四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『明日ちゃんのセーラー服』聖地巡礼・等々力渓谷へ。

コロナ前は自分にも多少の聖地巡礼への情熱があったが

コロナ以降は自粛という形ですっかりその気持ちは失われてしまった。

今日は久々にその気になり、電車で約1時間半の等々力渓谷へと向かうことにした。

 

ここは『明日ちゃんのセーラー服』の原作39話(単行本7巻)で

明日ちゃんたち4人が訪れた場所でもある。

漫画の中では”かがやき渓谷”という名前で、木崎さんの思い出の場所。

必ずしも全てが同じ場所ではないのだが、ここがモデルになっているのは明白だ。

だから前から一度来てみたかったのだ。

 

 

東急大井町線から歩いて三分、と駅の看板には書いてあったが実際は一分で着く。

成城石井とフルーツサンドという、いかにも世田谷区な感じの店の間を行くと

都会のオアシスというありふれた表現をつい使ってしまいそうになるほどの

鬱蒼と生い茂る森が目の前に現れる。ここは住宅街のど真ん中だ。

 

 

ゴルフ橋という、かつて世田谷にゴルフ場があった痕跡を残す橋のたもとには

現在地と渓谷の中の気温を表示する電光掲示板があった。到着したのは午前11時頃。

明日ちゃんたちがここを訪れたときの東京の気温は38度と言っていたっけ。

どんな灼熱地獄だよ……。

 

 

電光掲示板の反対側にある等々力渓谷入り口。

漫画の方とは似てるようで似てない階段。

等々力渓谷に降りる階段は三箇所あったが、そのいずれとも違うようだ。

 

 

階段を降りてすぐのところにある案内図。

下に降りるとひんやりとまではいかないものの

それまで噴き出ていた汗が乾いてくる程度の涼しさがあり

川のせせらぎが聞こえてきた。

 

©博/集英社

 

先程のゴルフ橋の下をくぐる。

単行本7巻18Pで明日ちゃんたちが駆けているのは多分この辺。

都会で急にこんな場所を訪れたらはしゃぎたくなる気持ちも分かる。

でも実際には地面は湧き水などで濡れており、走るのは止めた方がよさそうだ。

 

©博/集英社

 

しばらく歩くと川にかかる橋が見えてくる。

聖地巡礼と言っても今回はそれほど漫画と現地の一致度は高くないが、ここは別格。

単行本7巻の16~17P、見開きのページほぼそのままの場所だ! 感激!

 

 

橋を渡って鉄橋の下を抜ける。上は環八通りで交通量は多い。

この辺りは日陰が多く、だいぶ涼しい。川魚は見かけなかったが

浅い川の底には苔を蓄えた大きな沢蟹の姿がちらほらと見えた。

 

©博/集英社

 

鉄橋をくぐり進んでいくと川に降りられる場所があった。

単行本7巻19Pは多分この辺りだろう。

 

©博/集英社

 

明日ちゃんがアンダーウェアを脱いで腹筋を見せつけたりいろいろある橋。

流れからいって単行本7巻38Pの橋はここで間違いないと思うのだが

橋そのものの一致度はそれほどでもなく、周囲の描写もだいぶ異なる。

明日ちゃんたちはこの後橋の下に降りるが、実際にそれは無理そうだ。

 

 

そこからさらに先に進むと滝があり、雪月花という甘味処が見えてくる。

漫画で明日ちゃんたちが訪れたお店とはあまり似ていないが

同じように座敷に上がってかき氷を食べたりはできるらしい。

今回はあまりに人が多かったので、かき氷は断念。いつか食べたい。

 

 

雪月花から階段を登ると等々力不動尊の境内へ。

等々力不動尊を出て直進すると多摩川河川敷に突き当たる。

遥か彼方には武蔵小杉のタワマン郡が見える。

ここから川下に向かって1Kmぐらい行けば『シン・ゴジラ』で

陸上自衛隊がタバ作戦を展開した丸子橋、多摩川浅間神社なんかも

ついでに見ることができるが、それはまた別の話である。

 

連休中だったこともあり、かなり人が多く

あまりのんびり散策するといった雰囲気ではなかったが

それでも久しぶりの聖地巡礼には言いようのない高揚感があった。楽しい。

またどこかに行きたい。とりあえず、近いところでいいから。