四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『サマータイムレンダ』完走。

 

サマータイムレンダ』完走。最後まで緊張感のある展開が続き、どんでん返しの連続で楽しませて貰ったのだが、バトル・アクション要素が色濃くなる後半と比べて、手探りの状態が続くミステリアスな前半の方がどちらかと言えば好きだった。こういうのはループもの作品としての常というか、『ひぐらしのなく頃に』でも似たような感想だった。終盤に超人バトルが始まるのも、毎回OPで作者の名前と一緒にジャンプだって出ていたのだから、いつそうなっても不思議ではなかったのだが。

 

お話としての種明かしは12話まででおおむね終わり、後半戦はどうすれば黒幕を倒し勝利条件を満たせるのかという話になってくる。主人公がループできるのはいいとして、黒幕の方もそのループを利用して罠を仕掛けてくるというのは新鮮で、ただループを繰り返して自分だけ有利に運ぶというわけにはいかなくなり、いかにして相手の裏をかくのかという頭脳戦が展開。ちょっと目を離すとわけがわからなくなりそうだったので、見ているこちらもじっくり腰を据えて観る必要があった。無能な味方が足を引っ張るということがなく、視聴にあたって不必要なストレスを感じないのは評価できる。

 

それに伴って潮が次々と反則的な能力に開花し、どんどん便利すぎる存在に。これくらいやらないとヒロインが空気になってしまうというか、逆に終盤の澪は戦力外になってしまいちょっと空気になっていた。色々な意味で切ない。影澪の最期も特に描写がないのは惜しいと思ってしまう。

 

最終話が一話丸々エピローグというのはかなり嬉しかった。気に入った作品でも、ここが短くて物足りないアニメは結構多い。何もかもが終わって平和になった世界をじっくり見たいという希望はなかなか叶えられないものだ。過去が変わってしまったらバタフライエフェクトで現在への影響がとてもつもないことになると思うのだが、潮によって書き換えられた都合の良い世界だから問題ないということなのだろうか。それとも黒幕は本当に長生きすることだけが目的で、日都ヶ島を含めた世界にほとんど何も影響を及ぼしていなかったということなのだろうか。言いたいことは山ほどあるが、個人的にはひづるさんが元気そうで何よりだ。あれだけのことがあったんだから、こんなに都合の良い結末でもいいじゃないか。今はそういう気分だ。

 

アニメだけでもわりと満足しているのだが、原作から削られた要素もそれなりにあると聞く。このアニメで一番「えっ!?」と思った部分は朱鷺子の扱いについて。前の周で敵対していてこれからどうするんだ? と思っていたのに、次の周で特にエピソードもなしで仲間入りしているのはさすがに戸惑った。そこはもうちょっとこう……何かあるべきだと思う。この辺りは漫画ではフォローされているらしいので、時間があったら漫画の方も読んでみたい。

 

ひぐらしのなく頃に』が続編で勝手にやらかして死んだので、ループものの新しいスタンダードとして『サマータイムレンダ』がその枠に収まって欲しいなと思う。ただ続編とかは無しでこれっきりにして欲しいとも思う。