四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』鑑賞。

溢れる原作愛と驚くような再現度、そしてきつい下ネタで日本人の度肝を抜いた

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』で

監督・主演を務めたフィリップ・ラショーによる新作

『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』

少し前から日本でも公開されていたが、近所でもやるというので観に行くことにした。

シティハンターと同じ座組なら、たぶん楽しめるだろうという期待はあった。

 

ヒーロー映画の主役に抜擢された売れない役者が

コスチュームを着たまま事故ってしまい、記憶喪失になった役者は

身の回りにある小物のせいで自らをスーパーヒーロー・バッドマンであると

勘違いしてしまう。そして存在しないはずの妻子をヴィランの手から取り戻そうと

騒動を巻き起こす…導入部分だけでもちょっと面白そうだ。

 

今回はアメコミヒーローのパロディ映画。

アメコミ映画パロディと言ってもマーベルもDCもごった煮で節操がなく

コスチュームはバットマンだがネタそのものはマーベルの方が多い。

映画のパロディと言うと『裸の銃を持つ男』や『ホットショット』のような

作品が思い起こされるが、似たようなものだと思って差し支えない。

ただそれらと違うのは、シティハンターのときと同様に

やはり下ネタが多くを占めているということだ。

もうほとんどお下劣と言ってもいいレベルで。

最初の面接のシーンでいきなり主人公が短小用コンドームCMに出演しているのを

見せられるがこれはほんの始まりに過ぎなかった。

 

とにかくめちゃくちゃしょうもないネタが畳み掛けるように繰り出される。

最初のうちは堪えていられたが、途中から我慢できずに笑ってしまった。

大笑いというわけではないが、数撃ちゃ当たるとばかりに連発されるので

呆れてしまいつつも笑ってしまうのだ。

 

しかしこんな映画でも起承転結はちゃんとしているし

あまりに破天荒でいい意味で先が読めない展開だし

観客の見たいものはちゃんと見せてやるという心意気は感じるのだ。

紆余曲折あって即席のヒーローチームがアッセンブルするシーン。

発泡スチロールを用いた迫力と脱力感が同居するバトルシーン。

満を持して登場する掃除機。まさかそんなタイミングで!?

千両役者の登場に見ていて思わず拍手しそうになってしまった。

この作品のMVPは間違いなくケルヒャーの掃除機だろう。

 

上映時間も短めだしサクッと楽しめる、くだらないけど笑える作品である。

シティハンターはまぐれではなく単なる平常営業だったということを教えてくれた。

配信があったら酒でも飲みながらもう一回ぐらいは見てもいいと思えた。