四十の一部始終

今年で四十歳になりました。二日に一回更新が目標。

『アルゴ』鑑賞。

なんとなくずっとマイリストに入っていて

なんとなく時間があったので観たが、なかなか楽しめた。

2013年にアカデミー作品賞を受賞。監督・主演はベン・アフレック

 

舞台は1979年から80年にかけてのイラン。

イラン革命によって追放されたパーレビ国王をアメリカが受け入れたことに端を発する

アメリカ大使館占拠事件により、外交官が人質になる。

しかしそのうちの6人はそこを脱出しており、カナダ大使の私邸に匿われる。

その6人を無事に帰国させるよう命じられたのが

この作品の主人公、CIAの工作員トニー・メンデスだ。

 

CIA…現実においては正直なところ碌でもない組織というイメージが強いが

創作へのネタ提供という意味では、ここまで美味しい組織もないと思う。

非人道的な作戦は枚挙にいとまがないが、今回のような珍作戦も存在するのだから。

孤立した在外邦人を映画のスタッフに偽装して脱出させる『アルゴ計画』

その実話を元にしたのがこの映画である。

 

作戦の決行にあたって信憑性を高めるために有名な監督に偽装をオファーしたり

ペーパーカンパニーを設立したりと計画への念の入れようも面白い。

アルゴというタイトルは作戦上の架空の映画タイトルに由来しているのだが

内容が中東風スターウォーズとでも言おうか…

絶妙な嘘くささに思わず苦笑してしまう。

小物も凝っており、作戦に対する本気感が伝わってくるのだ。

 

脱出実行シーン、ハラハラドキドキは味わえて悪くないのだが

映画的な盛り上がりを優先したか、都合の良いトラブルと

紙一重で危機を脱するシーンの連続で

ここはかなり盛ったなと感じる場面が多い。

個人的には本番よりも準備のパートのほうが良かったと感じた。

 

この映画、イランの革命評議会は確かに悪役のポジションではあるのだが

アメリカのやったことも大概であって、劇中のイラン人の怒りももっともであった。

そういう風に感じるのも、多少アメリカの非の部分も描いているからだろう。