちの安全を危険にさらしながら、真実を突き止めることを迫られる。

 

結論から言うと、なんか薄味…というか淡々としている。話に捻りがなく、上記のストーリーで内容の8割ぐらいは明かされてしまっている。一応、医療事故に見せかけた殺人の真相を解明しようとする捜査官のパートもあるのだが、刑事コロンボレベルで犯人が誰なのかは視聴者には分かっているわけだし……。

 

基本的にこの映画では犯人のことについてはたいした掘り下げもなく、犯行動機も明らかにならないため大量殺人犯の方にはあまり興味がなかったんじゃないかと思う。何度も犯行を疑われながらも、病院の隠蔽体質や事なかれ主義のために職場を転々としながら犯行を続けられたり、激務により慢性的に人手不足な医療の現場に対する啓発のほうが明らかにメインテーマ。そういう意味では思ってたのとなんか違ったなという感じ。

 

一応クライムサスペンスとしてハラハラさせられる要素はあって、犯人とほぼ確定しているのに親切な隣人として付きまとわれるのはかなり嫌な気分だし、なまじ犯人と仲良くなってしまったおかげで、子供を抱き込まれて自分が留守の間に家に上がっていたりするのは恐怖でしかない。

 

主人公のエイミーが心臓病を患っているのは作劇上非常に便利な設定で、病気のせいで家計が苦しく仕事で無理をするきっかけになっているし、病気で苦しんでいるのを知られることでチャーリーとの仲が深まるし、病気のせいで激しい運動ができずに倒れてしまう……など実際に心臓病に罹っている人には申し訳ないが、ある意味感心してしまった。

 

そして保険に入っていないので病気の検査と診察で980ドルも払わされる。現在の日本円にすると14万円以上。シングルマザーにこの医療費は堪える。シリアルキラーのことより、そういうアメリカならではの世知辛さが印象に残る映画であった。