四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』6話まで視聴。

第6話『奈落』はこれまで前フリの前フリみたいな感じの退屈な話がずっと続いていた『力の指輪』で、始めてようやく面白くなってきたなと思えた回だった。結局のところ『力の指輪』は指輪物語のお話を下敷きにしたオリジナルストーリーぐらいの話として正直なところ期待値をだいぶ下げていた。演者の人種が云々も個人的にはそれほど気にはしていなかったのだが、つまらない作品の言い訳にはしてほしくないという気持ちはあった。

 

『力の指輪』にはサウロン打倒を目指すガラドリエルとヌーメノール、エルロンドとエルフとドワーフ、謎の老人を保護するハーフット、南方国のエルフと人間たちという4つのストーリーラインが走っていた。それぞれの話にはこれまで特に関わりが無かったのだが、それがようやく交わり始めたのが6話というわけだ。これまでバラバラに渡されていたパズルのピースがやっと嵌まってきた。

 

統率されたオークに対して抵抗する南方国の民だったが、卑劣な罠にかかり追い詰められてしまう。逃げたはずの南方国の民を武装させて同士討ちさせるという、この辺はオークの戦いのえげつなさがあって良い。そして紆余曲折あって中つ国にやってきたガラドリエル率いるヌーメノールの騎馬隊が間一髪のところでオークを蹴散らす。王道だが騎兵隊の到着というのはやはり盛り上がる。

 

ロード・オブ・ザ・リングでいえば、『二つの塔』におけるヘルム峡谷の戦いを大幅に縮小したぐらいの感じなのだが、これまでの見どころといえばガラドリエルの暴れっぷりぐらいだったことを思えば十分なくらいである。

 

そして今まで思わせぶりに登場していたサウロンの剣の柄が物見の塔の仕掛けを起動させ、その結果モルドールの滅びの山が噴火し南方国に破局もたらす。滅びの山はのちにサウロンが一つの指輪を鋳造した場所であることを思えば、サウロンの遺物が活火山へと変貌させるのはなかなか腑に落ちたし、なんと言っても南方国はモルドールと目と鼻の先にあるのだから、ロケーションとしては実にちょうどいい。これまでオークが掘っていた穴が単なる日除けではなかったことも判明し、色々と納得してしまう回だった。

 

最後は露骨なクリフハンガー展開なのだが、これまでよりはずっとワクワクしている。滅茶苦茶になった登場人物たちには申し訳ないが、7話の予告でアフロになってるガラ様とか見ると笑うしかないじゃないか。

 

これから先の展開としてはハルブラントって絶対ナズグルになるだろ? とかイシルドゥルがゴンドールを建国するんだろ? とかそういう方面の期待をしてしまうのだが、なんというかNHK大河ドラマのように、既に知っている歴史をどのようなアプローチで大きな転換点に向けて繋いでいくのかという、そういう楽しみ方をようやく分かってきた気がする。