四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『雄獅少年/ライオン少年』鑑賞。

なんかだが最近ブログ更新する気になれない。やらなくちゃと思えば思うほどやる気が失せていく。そろそろブログを始めて一年になるが、まとまった文量でそれなりの形にしないといけないと思うから億劫になっていくのかもしれない。もっと軽い気持ちでいいんだ、軽い気持ちで……。

 

そういうわけで『雄獅少年/ライオン少年』を見てきた。中国産のフルCGアニメ。キャラクター以外は実写と見紛うほどの精巧なCGで、日本よりもむしろアメリカ大手のピクサーやイルミネーションの方に近い。近年中国のアニメーション技術の発達が叫ばれて久しく、日本を越えるのも時間の問題だと言われ続けていたのだが、ついにここまで来たかという感じだ。

 

だがこれまで『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』などの中国産アニメを幾つか見てきたが、脚本・ストーリー・演出の違和感はどうしても拭えなかった。なまじ見た目にそれほど差がないこともあって、日本と大陸の感性の違いによって生まれる微妙な差を、似て非なるものとして認識してしまいそれが違和感に繋がっていた。共産党によって監視されているせいで制限があるとか、儒教的価値観が滲み出てくるとか、そういう部分。お国柄と言ってもいいかもしれない。逆にそういう部分に中国らしさを感じる人もいるだろう。

 

今回の『雄獅少年/ライオン少年』にもそういう部分が多少見え隠れしているのだが、最近の中国作品の中では日本人でも共感しやすく作られていると個人的には思う。まずテーマが獅子舞。そして主人公は周囲から蔑まれる落ちこぼれたち。彼らが獅子舞を通して成長し、栄光を掴み取るスポ根サクセスストーリーだ。王道でとっても分かりやすい。彼らと出会う師匠も、かつて獅子舞の達人として名を馳せながらも、結婚を期に辞めざるを得なくなり中年になっても燻り続けている男。そちら側の再生のストーリーもあって、非常に熱さを感じる作品になっている。

 

獅子舞もただ踊るだけではなく、タイマンで目標の玉を取り合う獅子舞バトル、一つの玉を何十人で取り合うバトルロイヤル、高所の足場をいかに華麗に登っていくかを競うなどバラエティ豊富で飽きさせない。終盤行われる獅子舞大会に至ってはまるでSASUKEのようだ。最初は虚弱すぎて獅子舞どころではなかった主人公たちが、絶対死ぬだろそれ!ってレベルの障害物を難なく乗り越えていく様には成長が感じられるし、伝統芸能をエンターテイメントに昇華させる工夫が素晴らしいと思う。

 

この作品、笑わせようとしているシーンが結構あるのだが、間の取り方がおかしくてなんだか笑い難いとか、最初に貰った獅子頭の出番ってそれで終わりなの!?とか微妙に外してくる箇所を除けば総じて満足のいく作品だった。