四十の一部始終

今年で四十歳になりました。一日一回更新が目標。

スカイリム日記23『栄誉の証明(後編)』

 

今回の仕事の監督であるファルカスはとっとと走って行ってしまったので、準備をする暇もなく彼の背中を追いかけてホワイトランの平原を走り、息を切らせてダストマンの石塚に到着した。だが彼はそんな俺の様子を気にするわけでもなく、先を急がせた。ちょっと待ってくれ……。

 

 

一息ついてから遺跡の中に足を踏み入れると、ファルカスはこの場所に何者かが入った形跡があることに気付いた。それもつい最近のことのようだ。まさかここにウースラドの欠片があるという情報自体が罠だったのではないか? そういう疑念がふつふつと湧いてくる。

 

 

何者かの襲撃に警戒しながらしばらく奥へ進んでいくと、通路が鉄格子で塞がれている。離れたところにレバーがあり、ファルカスをその場に置いて俺はレバーを操作しに行った。ガシャーン! 先へ進む通路の鉄格子が上がったと同時に、背後から勢いよく別の鉄格子が落ちてきて俺は閉じ込められた。まさかこんな単純な罠に引っかかるとは……。ファルカスはやれやれと言った感じで、通路の先にもう一つのレバーを見つけたようなのだが。

 

 

どこからともなく男たちが現れファルカスを取り囲んだ。先にこの遺跡に入っていた人間たちというのはこいつらのことか!? 銀の刃をちらつかせ、じりじりとファルカスににじり寄っていく。いくら同胞団の手練でもさすがに多勢に無勢。くそっ、この鉄格子さえなければ俺も加勢できるのだが。

 

 

死の覚悟を問う相手に対してファルカスは不敵に笑った。すると鉄格子の向こうで、ファルカスの肉体が膨張していき、全身が毛で覆われた巨大な人形の獣(ウェアウルフ)へと姿を変えた! それを見た男たちは興奮したように飛びかかったが、ウェアウルフは恐ろしい速さで敵の合間を縫って背後へと回り込む。そして腕の一振りで男たちは次々と肉塊と化し、あっという間にあたり一面を血の海へと変えた。

 

 

静寂が訪れる。人の姿に戻ったファルカスは一人で先に進み、俺の目の前の鉄格子が上がって行く。きっと通路の先にもう一つのレバーがあり、二人一組なら進める仕掛けだったのだろう。もし一人でこの遺跡に来ていたなら……想像しただけで恐ろしい。いやそうじゃない、さっきの獣の姿はなんだ!?

 

ファルカスの目には俺が怯えているように見えたのかもしれない。最初に謝罪すると、さきほどの姿……ウェアウルフはサークルと呼ばれる同胞団の幹部のみが持つ秘密の力だと説明された。同胞団の強さの秘密はこういうことだったのかという納得があった。吸血鬼のように邪悪な力というわけでもないようだし。

 

 

そして先程の男たちはシルバーハンドというウェアウルフを狩るための集団であり、同胞団とは敵対関係にあるという。俺の目には山賊と見分けがつかなかったが、全員がウェアウルフやアンデッドの弱点である銀の剣で武装しているのが特徴のようだ。

 

同胞団の幹部がウェアウルフだと知っているなら、あいつらはウェアウルフだとバラしてしまうのが一番同胞団の名誉に傷が付くような気がするのだが、それは黙っておこう……。

 

 

遺跡の先には多数のシルバーハンドたちが待ち構えていた。一人ひとりが精鋭と呼ぶのに相応しいほどの強敵揃いで、それが複数で襲ってくるとなると非常に手を焼いた。ファルカスもたまにサボっているのかと思えるほど戦いの最中にぼんやりしていることがあり、あまり頼りにならないのが困りものだった。

 

 

待ち構えていた大蜘蛛も倒し、遺跡の最奥と思われる玄室へと辿り着く。壁沿いに多数の石棺が置かれており、入った瞬間から嫌な予感がする。こういうのはお宝を取った瞬間にドラウグルが出てくると相場が決まっているのだ。部屋の奥の台座にはウースラドの破片と思われる金属片が安置されていた。ゴクリ。そっと持ち上げてみると、地響きと共に石棺の蓋が次々と開いていく! ほれ見たことか。

 

 

いまだかつて無いほど大量のドラウグルが相手ということで、想像以上に激しい戦いになった。幸い質はそれほどでもなく、ファルカスの頑張りもあってなんとか全て蹴散らすことができ、ついでに新たなシャウトを習得することもできた。外へ出るとドラゴンが空を舞っていたが、それよりも開放感の方が勝った。スコールめ、簡単な仕事だと言っておいてこんな割に合わない仕事を振ってきやがって……。

 

 

ウースラドの欠片を持ってジョルバスクルに戻ると、既にファルカスから報告を受けていた同胞団のサークルが集合していた。つまりここにいる人間がウェアウルフということだ。導き手であるコドラク、幹部であるスコール、ファルカス、ヴィルカスの兄弟、そして狩猟の女神の異名を取るアエラ、この五人である。俺は今回の仕事ぶりを認められ、正式な同胞団の一員となった。これまでは仮入団だったのだ。

 

 

入団の儀式の後サークルは解散し、残ったコドラクに声を掛けた。ウェアウルフの話の真偽についてだ。コドラクはあっさりとその事実を認めたのだが、実はコドラク自身はウェアウルフを治したいと思っているようだ。

 

ノルド人は死後魂がソブンガルデと呼ばれる場所へ行くと信じており、ウェアウルフのままではそこに行けないのではないかと心配しているのだ。コドラクは既に年老いているので、そういうことが気になるようになってきたのだろう。このことが同胞団の堅い絆に亀裂を走らせるようなことにならなければ良いのだが。

 

 

【続く】