四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

Netflix『雨を告げる漂流団地』鑑賞。

スタジオコロリドの最新作『雨を告げる漂流団地』がネトフリと劇場で公開された。スタジオコロリドは地味な作風ながらも良作を世に送り出し続けているのだが、今回の『雨を告げる漂流団地』もまた夏休み映画としてはピッタリの内容ながらも、微妙に時期を外しておりやはり地味の印象からは免れられていない。

 

この映画の感想を見てみると長いとかギスってるとか言われているようなのだが、多少そういう傾向があることは否定できない。実際ちょっと長いと感じた。しかしながら幼馴染モノとしては稀に見る傑作としか言いようがない。思い出の場所や過去に縛られてしまったり、消えゆく風景に対するノスタルジーという要素もあるにはあるのだが、自分が推したい要素はここだ。

 

小さい頃から姉弟のように育った航祐と夏芽の幼馴染二人が、色々な理由で疎遠になっていたのだが、かつて過ごしていた団地で漂流するうちに、一緒に困難を乗り越えてお互いの気持ちを確かめ合ってまた昔の距離に戻る…というのは王道オブ王道で素晴らしい。まだ恋愛感情を認識するほどでもないという関係の機微も良い。この作品のほとんどは航祐と夏芽の話であり、幼馴染モノとしての価値をさらに高めている。

 

ギスってると言われる原因はおそらくメスガキキャラの令衣菜のせいだと思うが、この子は航祐に気がある描写が序盤からあり、夏芽に対する当たりがキツイのはそのせいなのだろう。そう思うと受け入れやすかったし個人的には許容範囲だった。

 

そもそも主人公たちは小学六年生の現代っ子であり、多くを期待してはいけない。そう思うと逆によくやっている方だろう。自活能力もコミュニケーション能力もまだまだ成長の途中なんだということを念頭に入れなければ、ちょっとイライラしてしまうかもしれない。

 

取り壊し予定の団地に入り込んだ七人の男女が不思議な現象に巻き込まれ団地ごと漂流してしまう、という導入から漂流教室蝿の王無限のリヴァイアス的な話をつい連想してしまうがそこまでハードな話ではないし、サバイバル要素はそこまでウェイトが大きくない。蓄えられていた食料や時折通り過ぎる建物から食料を調達したりしてなんとか食いつないでいくことになる。

 

ただ怪我に関しては手加減無用である。結構リアルな痛さを想像してしまうタイプの怪我なので、見ていて思わず顔をしかめた。もしかして監督にそういう趣味があるのでは? と思わず疑ってしまうだろう。『ペンギン・ハイウェイ』で見せた、子供の描写に関する変態性が見事に噛み合った結果だと言えるかもしれない。

 

個人的には『ペンギン・ハイウェイ』のときと同じで欠点もそれなりにあるものの、総合的にはロリショタもの作品監督として次回作にも期待が持てる作品であったので次回作があればまた見てみたいものだ。